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失敗したくないマンション選び。 確認しておきたい5つのポイントとは?

630 20170501 佐々木TM失敗しないマンション pixta_34302618_S.jpgあなたがマンションを購入するとき何を重視しますか?
立地?間取り?それとも価格ですか?
高い買い物であるマンション選び、絶対失敗したくありません。
ここではマンションを選ぶ時に、確認しておきたい基本的な5つのポイントをご紹介します。

マンションの良いところは?

手間がかからない

マンションでも戸建て住宅でも、家を綺麗に保つためには、日々の管理が必要です。管理とは、室内外の掃除を始め、窓掃除、庭の草木の剪定(せんてい)や雪の除雪に至るまで、さまざまな作業のことです。
もし、管理をせず、放置したままにしておくと、家はどんどん汚くなり、痛んでしまいます。
戸建て住宅の場合、家の管理はすべて個人で行わなくてはなりません。掃除など自分でできることは自分で行い、できないことは自分で業者へ依頼しなければならず、手間がかかります。
一方、マンションの場合、共用部分については、専門とする管理会社に委託しているケースがほとんどです。そのため、住人の管理負担は少なくてすみます。

便利で安心で暖かな暮らし

マンションではゴミ捨ても気になりません。戸建て住宅では家からゴミ置き場まで遠いことも多く、また収集日当日にしかゴミを出せません。特に生ゴミの場合、収集日当日まで家の中に置いておかなくてはならず、臭いが気になります。一方、マンションでは専用のゴミ置き場が敷地内に設置されていて、敷地外にでることなく、また収集日を気にせずゴミ出しができるのです。さらにマンション内の宅配ボックスが利用できれば、不在時の荷物の受け取りもスムースです。
また、防犯設備も戸建て住宅に比べ、マンションの方が充実しています。例えば、エントランスのオートロックや出入り口に設置された防犯カメラなど、外部からの侵入者をシャットアウトする対策がとられています。
マンションは比較的窓が少ないため、鍵のかけ忘れも最小限におさえられるというメリットもあります。
鉄筋コンクリートで造られたマンションは、外部との空気の行き来が少なく気密性に優れています。また、戸建て住宅と比べて、マンションの各部屋が外気に触れる面積は小さいため、熱が逃げづらい構造となっています。そのため、暖かさを比較的簡単に保つことが出来るのです。

豪華な水周り設備

マンション一棟分の設備を一度にまとめて注文することで、設備機器を安く仕入れられるというメリットがあります。そのため、キッチン、洗面化粧台やシステムバスなどは、比較的グレードが高く多機能のものが標準で設定されているのが一般的です。また、床暖房やディスポーザー(生ゴミ処理機)などの設備が標準設置されていることも多くあります。

マンションの価格とねらい目は?

デベロッパーと呼ばれる会社が、土地の購入からマンションの建設、販売までを手がけます。マンション建設の際、デベロッパーの多くは金融機関から借り入れを起こします。そのためまず、販売価格、販売戸数などの販売戦略から計画していきます。マンションは戸数の約90%が売れたのち、残りの約10%からようやく利益が出てくると言われているため、販売戦略がとても重要になってきます。
マンションの販売価格は、購入した土地の費用に、建設費用、その他諸経費積み上げた上で、すでにその地域周辺で販売されたマンションの価格相場を考慮し決められます。
価格が相場より高いと売れ行きが悪くなり、即日完売が続出すると価格設定が甘かったことになったりと、販売価格の設定にデベロッパーはいつも頭を悩ませています。
買う側にとってのねらい目は、再開発地域の初期に建設されるマンションです。開発初期はまだその地域周辺のマンションの相場価格が決まっていません。よって、デベロッパーも販売価格をいくらに設定するのが妥当なのかまだよくわかっていないのです。そのため、比較的安い価格で販売されることがあります。ただし、そのマンションの売れ行きが好調であれば、そのエリアで今後売り出されるマンションの価格は一気に上がっていきます。例えば、神奈川県の武蔵小杉駅周辺はその典型です。

マンションの面積、間取り

一般的な広さ

戸建て住宅では一人当たり8坪あれば十分な広さといわれており、4人家族なら32坪=約105㎡が目安です。しかし、マンションで一世帯当り100㎡越えの4LDKならかなり広い間取りだといえるでしょう。実際には3LDKで70㎡越え程度でも広いほうだと言われています。
販売価格の面からも、土地取得に費用がかさんだ場合、価格が上がりそうであれば、建設費を抑える必要があります。その時は、一世帯あたりの面積を狭くし、販売戸数を増やしたりすることもあるようです。

今より広くなる?狭くなる?広さは要チェック項目

例えば、12畳のLDKの場合、ダイニングテーブルなどを置くとリビングの広さは実質9畳ほどの広さしかなくなってしまい、大きなソファーを置くことは厳しくなります。
マンションの洗面室は洗面化粧台と洗濯機を置くだけの最低限のスペースであることが多く、タオルや下着などを入れられる収納が少なくなりがちです。古いマンションの浴室は巾1.2m×奥行1.6mの 1216タイプサイズや巾1.3m×奥行1.7m の1317タイプのシステムバスが多く使われています。
これは戸建て住宅の一般的な一坪タイプと呼ばれる巾1.6m×奥行1.6mの1616タイプと比べると、床面積が約76~86%の大きさしかありません。
また、マンションの場合、居室をなるべく広く確保するために、収納スペースが少なくなりがちです。戸建て住宅だと延床面積の15%ぐらいの収納率を確保することができますが、マンションでは延床面積7%くらいが一般的です。荷物が多い人はもともとの収納が少ないことで、居室を納戸にせざるをえないということもよくあることです。
今より広くなるのか、狭くなるのか、新しいマンションでの生活を想像してみて、どの程度の広さが必要かは十分に購入前に検討しておく必要がありそうです。

モデルルームにはご注意

インテリアに惑わされない

新築マンションを販売する際、実物を事前にイメージしやすくするためにモデルルームが作られることがよくあります。
モデルルームでは見学者が気をつけるべき点が二つ。
まず一つ目は、インテリアに惑わされないこと。おしゃれなダイニングテーブル、大きなソファー、TVも大型のものが置いてあります。さらには、センスの良い絵や置物が飾ってあり、キッチンには食器や鍋まで揃えています。
見学する人はそれらが実際販売される部屋には備わっていないことを分かっていながら、素敵にコーディネートされた空間に知らず知らずのうちに惑わされてしまいます。実際、戸建ての分譲住宅の場合でも、専門のインテリアのディスプレイ専門業者が存在するくらい、インテリアの出来不出来で、建物の売れ行きが左右されてしまうのです。インテリアに惑わされ、マンションを購入してしまうことがないよう、実際に購入できるマンションの部分だけをイメージして判断して下さい。
二つ目は、モデルルーム自体に手が加えられているケース。
モデルルームはあくまでもイメージであり、見学した人に買いたいと思わせるような見せ方をしています。
例えば、LDKと隣接する居室の壁を取りはらい広い空間を造ることで、開放感溢れるLDKを実現しています。しかし、実際にはこのようなプランの部屋の販売はなく、LDKと隣接する居室は壁で仕切られている、という場合があります。モデルルームは、あくまでも見せるために造られた空間なので、実際とは異なることがありうるということも頭にいれておきましょう。

事前に確認すべきことは?

立地条件

あなたが希望するマンションの立地条件をピックアップしてみてください。その上で、あなたにとって譲れない項目を何点かあげ、実際に優先順位をつけてみてください。
駅に近い、商業施設に近い、通勤に便利、学校区が良い、緑が多い、眺望が良い、実家に近いなど、要望はたくさんあるでしょう。ピックアップし、優先順位をつけることで、頭の中が整理され考えがまとまります。
そのほか、時間帯や曜日によって街の雰囲気が変わる場合があるため、実際に周辺地域へ足を運び、自分の目で確認してみることも必要です。場所によっては車の抜け道になっている、夜間に貨物電車が走る、病院の救急車が頻繁に通るなど、知らなかった街の様子が見えてきます。
さらに自然災害についても事前にチェックすることをお勧めします。災害ハザードマップは自治体で作っていることが多く、とても参考になります。

管理費・修繕積立金立地条件

マンションは維持管理のために、毎月の管理費や修繕積立金がかかります。その額は築年数が経つにしたがって高くなり、十数年後の修繕積立金が新築時の約6倍に達したケースもあるくらいです。
通常12~15年目ぐらいで外壁や防水工事の修繕工事をすることが一般的。その後も給排水管の交換、エレベーターや貯水槽の交換などに多額の費用がかかるため、毎月の修繕積立金は増えていきます。
このように購入時とは別に継続して必要な費用があることを忘れてはいけません。

マンション内の移動距離の問題、たくさんの人たちを一緒に暮らすこと

マンションの多くは駐車場や駐輪場にお金がかかります。また大型マンションでは駐車場が同じ敷地内にありながら、歩いて5分ぐらいもかかることも珍しくありません。雨の日や、荷物が多い時は不便を感じるようです。
またエントランスの集合ポストまで距離があると、朝、新聞を取りに行くのが大変です。毎朝のことですし、いくらマンション内とは言えある程度の身支度もしなくてはなりません。
駐車場の共益費や購入を検討しているお部屋から個別の場所までの距離も是非、頭に入れておいて下さい。
またマンションの場合、隣家との仕切りは壁一枚。もちろん、防音対策はとられているものの隣家に接しているため、音の問題が発生する場合があります。
特に、小さい子供がいる家庭やピアノなど楽器を弾く場合は、近隣への配慮が必要です。
そして、同じ建物にたくさんの人が住んでいれば、いろいろな人がいます。
ゴミの出し方や自転車の止め方の悪い人、マナーを守らない人もいるかもしれません。共有の場では、お互いマナーを守ることが必要です。たくさんの人と同じ建物に住み、一緒に生活していくということも考えておかなければなりません。

リフォーム

リフォームや建替えの際は戸建て住宅に比べて制約があります。
例えば、リフォームは自分の専有部分しか出来ません。玄関ドア、サッシやバルコニーなどは一般的に共有部分となるため、個人的なリフォームは困難です。仮に老朽化したマンションを建替えるには住民の一定以上の同意が必要になり、一層ハードルが高くなります。実際、建替が実現した物件はごく僅かです。
マンション購入前に、将来のリフォームのことも調べておけると安心ですね。

マンションには良い面もたくさんあるし、注意すべき点もたくさんあります。
でも、それはマンションであろうと戸建て住宅であろうと同じこと。
ただし、戸建ての注文住宅の場合と違い、マンションは既成の建物を購入することになりますので、希望が100%かなうことはありません。
これから新しい生活をしていく上で、何を優先し、何を犠牲にするかを良く考えた上で、優先すべき項目に順位をつけて、購入の検討をされると良いでしょう。

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