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2017.08.15

常識が変わった?!繰り上げ返済の効果や注意点

630 1707-1C_10151000307.jpg「ローンは繰り上げ返済した方がお得!」というイメージがありませんか? 以前は、積極的に推奨されていた繰り上げ返済ですが、近年は状況が変化しつつあります。住宅ローンの低金利化が進み、金利負担が比較的軽くなっているため、効果を見極めて繰り上げ返済を行うことが重要になってきました。そもそも、繰り上げ返済とは何なのでしょうか。また、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか。

種類によって違う!繰り上げ返済の効果

繰り上げ返済には、住宅ローン残高の一部を繰り上げして返済する「一部繰り上げ返済」と、残高を一括して支払う「全部繰り上げ返済」の2種類があります。ここでは、ある程度まとまった金額があれば気軽にできる一部繰り上げ返済(以下、「繰り上げ返済」と呼びます)について考えていきます。

繰り上げ返済には2つの種類があり、それぞれ効果が異なります。

  • 期間短縮型
    繰り上げ返済により、返済期間を短くします。前倒しで返済するため金利負担が減り、総返済額が大きく削減可能ですが、毎月返済額は変わりません。
  • 返済額軽減型
    繰り上げ返済により、毎月返済額を少なくします。総返済額を削減する効果は期間短縮型の方がありますが、毎月の負担は軽減します。

利息を含めた総返済額を少なくしたいならば、期間短縮型の方が効果的です。しかし毎月の返済を楽にしたいという場合は、返済額軽減型のほうがメリットは大きくなります。まずはこの2つの特色を理解しておきましょう。

あとが楽になる!繰り上げ返済のメリット

毎月きちんと返済し、無事に完済できるならば繰り上げ返済は必要ないような気がします。確かに、最初に30年や35年などの契約で借り入れを行っているならば、その期間で返済すれば何も問題ありません。繰り上げ返済が必要になる、もしくはメリットが大きいのはどのようなケースなのでしょうか。

メリット1 老後の生活にゆとりが生まれる!

ローンを組んだ時期が遅く、完済が退職後になる場合は、繰り上げ返済の必要性が高いです。当てにしていた退職金が思った以上に少なかったり、年金額や貯蓄額が当初の見込みと外れたりすると、老後資金が圧迫される、もしくは定年後にローン返済が滞る恐れが。期間短縮型・返済額軽減型ともに繰り上げ返済を実行することによって老後資金に余裕が生まれますし、返済不能に陥るリスクが軽減します。

メリット2 毎月の住宅ローン返済が楽になる

毎月の住宅ローン負担が重い場合に、「返済額軽減型」の繰り上げ返済をすれば、毎月返済額を減らすことができます。子どもの教育費の負担が重くなる前のタイミングで行えば、教育費と住宅ローンの両立が容易になります。また、ボーナス払いを行っているのに会社の業績悪化で支払いが厳しくなりそうな場合も、繰り上げ返済で返済額を抑えるとよいでしょう。

メリット3 金利上昇リスクに対抗できる

変動金利を選択していると、金利が上昇したときに返済額が増えてしまいます。返済額が増えるのは、うれしいことではありませんね。しかし、金利上昇時に繰り上げ返済すると元本が減るので、返済額の上昇を抑えることも可能です。

漫然と住宅ローンの返済をしていると将来返済が苦しくなる、というケースでは繰り上げ返済が役立つことが分かりました。せっかく行うならば、早く行った方が大きい効果が得られます。いざというときは迅速に対応できるよう、住宅ローンの申し込みのときから仕組みを知っておきたいものです。

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思わぬ事態に!?繰り上げ返済の注意点

繰り上げ返済には複数のメリットがありますが、行う際の注意点もあります。いったいどんなものなのでしょうか。

注意点1 繰り上げ返済による手持ち資金の不足

教育費や車の買い替えなどの大きな支出が数年後に控えている場合は注意が必要です。繰り上げ返済のために、これから必要な貯蓄までも切り崩してしまっては、結局家計が苦しくなってしまうからです。

注意点2 無理な「期間短縮型」による家計の圧迫

総返済額を軽減する効果がより大きいのは「期間短縮型」であることは前述のとおりです。しかし、毎月返済額は変わらないため、返済期間中は繰り上げ返済の効果を感じにくいでしょう。毎月の負担が重いようならば、削減効果は小さくとも「返済額軽減型」を検討した方がよいこともあります。

注意点3 貯蓄不足によるライフプランや急な支出への影響

繰り上げ返済によって貯金が減ってしまうと、子どもの進学や結婚、病気やケガによる急な入院などに影響を与えることも。無理な返済を重ねてしまうと、貯蓄が思うように進まなくなります。住宅ローンは順調に返済できても、資金不足のために別のローンを利用する事態になっては本末転倒な結果に。まとまった資金が必要になる時期に備えて、貯蓄を優先することも大切です。

注意点4 こまめな返済による手数料の負担増大

繰り上げ返済をする際は、手数料が必要な場合があります。フラット35やネットバンクなど手数料無料のケースも多いですが、きちんと確認しておきたいものです。人件費のかかる窓口を利用すると数万円かかることもあります。もし手数料が高い場合は、まとまった金額がそろってからまとめて繰り上げ返済することをおすすめします。

住宅ローン返済の要はあくまで「毎月の返済」です。繰り上げ返済することで、かえって毎月の返済が苦しくならないよう注意しなければなりません。そもそも、低金利の今、総返済額における金利の割合は少ないです。繰り上げ返済の必要性を十分に吟味しましょう。

繰り上げ返済が向かないケースは?

実は、繰り上げ返済をしない方がいいケースもあります。例えば、住宅ローン控除を利用している場合です。住宅ローン控除は住宅ローン残高の1%を最長10年間、所得税から控除できる制度です。所得税額によりますし、控除額の上限もありますが、原則として借入額は多いほうが控除による還付額が大きくなります。

また、住宅ローン控除は、住宅ローンの返済期間が10年以上でないと適用されません。繰り上げ返済で返済期間が短くなると、住宅ローン控除そのものが受けられなくなることもあるのです。

ただし、これは「このまま返済しても住宅ローンが返済できる」という前提の話です。たとえ住宅ローン控除の恩恵が大きかったとしても、近い将来住宅ローンの返済が滞るようならば繰り上げ返済や住宅ローンの借り換えなど、何らかの対策が必要になります。

繰り上げ返済は多角的な視点で行おう

住宅ローンの残高を減らすのは、決して悪いことではありません。しかし、家計は住宅ローンだけでなく、教育費やそのほかの支出も含めて回っています。利用するときは支出とのバランスと効果を見極めて行いましょう。

参考:
繰り上げ返済に落とし穴 住宅ローン控除、打ち切りも|NIKKEI STYLE
住宅ローン減税制度の概要|すまい給付金

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