第11回
監修・執筆: ファイナンシャル・プランナー(認定者)
島田昌夫

●住宅ローン減税は、どう変わるの?
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。


Q
住宅ローン減税がまた変わるそうですが、今年、来年、再来年では、減税額はどのくらい違うのでしょうか。我が家では住宅ローンの借入金3,000万円(ボーナス払いなしの元利均等返済25年返済・3.00%)を考えており、年収は約750万円です。(会社員・40歳)

A
住宅ローン減税(正式には住宅借入金等特別控除、住宅ローン控除ともマイホームローン控除とも言う)は、家を建てる方にとって最も関心の高い制度でしょう。というのは、この制度のおかげで、住宅を建てたり買った場合には、払った税金(所得税)の一部が複数年に渡って戻ってくるからです。ところが、平成16年度の税制改正により、来年から1年ごと減税規模が段階的に縮小されていきます。

ご相談者が今年2004年前半に入居し、同年7月からローンの支払いを始めたら、どうなるでしょうか。2004年入居の場合は、毎年末のローン残高(上限5,000万円)の1%が減税(控除)されます。つまり、元金3,000万円と利息をあわせた約4,200万円の1%、約42万円が戻ってくる計算になります。ところが、ここにひとつ制限が加わります。年収が約750万円で約25万円しか所得税を払っていないのであれば、先ほどの約42万円ではなく、この所得税額約25万円が戻ってくるお金になります。住宅ローン減税すべてに言えることなのですが、払っている所得税額が戻ってくるお金の上限になります。したがって、ご自分が1年間にどのくらい払っているかは必ず把握しておいてください。12月に渡された「源泉徴収票」を見て「所得税」の欄をチェックするといいでしょう。この基本をおさえた上で、ご相談者のケースにおける減税額を計算していきます。

(1)ご相談者が今年2004年中に入居した場合
すでに述べたように1年目の減税額は約25万円になります。毎年末残高の1%は10年間常に所得税額を上回っているため、25万円×10年=約250万円の所得税が戻ってきます。

(2)ご相談者が来年2005年中に入居した場合
2005年に入居した場合には、年末ローン残高の1%減税は8年目までとなり、9年目10年目は、年末ローン残高の0.5%が減税となります。計算してみると、減税総額は約227万円。今年入居する場合に比べ、約10%の違いが出ます。

(3)ご相談者が再来年2006年に家を入居した場合
年末ローン残高の1%減税は7年目までとなり、8年目9年目10年目は、年末ローン残高の0.5%が減税となります。ご相談者のケースでは、減税総額約215万円。これは今年中に入居する場合と比べて約15%減になります。これ以降2007年、2008年、戻ってくるお金はさらに減っていきます。家を建てるタイミングについてむやみに焦る必要はありませんが、この段階的縮小の影響についてはファイナンシャル・プランナーの知恵を借りるなどして、きちんと確認しておくようにしましょう。特に本年中に入居する場合、減税の対象となるのは建物と土地の融資分両方を合わせて5,000万円までです。これが、来年以降入居の場合には、4,000万円、3,000万円・・・と少しずつ縮小されていきます。したがって、借入金が多くなりそうな方で年収(所得税負担)の高い方の場合、早めに進めるか否かで減税額に140万円から340万円程度の違いが生じることにご注意ください。

なお、一般的な住宅取得の場合、ほとんどこの減税の恩恵を受けられます。が、念のために国税庁のHPを開いて、他の要件も確認しておくことをおすすめします。

住宅ローン減税について詳しく知りたいときは、国税庁のHPhttp://www.taxanswer.nta.go.jp/shotoku.htmを開き、「マイホームの取得や増改築などしたとき」をご覧ください。
point11 「源泉徴収票」で自分の所得税額を確認しておこう。

 
住宅ローン減税

※本コラムの内容は、2004年1月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。
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