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見積書の見方と活用法は?住宅価格の予算オーバーを防ごう

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家づくりの見積書には、「予算の把握」という大きな役割があります。
しかし、見積書の金額に安心していたら、実際には変更や追加工事により金額が上乗せされることが多いようです。
予算オーバーを防ぐためにも、見積書をしっかり読み解けるようにしておきたいですね。
マイホームを建てる前に、見積書の内容、読み方のコツについて知っておきましょう。

見積書の見方と活用法

見積書は予算面で役立つと考えている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、その通りなのですが、ほかにも複数のメリットがあります

金額の見通しが立つこと以外に、間取りやデザインの完成イメージが具体化でき、建築側と意見交換・すり合わせをすることができる点も重要です。
完成図をイメージしつつ予算に応じて建築費を調整できるので、ベストな価格で希望に沿った家を建てられます。

全体の費用比率と各項目費用の双方を確認することで、予算配分のチェックにもつながります(全体像と各費用項目については後述)。
家づくりを成功させるために、有効活用したいですね。

見積書の見方は

見積書は、建築にかかる費用全てが記載されます。
ただし、オプションや詳細が未記載のときもあるので、載っていない費用があるかどうかも、担当者に確認しましょう。

さらに、注文住宅では数回に分けて支払いをするのが一般的です。
資金の流れを記載した資金計画書も出してもらい、見積書とあわせて資金繰りを考えていきましょう。

見方が難しければ、担当者に質問します。
質疑応答を重ねれば、お互いに理解が深まるため「希望していた工事と違う」「仕上がりがイメージと違う」などのトラブル回避にも役立ちますね。

見積書の全体像

建築費用については坪単価で表記されることも多いですが、それだけが建築費用ではありません。
坪単価は家を建てるためにかかる「本体工事」の費用で、そのほかに「付帯工事」や「諸費用」が発生します。

また、見積書は費用の内訳だけでなく、工期スケジュールや図面も含まれます。
決まった書式はなく会社ごとに詳細は異なりますが、家づくりにかかる情報が集約されている一連の書類なので、ボリュームが多いのは共通です。

総額の割合目安は「本体工事7割」「付帯工事2割」「諸費用1割」です。
予算のうち、家にかけられるのは7割が目安なので、最初から「本体価格は7割」と意識しておきましょう。

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見積書の内容

見積書の工事費用については、一般的な費用の内訳や内容をご紹介します。

建物にかかわる本体工事

7割を占めるとされる本体工事には多くの工事があるため、「建物構造にかかる工事」「仕上げ工事」「設備工事」に分けて見てきます。

<建物構造にかかる工事>
・基礎工事 建物の構造全体を支える基礎部分
・木工事費用 建物の躯体となる部分の組み上げ

<仕上げ工事>
・外装工事 外壁の塗装やサイディングなど
・内装仕上げ クロス貼り、床のフローリング・天井などの装飾
・屋根・板金工事 屋根瓦、雨どいや水切りの取り付け
・建具工事 ドアや障子などの取り付け

<設備工事>
・設備工事 バス・キッチン・トイレなど設備機器の取り付け
・配線・配管工事 電話線の配線や水道やガスなどの配管

大まかなものを挙げましたが、ほかにも換気口の取り付け工事や防腐作業、断熱材の取り付け作業など、多くのものがあります。

家を住めるように整える付帯工事

  • 解体工事 建て替えるときに必要
  • 屋外給排水工事 水道管の引き込みや排水工事
  • 外構工事 駐車場や玄関までのアプローチなどの造設
  • インテリア・照明工事 カーテンやブラインド、照明などの取り付け
  • 空調設備工事 エアコンや室外機の取り付け
  • 太陽光発電工事 太陽光パネルの取り付けや太陽光発電システムの設置

土地によっては地盤調査や地盤を補強するための地盤改良工事も必要になります。

その他にかかる諸費用

  • 設計費用 建築士や設計事務所などに、設計プランを依頼した場合に発生
  • 建設確認等申請費用 法令で定める建築基準を満たしているか確認を受けるための費用
  • 税金 登記のための登録免許税や印紙税のほか、不動産を取得したときにかかる不動産取得税など
  • 住宅ローン手数料 住宅ローンの事務手数料や、抵当権設定にかかる費用

このほか、引っ越し費用や火災・地震保険費用などもかかります。
諸経費は見積書に計上されない費用も多いほか、住宅ローンに含めることができないものが多いです。
そのため、金額がどのくらいなのか把握し、しっかり現金を確保しておきましょう。

見積書でチェックすべき箇所は?

情報量が多いので、モレや抜けがないとは限りません。
必要な工事や設備が含まれているか、要望に沿っているかしっかり確認しましょう。

また、「○○一式」「標準仕様」などの表記にも注意が必要です。
せっかく見積もりを出してもらうのですから、できる限り詳細に記載してもらいたいですね。

メーカー名や品番など詳しく出してもらえれば、カタログを確認したり、ショールームに実物を見に行ったりすることもできます。
そのうえで「この設備はこっちのデザインに替えたい」「床の材質が気になる」など、要望や不明点について担当者と話し合いましょう。

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予算オーバーのときはどうしたらいい?

予算オーバーのときは優先順位の低いものから削るといいです。
ただし、基礎工事や木工工事は安全性にかかわるので削るのは避けましょう。
加えて、断熱材や配管など後から変更できないものも削減には不向きです。次のような項目で予算の圧縮を検討するのがおすすめです。

  • 設備機器やインテリア費など
  • 設計をシンプルに、床面積を縮小するなど
  • 屋根や外壁の素材変更

デザイン性や機能性は人にとって重要度が異なります。
家族で優先順位をつけ家族全員が納得できる家を目指しましょう。

家づくりの過程で、変更は必ずするといわれています。
しかし、だからといって当初の見積書の重要性が薄くなるわけではありません。
後に変更することになったとしても、見積もりの段階で内容を把握しておけば、変更の前後が明瞭になりますし、予算の変動も実感しやすいでしょう。
変更を恐れたり遠慮したりせず、要望をしっかり伝えましょう。

見積書を活用し、満足度の高い家を手に入れよう

見積書をよく読み、何にどのくらいお金がかかっているのかを知れば、予算の調整もしやすいです。
担当の人とじっくり時間をかけて協議することで完成した家の満足感も上がることでしょう。
見積書を家づくりに役立て、家づくりを成功させてくださいね。

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