第1回
監修・執筆: ファイナンシャル・プランナー(認定者)
島田昌夫

●今年中に家を建てると、10年間所得税が戻ってくる!?
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。


Q
今年中に家を建て入居すると、10年間主人の給料の手取額が増えると聞きました。詳しく教えてください(主婦・35歳)

A
それは、「住宅ローン控除」という措置の恩恵です。個人が家を建てたり買ったりすることに対する国家的な応援のひとつともいえます。対象となる借入金は、5,000万円(10年以上の償還または割賦)までとなっています。
たとえば、住宅ローンを2500万円組んだ場合、初年度から10年にわたってローンの残額の1%にあたるお金が還ってきます。ただし、実際に納めている所得税額が控除の上限となります。所得税が年間30万円の場合、ローンの残額の1%が35万円の年でも、控除されるのは所得税の30万円まで。還ってくる金額は30万円です。
税込み年収700万円で専業主婦一人、小学生一人の3人家族の場合、納めている所得税は、およそ30万円となります。年末調整などで税金が還ってきたときだけ、手取額が急に増えるわけです。
筆者のまわりでは、この還付金をクルマの購入資金に当てようかどうか迷った挙句、住宅ローンの繰上げ返済を決意。ローンを楽に減らしたというハッピーなケースがありました。ぜひ参考にしてください。
「住宅ローン控除」の大切なポイントは、本年(2003年)12月31日までの入居が要件となっている点でしょう。つまり、この措置は時限的措置、ひらたくいえば期間限定サービスなのです。
来年(2004年)1月1日以降の入居については、所得税控除額と控除期間が縮小される予定です。控除額上限は5,000万円ではなく3,000万円に、控除期間の上限は10年ではなく6年になる見通しです。控除が全くなくなるわけではありませんが、先ほどの繰上げ返済の原資づくりというメリットを考えると、今年中に入居できるように家づくりを計画して大きく還付を受けたいものです。なお、この還付を受けるには、初年度のみ確定申告が必須、その後は年末調整で還付されます。

「住宅ローン控除」を活用して、還付金を繰上げ返済の原資に。

「住宅ローン控除」を詳しく知るなら: 国税庁のホームページへ 
(http://www.nta.go.jp/category/mizikana/sitte/h14/infoind.htm)
「不動産と税」の項目を参照してください。

Q
給与収入 700万円(年間)
所得税 30万円(年間)
住宅ローン 2,500万円(住宅金融公庫35年元利均等毎月返済)
金利 返済当初10年間2.30%、11年目以降3.50%
住宅ローン控除10年間の控除額

※1年目から6年目までは、ローンの残債の1%は30万以上ですが、控除されるのは所得税30万円が上限。

11年目に、控除額合計290万円のうち、200万を繰り上げ返済に使った場合、  
残り返済年数が24年11ヵ月から、21年3ヵ月に短縮できます。
11年目に、控除額合計290万円に、10万をプラスして300万円を繰り上げ返済を
使った場合、残り返済年数が24年11ヵ月から、19年5ヵ月に短縮できます。

※本コラムの内容は、2003年3月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。