第6回
監修・執筆: ファイナンシャル・プランナー(認定者)
島田昌夫

●変動金利か固定金利か
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。


Q
サラリーマンの夫は、最近話題の変動金利型ローンを選びたいと言っていますが、妻の私は「公庫のような固定金利型が安心」と考えており、意見がまとまりません。どちらがいいのでしょうか。(公務員・35歳)

A
基本的には返済額が変わらない固定金利型をおすすめします。確かに現在、変動金利型を選ぶと、固定金利型よりも「さしあたっての」返済額は低くなります。が、この「さしあたっての」というところに問題があります。超低金利の今は、金利がいずれ上がるわけで、返済額が増えたときのことを想定しておかねばなりません。ありがたいことにと言うべきか、困ったことにと言うべきか、返済額の上昇はのんびりやってきます。金利の見直しは半年ごと年2回で、返済額の見直しは5年おき。ということは、5年後にドンと上がってしまってからあわてる可能性があります。また、返済額のアップは25%アップが限度と決められていますが、これがまたクセ者で、26%以上のアップ分は消えるわけではなく、返済総額にしっかり加算されていきます。

「子どものいない、つまり教育費を考えなくていい共働きのご夫婦」や、「預貯金が十分にあるご家庭」なら、繰上げ返済を活用することで返済期間を短縮。金利が本格的に上昇した頃にはローンを完済している状態に持ち込めます。が、このような条件にあてはまらないご家庭の場合には、固定金利型の選択が無難です。このようにご説明すると、「金利は上がる上がると言われながら、ほとんど変わらず低いままだ」と反論する方もいらっしゃるでしょう。
実は変動金利型の場合、借りているご家庭は金利変動による将来の不安にさらされ続けます。一方、貸している方には、こんな不安がありません。ほとんどの民間金融機関は、変動型金利ローンについて仕入れ金利(主に短期プライムレートで2003年8月現在1.375%)に一定のマージン(儲け分で都市銀行の場合1%)を乗せる形で商売をしています。市場金利が上がろうが下がろうが、この方法で安定的にマージンを確保できるわけです。さらに借り手のあなたには収入や預貯金が限られているというハンディがあります。ハンディがあるのに、一方的な金利変動リスクを何十年も背負う。それは、鍛えていないのに、コースがいつどう変わるかわからないマラソンレースに出て入賞を狙うようなものではないでしょうか。以上を理解したうえで、「さしあたっての」返済額の少なさやキャンペーンの勢いに釣られて変動金利型を選ぼうとしていないか、今一度お考えください。

なお、住宅金融公庫ローンは固定金利型ですが、全期間一律の固定ではありません。11年目以降金利が上がる仕組み(2段階型固定金利)になっています。たった一回だけですが、金利が上がればやはり月々の返済額も上がるのでご注意ください。民間の長期固定型もこの2段階型が少なくありません。パンフレット等でよくご確認ください。

住宅ローン返済額のシミュレーションは http://www.jyukou.go.jp/
point6 金利はできるだけ固定にして、返済額を変動させないのが、賢明。

 
変動金利型住宅ローンの金利リスクイメージ

※本コラムの内容は、2003年5月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。
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