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コンパクトな家でもスペースを有効活用!廊下の少ない家の魅力とは

630420 1807-3A_33000000113.jpg「廊下を減らせば、スペースをもっと有効活用できるのでは?」そう考える人も少なくないのではないでしょうか。
確かに、近ごろでは廊下の少ない間取りの住まいを希望する人が増えています。
廊下を減らすことによって、どのようなメリットがあるのでしょう。
今回は廊下を少なくした間取りのメリットや注意点について見ていきましょう。

なぜ廊下の少ない家が増えているの?

廊下を少なくする最大のメリットは、限られたスペースを最大限に有効活用できるところ。
特に狭小地にマイホームを建てる場合は、どれだけスペースを無駄なく生かし、快適な生活空間を確保できるかがポイントになります。
廊下のスペースを減らせば、それだけ部屋を広くすることができ、部屋も廊下で細かく区切らずにすむため、家の中の視界も広く感じられます。
家事動線などを効率化したい人が増えているのも、廊下の少ない間取りが増えている理由のひとつといえるでしょう。

廊下を少なくするメリットとは?

人気が高まっている廊下の少ないマイホームの設計。
では、廊下のスペースを減らすことによって得られる具体的なメリットについて考えてみましょう。

家の中を移動する動線を短くして快適な住まいにできる

廊下を少なくすると、家の中を移動する動線を短くすることが可能に。
部屋を行き来する際に廊下を通る必要がないため、動線が短くなり快適で使いやすい住まいになります。
例えば、それぞれの部屋に洗濯物を収納しに行くときにも、移動が短くなることでママの家事もラクになるでしょう。

部屋を広くしたり収納に活用したりとスペースを有効活用できる

前述のように、狭小地に家を建てる場合は、どれだけ快適に暮らせるスペースを確保できるかがポイントです。
廊下を少なくすることで生活空間であるリビングのスペースを広くしたり、収納を充実させたりとスペースを有効活用することができます。

家づくりにかかるコストパフォーマンスを向上させられる

廊下にも建設コストがかかりますので、廊下を減らせばそれだけコストを削減できます。
もちろん、廊下を少なくしたぶん、別のスペースとして活用するはずなので、コスト削減というよりはコストパフォーマンスを高める方法といえるでしょう。

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廊下の少ないプランニングのポイント

単純に廊下を減らすといっても、計画を立てて設計をしなければ生活に支障をきたしてしまうことも。
廊下の少ない間取りをプランニングするためには、いくつかのポイントを押さえておかなければなりません。

LDKを動線として活用する

廊下を減らした間取りでは、そのスペースを家族がくつろぐLDKに充てることが多いもの。
その場合、動線となっていた廊下の役割をLDKが担うことになります。
家族が快適に過ごすLDKだからこそ、不自由のない動線設計を考えたいですね。

LDKとの距離を考えた玄関づくり

通常の間取りでは、玄関から廊下を通りLDKに入るのが一般的です。
しかし、廊下のない間取りでは、玄関から直接LDKに入ることになります。
単に廊下だけを取り除いたようなプランニングをするのではなく、玄関からLDKの眺めはもちろん、少し広めの玄関にするなど、LDKとの距離を考えた玄関づくりを行いましょう。

廊下に代わる通路にも機能性を持たせる

廊下のない家といっても、やはり移動のためのスペースは生まれます。
しかし、結果的に廊下と同じような空間になってしまっては、せっかくのスペースがもったいないですね。
そんなときは、単に移動のスペースとして利用するのではなく、壁側に本棚や収納ラックを設置するのもひとつのアイデアです。
スペースをより有意義に使えるための工夫を取り入れましょう。

階段の位置に工夫する

階段を家の隅に配置してしまうと、2階には家の端から端まで続く廊下のスペースが生まれます。
そのため、廊下のない家づくりにおいて階段は、家の中央に配置するのが効果的。
廊下だけでなく階段の位置にも気を配るようにしましょう。

トイレの位置にも配慮が必要

廊下がない間取りの場合、トイレの位置にも注意が必要です。
家族がくつろいだりゲストを招いたりするリビングからトイレが見えてしまうような間取りはNG。
洗面所の奥にトイレを配置したり、扉の向きを変えたりして、生活スペースとトイレを切り離す配慮が求められます。

断熱性や気密性の高さにも配慮する

廊下の面積を減らすと部屋は広くなりますが、その反面、冷暖房効率を高めなければ快適な室内環境をつくれません。窓やサッシの断熱性や気密性を高めることで、広い部屋でも冷暖房による快適さを感じられる家づくりができるでしょう。

外構スペースも活用した間取りづくり

移動スペースは必ずしも家の中に確保しなければならないわけではありません。
外構スペースを活用するのもひとつの方法です。
家の端に玄関をつくってしまうと、各部屋への移動スペースが必要になりますが、玄関アプローチを活用して家の中央に玄関をもってくることで、それぞれの部屋への移動距離が短くなります。
外構のアプローチを廊下代わりに活用するという発想です。

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廊下を減らすときの注意点とは?

一般的な移動スペースである廊下を減らすということは、当然間取りへの工夫も必要です。
ここからは、廊下を減らすときの注意点を見てみましょう。

生活音やニオイが家の中に広がってしまう

廊下は部屋だけでなく空間を区切る役割もあります。
廊下をなくすと、生活音やニオイが家中に広がりやすいため注意が必要です。
家族が生活していると、いろいろな場所から生活音が聞こえてきます。
廊下という緩衝スペースがないぶん、音が筒抜けになってしまうことに。
どうすれば快適に過ごせるか、設計段階から考えておく必要があります。

家の中のプライバシー性が低くなってしまう

生活音やニオイが筒抜けになることで、家の中のプライバシー性も低下してしまいす。
家族の気配を感じながら生活できるメリットがある反面、それぞれが何をしているのか丸わかりになるでしょう。
家族だけならまだしも、ゲストを招いているときまでプライバシー性が低くなってしまっては問題です。
どうすればプライバシーを確保できるのか事前に考えておく必要があります。

間取りによっては窮屈なイメージを与えてしまうことも

玄関を開けるとすぐにリビングが広がる廊下のない間取り。
それぞれの部屋が広くなるため開放的に感じるかもしれませんが、うまくプランニングしないと窮屈な印象を与えてしまうことも。
廊下という移動スペースをなくした結果、余裕のない印象の住まいにならないよう、マイホームを具体的にイメージして設計を進めましょう。

ポイントや注意点を押さえたプランニングを

廊下のスペースを有効活用し、部屋を広々と確保したり収納スペースに充てたりできると聞けば、廊下を減らしたくなる人が多いかもしれません。
しかし、これまで一般的な家に廊下が多かったことを考えると、やはり廊下独自の役割があるものです。
廊下を減らし別のスペースとして活用するためには、メリットや注意点を意識したうえで、慎重にプランニングする必要があります。
限られたスペースを有効活用し快適な住まいづくりをするために、廊下の少ない間取りを検討してみてはいかがでしょうか。

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