第9回
監修・執筆: ファイナンシャル・プランナー(認定者)
島田昌夫

●繰り上げ返済のもうひとつのポイントとは?
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。


Q
一部繰り上げ返済では、毎月の返済額を少なくする方法とローンの支払い期間を短くする方法の二つがあると聞きました。どちらを選んだ方が有利なのでしょうか。(会社員・33歳)

A
たとえば住宅金融公庫(以下公庫)や財形、年金のような公的住宅融資では、ご質問のように返済額軽減型と返済期間短縮型二ついずれかを選択できます(民間住宅ローンについては個別にご確認ください)。公庫から3,000万円を25年返済で借りている方(当初2.7%、10年目以降3.5%)が5年目に200万円繰り上げ返済したと想定してみましょう。前者の返済額軽減型繰り上げ返済を実行すると、月々の支払額137,626円を126,798円にまで抑えられます。これに対して、後者の支払い期間を短くする繰り上げ返済を選んだ場合には、毎月の返済額は137,626円のままですが、残り返済期間は17年11ヶ月に。約2年も短くできます。また、利息カット総額で比較しても、後者の期間短縮型の方が約100万円も多く削減できる結果となります。

利息は、以前ご説明した通り「レンタル料」です。借りる期間を短くした方が「レンタル料」が少なくてすむことから、期間短縮型の方が得策であることはお分かりいただけるでしょう。すでに、繰り上げ返済については本連載第1回、第8回でご紹介してきました。いずれも返済額軽減型ではなく、この期間短縮型の方をモデルケースに取り上げています。それは以上の理由からです。もちろん、中には「子どもの教育費が増えて家計が苦しくなったので、うちは返済額軽減型の繰り上げ返済にしたい」というご家庭もあるでしょう。少し厳しい言い方になるかもしれませんが、この場合は住宅ローンを組む時点で将来の教育費アップを見込んだ資金計画を立てておくべきだったのです。「繰り上げ返済はあくまでも余裕資金で行う」というポイントをまずおさえた上で、基本的には期間短縮型を選択することをおすすめします。

なお、公庫で全部繰り上げ返済する場合は、融資の申し込み時期を問わず繰り上げ手数料は無料です。また、平成8年5月10日以前に申込みをし、期間短縮型の一部繰り上げ返済する場合についても、手数料が無料です。同年5月11日以降申し込みについては有料(3,150円)となっています。一方、返済額軽減型の場合は申込み受付時期を問わず有料(5,250円)です。(民間金融機関については、個別にご確認ください)
point6 繰り上げ返済の場合、期間短縮型の方が返済額減少型よりも利息カット効果は高い。

 
二つの一部繰り上げ返済の違い

※本コラムの内容は、2003年11月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。
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