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初めての戸建て住宅購入
2017.11.24

住まいを建てるときに重要な事前準備。それは「地盤調査」です

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新築住宅の計画をする場合、最初に行なう重要作業として「地盤調査」があります。
この地盤調査が何故重要なのか、その必要性についてご説明します。

瑕疵保険への加入は必須

まず新築住宅の場合、瑕疵保険(義務化)への加入が必須になります。
自動車の保険で言うと、強制保険みたいなもので、国が義務付けた保険です。
この瑕疵保険は、「地盤調査」を義務付けしています。
瑕疵保険の要件として、「地盤調査」に基づき適切な基礎設計を行わなければならない事になっているからです。

ここで「瑕疵保険」について少し触れたいと思います。
まだ記憶に新しい姉歯建築士事件(耐震偽装)では、当該建築士の設計したマンションは新築でありながら耐震性が極めて低く、建替えが必要になりました。

ところが、マンション購入者は保証が受けられず、建替えになる前のマンションと建替えた後のマンションとのWローンで苦しむ羽目にあいました。
これではいけないと、以後、建築基準法が改正され建築確認の厳格化や建築士制度の見直しが図られ、そして「住宅瑕疵担保履行法」が制定されました。
やっと、住宅購入に於いて安心確保につなげる為の瑕疵保険制度(義務化)が整ったのです。
このような経緯の中で地盤調査に基づき適切な基礎を造る事が必要になりました。

しかし、最近またしてもマンション工事で基礎杭の強度や支持地盤に杭が到達してない等の偽装が発覚、沈下により廊下に段差が出来るなど社会問題になりました。

このような事が頻発すると、建設業界自体のイメージが悪くなってしまうのではないかと、危惧しています。

地震大国日本だからこそやるべき

一方、近年、大規模な地震が数多く発生しております。
特に熊本地震において、建物に大きな被害を及ぼした要因に地盤が大きく関係したことが分かってきました。
同じ時期に建った住宅でも、軟弱地盤の上に建てられたものと、そうでないものとの間では雲泥の差があったのです。

軟弱地盤に建つ住宅に適切な補強を行なわないと、時間の経過とともに建物の重みに地盤が耐えられなくなり、家が傾いたり、沈下する事があります。
また地震によって倒壊につながる可能性もあります。
そのような場合、適切な補強を行なうには、「地盤調査」を行わないと判断が出来ません。

実際に地盤調査ではどのようなことをするのでしょうか?

「地盤調査」とは、どのような調査を行なうのかと簡単にご説明すると、まずは敷地近隣の名称などから始まり、傾斜や過去の地盤の状況、既存の構築物や敷地周辺の状況などの調査確認を行ないます。
そして、住宅の建つ位置に専用の機械を用いて地耐力を測定します。

これから「地盤調査」の方法や、その結果補強が必要な場合、どのような工事の方法があるのかなどを、少し踏み込んで分かり易く解説していきましょう。

まず、最初に地盤の弱い敷地に家を建てると、どうなるのでしょうか!

一般的な木造住宅2階建、40坪程度の場合では、総重量が1100KN(約110トン)にもなります。
この重さが基礎を通じて地盤に伝わるので、地盤にこの重さを支える以上の力が無ければ建物は沈下してしまいます。
地盤の状態も様々であり「盛土、切土、傾斜地、田んぼ埋め戻し」の場合、近隣であってもそれぞれ地耐力にバラつきがあることが結構多いのです。

「地盤調査」は、家を建てる人が家の建てる住宅建設会社に依頼し、その住宅建設会社が調査を手配するのが大半です。
この場合、住宅建設会社から依頼された専門の地盤調査会社が作業を実施し、報告書を作成・提出するのが一般的な流れです。
しかし、中には家を建てる住宅建設会社が自ら調査を行なう場合もあります。

地盤調査の報告書には、地盤の強度や補強の有無が記載されています。
補強が必要と判定されると、補強の内容にもよりますが、大きな費用がかかる場合があります。

では、「地盤調査」は、一般的にどのような作業を行なうのか少し細かく解説しましょう。

1)過去の地盤の状況

建替えや近隣への新築の場合、その土地に古くから住んでいれば分かる事があります。
元々は田んぼで、埋め立てた。池を埋め立てた。山を切土して谷に盛土をした。等が分かり、判断材料になる事があります。
このような場所に家を建てる場合は特に注意が必要です。

また、古くから付けられている地名でその土地の状況を推測する事もできます。
例えば地盤が弱いとされている地名に「池、水、川、河、谷、沼、田、浜、崎、下、津、居、坂、窪、萩、荻」などの付くものが挙げられています。
例)渋谷 池袋 海浜幕張 など

一方、地盤が強いとされている地名に「山、森、上、高、岡、岳、峰、丘」などが挙げられます。
地名から一概に弱い、強いと判断する事は出来ませんが、注意が必要だといわれています。

また、昔から姓名も自然と密接な関係があると一説に言われています。
例)小川さん、沼田さん、川田さん、池田さん、谷口さん、森さん、山中さん、岡村さん など
  ご先祖様が当時、住まわれた環境が想定できます。

2)現状の調査

既存の建物や周辺建物、周辺敷地等のチェックを行ない補強の判断に役立てます。

①基礎の沈下や不同沈下の有無
②塀、擁壁の基礎に亀裂が無いか
③傾斜地かどうか
④盛土の有無
⑤周辺に河川があるか
⑥がけ地、のり面の状況
⑦地形図のチェック

などがあげられます。

3)地盤調査の方法

地盤調査は1)2)で説明した通り、名称などからの推測と、見える部分の目視調査から始めますが、地中のことは表面から見ただけではなかなかわかりません。
そこで地中の状態を確認するために特殊な調査方法があります。

少し専門的になりますが、地中を調査するのに一般的に多い調査方法をご紹介します

■スウェーデン式サウンディング試験

ロッドの先端にドリルを取り付け100kgまでの重りを付けて回転させ、沈下測定を行います。
貫入深さとその時の回転数とを計測し、地盤の耐力を判定します。
通常、建物の配置計画図から5箇所以上を標準として調査します。
安価に出来ますので一般的に多い調査方法です。

■標準貫入試験(ボーリング調査)

呼び径40.5mmのロッドで貫入させたボーリング孔を利用し、SPTサンプラーと呼ばれる、先端の外径51mmの筒状の金属から伸びるロッドの上側からハンマーを落下させ、深さ30cmあたりの貫入に要する打撃回数を測定して地盤の固さを調査します。

これらの調査結果に基づき下記の判定を行い、補強の方法を選定します。

①支持地盤の判定を行なう
②沈下の判定を行なう
③地層の傾斜を判定する

①②③を総合的に判断し、補強が必要かどうかの判断と、補強が必要な場合はその方法を決定します。

このようにして不幸にも補強が必要と判定された場合、補強の方法はどのようなものが有るのでしょうか。
木造住宅の場合でご説明します。

4)地盤補強の方法(木造住宅の場合)

①表層改良 ※地表面から2m以内程度

地盤の表層に堅い層を作る補強方法です。
盛土等、軟弱層が比較的浅い場合、地表面から2m以内の範囲で軟弱地盤を掘り起こし、セメント系固化材と掘り起こした土とを混合し、混合材を充分締め固めして表層に強固な地盤を造成します。

②柱状改良 ※地表面から2~6m以内程度

地中に土と硬化剤を混ぜた堅い柱を作り、地盤を補強する方法です。

■乾式柱状改良
アースオーガー(らせん状の孔機具)を回転させ深さ2~3m以内の孔内に掘削土と粉末状のセメント系固化材を混合し、埋め戻しながらオーガーを逆回転させ締め固める工法です。

■湿式柱状改良
オーガーを回転させ所定の深さ、約2~6m以内まで掘削した後に、ミルク状の固化材を圧送しながら土砂を攪拌し固化させる工法です。

③鋼管杭

鉄の杭を地中に打ち込んで、そこで建物を支える方法です。
鋼管の先端にらせん状の羽を付け、回転させながら(7m以深)に埋設する事で、鋼管を地中にねじ込み、地盤を補強する工法です。

④基礎補強

基礎は建物を支える重要な部材です。
建物を計画する場合、地盤の状況により基礎の形状を選択します。

木造住宅の場合、ベタ基礎(基礎の底盤が一面になって立ち上がりと一体となった鉄筋コンクリート構造)にするか、布基礎形状(逆T字型の形状で、深い基礎の場合や地盤が傾斜している場合に選択します)にするかを決めます。

また、基礎の形状が決まったらそれぞれ、地盤の状況や建物の重さによって鉄筋の補強を行ないます。
基礎は本来、地盤の状況に応じて形状を決め、基礎自体の補強方法を計算して計画すべきものなのです。

基礎の構造計算に関しては別の機会にお話しましょう。

このように、建物を計画するには建物自体も大切ですが、建物自体を支える地盤や基礎もとても重要だとお分かりになったでしょう。
また、そこに関連する「地盤調査」とはどのようなものかもお分かりになったと思います。

住宅を新築した経験が無い方にとっては、地盤の判断や適切な補強と言ってもわかりづらいのは当然です。
しかし、新築住宅の場合、瑕疵保険(義務化)をかけるためには地盤調査が必須となっています。
信頼のおける経験豊かな地元の住宅建設会社に調査依頼し、結果説明を必ず受けて下さい。

その際には、お客様が家を建てたい場所がどのような地盤なのか、どのような補強を行なうのが良いか、費用はどの程度か、などの説明を受ける事をお勧め致します。

現在の建物は、きちんとした施工と定期的なメンテナンスを実施すれば60年以上住み続けることが可能です。
しかし、基礎は取替えが出来ない重要な構造体です。
きちんと地盤調査をして、必要に応じて地盤補強または基礎補強をしっかり行いましょう。

堅牢な地盤と基礎であれば、万一の地震に対しても安心して住むことが出来るでしょう。

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