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装飾でエレガントな家に、光と影の効果を持つモールディングの魅力

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部屋の印象をもっとエレガントにしたい。そんな希望をかなえるために、趣のあるインテリアを設置するのもひとつの方法ですが、部屋の装飾にこだわってみてはいかがでしょうか。室内を洋風に仕上げる方法として、モールディングと呼ばれるものがあります。今回は、部屋の印象をエレガントに仕上げるモールディングの魅力について考えてみましょう。

エレガントな空間を演出するモールディングとは?

モールディングは、床と壁、壁と天井の間の段差を装飾したり隠したりする
建築意匠。光や影でメリハリをつけるようにかたどられた輪郭で、細長い形状をしています。

室内を好みの印象に仕上げるために、壁紙や家具、カーテンや照明器具を用い、部屋を居心地よくコーディネートするなど、インテリアにこだわる人は多いでしょう。そんななか、意外と軽視されているのが室内の装飾。モールディングは、小さな面積にもかかわらず存在感は大きく、室内空間をエレガントに演出します。

モールディングはギリシア建築やローマ建築などの古典建築の部材のひとつとして組み込まれたのが原型とされています。そのため、モールディングを取り入れることで、洋風の雰囲気が漂う魅力的な室内に仕上げることができるのです。

モールディングが持つ光と影の効果とは?

モールディングには複数の形状があり、それぞれ違った印象を与えます。
例えば、凹面形のモールディングの場合、上方は影になることで暗く水平なしま模様が生まれます。反対に下方は明るいしま模様になるでしょう。反対に、凸面形のモールディングだと、上方が明るく下方に暗いしま模様ができます。

光と影が作り出すしま模様は、輪郭を目立たせる効果を持ち、室内にメリハリを生み出します。色数を多く取り入れないシンプルな室内の場合、部屋の印象が単調に感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、モールディングを用いることで、室内の表情に陰影を生み出すことができます。

床と壁、壁と天井の間など限られたポイントに設置するモールディングですが、光と影が持つ効果の存在感はとても大きく、希望する部屋のイメージに趣をプラスします。

室内のアクセントになるモールディングの用途

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モールディングの基本的な用途は、室内のさまざまな場所に生まれる隙間を埋めるため。しかし、単に隙間を埋めるだけではなく、その形状を生かして室内装飾としても機能します。次は、モールディングが持つさまざまな用途を見てみましょう。

天井廻り縁

天井と壁の取り合い部に用いられます。天井材と壁材の隙間をなくす役割がありますが、形状や意匠にこだわることで、好みの雰囲気を演出することができます。
部屋で過ごしているときは、天井の廻り縁に目を向けることは少ないでしょう。しかし、廊下から部屋に入るタイミングでは部屋全体が視界に入るため、天井廻り縁に設けられたモールディングが醸し出す雰囲気を感じられるもの。ゲストを部屋に招き入れる際の、室内全体の印象アップにも役立ちますね。

壁面装飾・額縁

鏡や絵画・写真などを壁面に設置する際の、額縁の用途としても用いられます。
単に鏡を壁面に吊るすのではなく、四隅をモールディングで装飾することで
エレガントな演出ができます。また、絵画や写真も個別の額縁に入れるのではなく、室内に設けた各所のモールディングと装飾を合わせることで、室内のテイストを統一することができます。

腰見切り

腰見切りはもともと、椅子を引いた際に壁にキズがつくのを防止するために用いられていました。しかし、今では壁の仕上材を上下で分けるときにできてしまう境目に用いられます。
壁紙が一面に貼られた室内では単調に感じてしまうこともありますが、腰見切りとしてモールディングを用いることで陰影が生まれメリハリが出ます。

巾木

壁と床の境目の部分に用いられる巾木。壁を保護する役目だけでなく、壁と床の間に隙間ができないようにします。
天井廻り縁が持つ印象と同様、巾木が生む陰影は室内全体を見渡したときに部屋の印象を左右します。天井と床にモールディングの陰影が存在することで、室内にメリハリが生まれ部屋の印象が引き締まります。

コーナー

コーナーは入隅部や出隅部の境目に用いられます。壁など二つの面が出会う内側の部分を入隅部と呼びます。一方、壁など二つの面が出会う外側の部分を出隅部と呼びます。コーナーとして用いられるモールディングは、壁の保護やコーナー部に隙間ができないようにする役目を持ちます。

付枠

ドアや窓の枠周りの装飾に用いられます。枠材と壁との隙間をなくす役目もあります。
ドアや窓は室内のアイテムとしてもポイントとなりますが、それらをモールディングで装飾することで、さらに部屋の印象がアップ。より洋風でエレガントな表情を持つ室内に仕上がるでしょう。

設置のポイントはバランスが重要

モールディングを効果的に取り入れるためには、バランスを考慮する必要があります。
広い室内には空間のサイズにマッチした大きめのモールディングを採用するのがポイント。モールディングを複数枚重ねて設置すればクラシックなイメージになりますし、陰影を強調すれば重厚感が漂う室内に仕上げることもできます。
一方、狭い部屋に大きなモールディングを設置してしまうと、室内のバランスが崩れてしまい、部屋がさらに狭く感じてしまうことに。そのため、狭い部屋にモールディングを取り入れる場合は、あまり目立たないものを選ぶなど、バランスを考えて設置しましょう。

部屋を好みのイメージに変える活用事例

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モールディングは部屋の印象をエレガントにしてくれますが、室内のコンセプトと合わせ効果的に取り入れることで、好みのイメージに仕上げることができます。次は、室内の印象を変えるモールディングの活用事例を見てみましょう。

やさしくエレガントなイメージに

室内の建具を白で統一すると、シンプルで落ち着いた空間に。天井廻り縁と巾木にさりげなくモールディングを施せば、やさしくエレガントなイメージを演出することができます。洋風の雰囲気が漂うクラシカルなモールディングがアクセントとなり、シンプルな空間に趣が加わります。

伝統的な洋風のイメージを演出

天井廻り縁をはじめ、ドアや額縁、本棚などにモールディングを取り付ければ、伝統的な洋風のイメージを演出することができます。白をベースとした室内にモールディングが作り出す陰影、本棚に花柄装飾のモールディングを施せば、エレガントさもプラスされます。やさしい空間に伝統的なテイストを取り込んだ室内に仕上げることができるでしょう。

部屋を装飾して理想のイメージを演出しよう

室内を好みの雰囲気に演出してくれるアイテムは、インテリアだけではありません。部屋の装飾も印象を変える重要なポイントです。室内を洋風のイメージに仕上げるために欠かせないモールディング。いろいろな種類があるモールディング材のなかから好みのものを選び、理想の部屋づくりを進めてみてはいかがでしょうか。


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