耳より住宅マネー講座
第39回
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住宅ローン減税は10年と15年の選択制
このコラムは、住宅ローンや税金に関する私の相談事例をもとに、毎月耳よりな情報をお届けしていきます。(1)上手な住宅資金づくり (2)効率的なコストカット方法 (3)税制関連の最新情報 といった切り口で適宜ご紹介していく予定です。皆様の家づくりにお役立ていただければ幸いです。

Q

遅くとも来年には家を建てようと家族で話し合っています。最近、住宅ローン減税の制度に変更が加わるとのニュースを新聞で見ましたが、どのように変わるのか教えてください。(地方公務員・33歳)


A

今回の制度変更は正式には今年3月、税制に関する法案が国会を通過し成立してからということになります。ここではこの法案が成立することを前提としての説明となりますので、その旨お含みおきください。

住宅ローン減税の意味

この減税制度の根幹について、まずはおさらいをしておきましょう。この制度は、居住用の家を手に入れた場合で、一定の条件を満たしたときには所得税の減税を受けられる制度です。「払っている所得税を上限」として複数年にわたってキャッシュが戻ってくるため、納税者には恩恵を特に感じやすい仕組みともいえます。(詳しくは、バックナンバー第11回「住宅ローン減税はどう変わるの?」をご覧ください)

現行住宅ローン減税制度の特徴

現行制度の特徴は、入居する年が後になればなるほど、減税規模が縮小されていくことです。たとえば、今年2007年(平成19年)にマイホームを手に入れ入居した場合の最大減税額は200万円ですが、来年2008年(平成20年)は現行制度が定めている最後の年に当たり、最大減税額は160万円に縮小することになります。ところが、ここに新たに国家的プロジェクト「三位一体改革」の影響が及ぶことになりました。すなわち、「国から地方への税源委譲を進める」という方針に沿って国税である所得税分が減り、その分地方税である住民税分が増えることになりました。すでに述べたように住宅ローン減税は「払っている所得税を上限」として税金が戻ってくるわけですから、支払う所得税が減れば、戻ってくるはずの減税額の一部が、削られてしまう…そんな不都合が生じてきます。

適用年数の選択制に

そこで、従来の10年という適用期間に加えて15年の適用期間が新設されました。下の図表をご覧いただきたいのですが、2007年入居の場合には、減税期間10年の方を選ぶとすると、1年目から6年目までが、1%で7年目から10年目は0.5%であるのに対して15年の方を選ぶとすると、1年目から10年目まですべて0.6%で、以降は0.4%ということになります。
(なお、1999年(平成11年)から2006年(平成18年)までの間に入居者に対する住宅ローン減税の特例措置(翌年度分の個人住民税を減額)については、バックナンバー第39回「住宅ローン減税の減税額調整」を別途ご覧ください。ここでご説明している減税適用期間の新設は、あくまでも今年2007年(平成19年)以降の入居者に対する措置です)。

選択のキーポイント

どちらを選べばよいのかについては、マネー雑誌やネット上の解説記事では、ある目安が示されています。すなわち、本来支払っている所得税額が25万円以上なら期間10年のタイプ、25万円以下なら期間15年という目安です。ただし、これはあくまでも所得税が10年なり15年の間一定であると仮定した上での話です。実際には10年なり15年の間には、給料も家族構成も変わります。たとえば、サラリーマンの場合は昇給や転職により年収が増えることがあるでしょう。その場合、当然所得税も増加の一途をたどります。逆に、子どもが生まれれば所得税は減少します。子どもが大きくなる、あるいは子どもの数が増える、あるいは親を引き取って扶養家族にすることにより、所得税はさらに減ることが考えられます。したがって、25万円という目安は、このような所得税額の増減を割り引いた、あくまでも参考程度のものです。もしもあらかじめ厳密にシミュレーションした上で選択したいのであれば、税理士の資格を持つファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。

point40 住宅ローン減税に選択肢が一つ加わったものの、利用上、取り立てて大きな変化とはいえない。

 

※本コラムの内容は、2007年2月現在のものです。本掲載記事を許可なく転載することを固くお断り致します。
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