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「タイニーハウス」って?環境にやさしいシンプルライフをかなえる家

シンプルなマイホームで穏やかな毎日を過ごしたい。
そういった理想を持つ人たちから今、タイニーハウスに関心が寄せられています。タイニーハウスとは、具体的にどういった家のことを指しているのでしょうか? 今回は、シンプルなライフスタイルを実現できるタイニーハウスの魅力について考えてみましょう。

シンプルライフを満喫できるタイニーハウスとは?

「とても小さい」「ちっちゃな」という意味を持つタイニー。
そのことから、タイニーハウスはシンプルで小屋のようなサイズの家を指します。
スマートなサイズのタイニーハウスは、1~2名が暮らせるサイズの家。
キッチン・トイレ・シャワーなど、生活に必要最低限の設備で構成されているのが特徴です。

タイニーハウスが注目を集める理由

タイニーハウスは家のサイズやシンプルな構造から、コストを抑えた家づくりができる点が魅力ですが、注目を集める大きな理由のひとつとして、環境に配慮した家づくりを実現できる点が挙げられます。

タイニーハウスでは、電気や冷暖房などのエネルギーを過度に必要としません
もちろん、家づくりに使用する資材も少なくて済むため、環境に配慮した家づくりができます。

また、震災や水害などが起こった被災地では今後、タイニーハウスが仮設建築物として採用される日がやってくるかもしれません。
被災地に建つ仮設建築物の多くは鉄製ですが、国産材の消費拡大、被災地産業復興、二酸化炭素固定などの観点から、木造で建築することはとても価値のあることです。

大きなコストをかけることなく、環境にも配慮できるタイニーハウスだからこそ、未来につながる用途への需要が高まるのではないでしょうか。

タイニーハウスの種類について

タイニーハウスの特徴は「固定型」や「移動型」など、さまざまなタイプの家があること。
理想のライフスタイルや好みに合わせてタイプを選べます

小さな居住空間で豊かな暮らしができる「固定型」

固定型のタイニーハウスでは、通常の戸建てよりも小さなサイズの「戸建て(スモールハウス)」が一般的。
ほかにも、木材を使用して作られた「ログハウス(ログキャビン)」や、貨物輸送に利用するコンテナを居住用に改造した「コンテナハウス」などもあります。
生きた樹木を基礎として使った「ツリーハウス」なども特徴的です。

転勤や老後のことも視野に入れた「移動型」

移動型の一般的なタイプとしては、車で牽引できるようホイールの上に設置された「トレーラーハウス」が挙げられます。
自走機能を持たず牽引されるタイプはさまざまあり、「キャンピングトレーラー」や、「キャンピングカー」「バン」「バス」「ボート」なども移動型のタイニーハウスに含まれます。

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タイニーハウスのメリット

シンプルでスマートなライフスタイルを実現できるタイニーハウスには、その特徴からさまざまなメリットがあります。

購入価格を抑えられる

大きな家を購入すると、どうしても住宅ローンのことを考えなければなりません。
住宅ローンの支払いは長期にわたり家計に影響を与えるため、お金のことを意識した生活に縛られてしまうこともあるでしょう。

一方、タイニーハウスは小さな家のため、建築費を安く抑えられます。
大きな家を購入する場合と比べると、住宅ローンも少なくて済みます。
経済的な負担を考えすぎることなく、自由な生き方が実現できるのが、タイニーハウスの大きなメリットです。

シンプルライフを実現できる

スペースが限られたタイニーハウスでは、たくさんの物を所有することはできません。
収納スペースも限られていることから、物を増やすことも難しいでしょう。
しかし、生活していくうえで本当に必要な物はそれほど多くないという考え方をすれば、たくさんの物を所有したり物を増やしたりする必要もありません。

タイニーハウスの限られたスペースでの生活は、必要最低限のものだけで暮らす生活スタイルに変えるきっかけになります。
一般的な住宅での暮らしではなかなか実現が難しいシンプルライフ。
物ではなく心の豊かさを重視した生活を送れるのではないでしょうか。

光熱費を削減できる

居住空間が限られたタイニーハウスは部屋数が少ないため、多くの照明を必要としません。
また、過度に冷暖房を使うこともないため、光熱費を抑えることができます。

エネルギーの有効活用において選択肢が増えてはいるものの、大きな家を建ててしまうと、快適に過ごすためにエネルギーをたくさん使ってしまいます。
ランニングコストは家計の負担につながるので、光熱費を抑えた生活ができるタイニーハウスは、家計にもやさしい家といえるでしょう。

移動することも可能

タイニーハウスでの生活を考えたとき、コンテナハウスやトレーラーハウスに住むという選択肢もあり、移動できる点がメリットとして考えられます。
購入後は移動できない戸建て住宅とは違い、地方移住などにも適しているのがタイニーハウスの魅力です。

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タイニーハウスのデメリット

タイニーハウスは小さな家。
省スペースを生かしたメリットはあるものの、その反面、省スペースが原因となるデメリットもあります。

収納スペースが確保しにくい

居住空間が限られたタイニーハウスでは、収納スペースが確保しにくくなることが。
夫婦ふたりのシンプルライフなら物を増やさずに済むかもしれませんが、子どもが生まれるなどで家族が増えると、どうしても物が増えてしまいます。
豊富な収納スペースが確保できないことから、いかに物を増やさずに生活を続けるかを考える必要があります。

子どもの成長に合わせて増築が必要になる

タイニーハウスで暮らせるのは、大人2人と小さな子ども1人程度。
子どもが成長するにつれ、一人部屋を欲しがることもあるでしょう。
タイニーハウスの限られたスペースでは、子ども部屋を設けることが難しいため、増築する必要が出てきます。

増築以外の選択肢としては、小屋のキットを利用して、子ども部屋を建てるという方法もあります。
一般的な住宅では、設計当初から設けられていることの多い子ども部屋ですが、家族と協力して部屋をつくる経験は、子どもにとって大きな学びにつながることでしょう。
また、自分の部屋をつくり上げた達成感は、部屋を大切に扱う気持ちも芽生えさせるはず。
子どもの成長にあわせて増築が求められるタイニーハウスのデメリットは、方法次第で子どもの育みにつなげることができますね。

個人の空間は確保しにくい

居住面積が小さいため、部屋数がひとつという間取りも多いタイニーハウス。
個人の空間やプライバシーを確保するのは難しいと考えましょう。

ただ、家族と近い距離で暮らせることは、タイニーハウスのメリットでもあります。
タイニーハウスでの暮らしは、家族との間に壁をつくって生活するのではなく、家族との絆を優先したライフスタイルといえるでしょう。

これからの暮らし方を考えたタイニーハウス

タイニーハウスのメリットといえば、経済性に注目が集まりがちです。
しかし、「シンプルな生活を送りたい」という理想のライフスタイルをかなえてくれることも、魅力として感じられているのではないでしょうか。
大きくて機能的なマイホームに住むことも贅沢のひとつですが、憧れの形にこだわったマイホームを手に入れることも豊かさの象徴といえます。
これからの暮らし方を考えたタイニーハウス。
マイホームの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

<参考>

木造仮設建築物 [MOCCA HUT(モッカ ハット)] | 受賞対象一覧 | Good Design Award

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