耳より住宅マネー講座
第36回
監修・執筆: ファイナンシャル・プランナー(認定者)
島田昌夫

●ボーナス返済
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。

Q

住宅ローンを組むにあたって私はボーナス返済を利用しようと考えていますが、主人は避けた方がいいと主張して譲りません。どう考えればいいのでしょうか。(主婦・32歳)


A
住宅ローンにおけるボーナス返済とは、そもそも何でしょうか。これは、毎月の返済に加えて、年2回のボーナス月にも返済することを意味しています。かつて住宅ローンといえば、多くのご家庭でこのボーナス払いが利用されていました。ところが、住宅金融公庫の調査によると、ボーナス払いの利用率はこの10年でかつての半分以下にまで減っています。マイホーム新築についていえば、平成6年度は利用率が53.8%でしたが、平成15年度には25.5%にまで減少 (住宅金融公庫調査の8P参照)しています。そこで今回はボーナス返済について以下の3点からご説明していきます。

(1)月々の返済額との関係


実はボーナス返済には、枠が設けられています。たとえば公庫では、1融資額が130万円以上であり、2ボーナス返済分の額が、融資額の10分の4以内の額(50万円単位)であることが要件となっています。民間金融機関の住宅ローンでも若干の違いはあるものの、やはり一定の範囲が決められています。このことをまずきちんと認識しておく必要があります。
また、月々の返済額を減らせるだろうからといって、安易にボーナス払いに頼ってしまうのも、おすすめできません。というのも、ボーナスの金額は景気やお勤めの企業の業績により変動するからです。今後はますますその傾向が強くなるでしょう。

(2)返済期間との関係


とはいうものの、ボーナス返済を利用しないと、どうしても月々の返済額が上がってしまう。そんなジレンマが生じるケースも少なくないかもしれません。しかし、代替策として返済期間の長期化を当てにしてしまうようでは本末転倒です。確かに返済期間を長くすれば月々の返済額を低くすることができます。
しかし、返済期間を延ばした分、当然支払わねばならない利息は確実に増えてしまうのです。したがって、これは本当の解決策になっていません。その意味で長期返済は、ボーナス返済のピンチヒッターにはなりえません。十分ご注意ください。

(3)繰り上げ返済との関係


かつてのように情報があまり行き渡っていなかったときは別ですが、現在ではどなたも繰り上げ返済のおおよその利用法をご存じでしょう。
(詳しくは、本連載バックナンバー第8回「繰り上げ返済はどんなとき有効?」および第9回「繰り上げ返済のもうひとつのポイントは?」をご参照ください)。たとえば、住宅ローン減税で戻ってきたお金を消費にまわしてしまわずに、あくまでも貯蓄にまわしその上でこれを原資として繰上げ返済することにより、総返済額を臨機応変に減らしていく。この方が「どうにかなるさ」式でボーナス払いに踏み切るよりも賢明ではないでしょうか。
もちろん、安定的なボーナス支給がこれからも20年、30年保証されている方やこれからもずっと共稼ぎ、しかもかなり高給取りであるようなケースであれば、この一般的アドバイスは当てはまらないかもしれません。しかし、世の中全体の傾向として、より一層堅実な返済が志向されていることは記憶に留めておかれることをおすすめします。
point36 月々の返済額減らしを目的とした安易なボーナス払いよりも、堅実な返済と臨機応変な繰上げ返済の方が賢明。

 

※本コラムの内容は、2006年2月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。
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