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マイホームを建てるベストタイミングは?みんなの購入年齢や資金を知りたい

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ローンを組んでマイホームを購入する場合、せっかくなので設計から関われる注文住宅を建てたいと思う人は多いのではないでしょうか。
注文住宅は価格帯が高い印象がありますが、本当のところはどうなのでしょうか。建売住宅やマンションと比較しつつ、注文住宅の平均価格や購入世帯の年収などをご紹介します。

マイホーム購入の平均年齢や年収は?

国土交通省の「平成29年住宅動向調査」によると、注文住宅購入(新築)の平均年齢は41歳で、平均世帯年収698万円です。購入資金は土地から購入の場合で4,334万円、自己資金割合は28.8%となっています。戸建住宅と分譲マンションの購入年齢と価格もあわせて見ていきましょう。

【注文住宅の平均】

  • 購入年齢 41歳
  • 世帯年収(全国平均) 698万円

【建売住宅の平均】

  • 購入年齢 39.6歳
  • 世帯年収 701万円

【分譲マンションの平均】

  • 購入年齢 44.1歳
  • 世帯年収 798 万円

※すべて新築物件

分譲マンションの購入層は他の二つと比較し、年齢・世帯年収ともにやや高い傾向にあります。しかし注文住宅と建売住宅の購入層に大きな差はないようです。
なお、世帯年収は税込みの金額ですので、手取り年収に換算すると1~2割程度より低い金額になります。

次いで、価格・自己資金面についても見てきます。

【注文住宅の平均(土地を購入したケース)】

  • 購入価格 4,334 万円
  • 自己資金割合 28.8%

【建売住宅の平均】

  • 購入価格 3,840 万円
  • 自己資金割合 26.4%

【分譲マンションの平均】

  • 購入価格 4,192 万円
  • 自己資金割合 42.8%

購入価格は「建売住宅」→「分譲マンション」→「注文住宅」の順で高くなっています。しかし価格が抑えられる建売住宅は自己資金割合も一番低いです。建売住宅では価格が低めなので借入額も小さく、自己資金割合を抑えても安定して返済しやすいのかもしれません。
一方、分譲マンションの自己資金割合が42.8%とかなり高いのは、もともと価格が高いことに加え、購入年齢層が高いことも影響していると考えられます。

価格も重要ですが、自己資金との兼ね合いやローンの返済年数も重要な要素ですね。なお、返済期間はどの住宅でも約30年となっています。

注文住宅のマイホーム、特徴は広さやその性能

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注文住宅について、郊外の一軒家を想像する人も多いのではないでしょうか。なかには、「注文住宅=通勤時間が長い」と考えている人もいるかもしれません。同調査によると、注文住宅・建売住宅・分譲マンションの通勤平均時間を比較すると次のようになっています。

【住宅種類ごとの通勤時間】

  • 注文住宅(三大都市圏)37.9分
  • 建売住宅 45.2分
  • 分譲マンション 42.5分

マンションは駅に近い場所にあるイメージが強いですが、統計からいうと注文住宅の通勤時間が一番短くなっていました。通勤時間は物件の立地だけでなく、居住者の通勤先による違いもあります。
一概に「注文住宅だから勤務先から遠くなる」「マンションなら通勤時間が短い」などと言い切ることはできないようです。

注文住宅は高性能な家が多い傾向に

注文住宅の特徴としてご紹介したいのは、延べ床面積です。同調査によると、注文住宅は延べ床面積が平均121.8㎡で、分譲マンション平均76.4㎡、建売住宅平均103.5㎡と比較して広いです。
また、省エネ設備である太陽光発電設備や二重サッシ(もしくは複層ガラスの窓)の設置率が高く、省エネ性能に優れている傾向があります。良質で長く住める家を建てれば、リタイア後に住宅の建替えが発生する恐れも少ないです。当初の建築費は高かったとしても、家にかかる費用を一生涯で考えていくと、かえって安く済むかもしれません。

統計上の「世帯年収の壁」に目を奪われないで

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統計上の注文住宅は世帯主年齢は41歳で、自己資金を3割近く入れ、広くて高性能の家を建てているといえます。
「自己資金はそこまで用意できない」「広い家が欲しいけど、わが家の年収では高望み」などと感じる人もいるかもしれません。
しかし実は、一番割合が多い世帯年収でみると「400~600万円世帯」なのです。平均年収(698万円)にとらわれすぎないようにしましょう。

さらにいえば、住宅価格の妥当性を判断する材料は年収だけではありません。家を建てる際に避けたいのは、住宅ローンの返済が苦しくなってしまうことです。そうなると、教育費が圧迫される、将来のリフォーム代や老後資金が不足してしまうなどの事態まで考えられます。
住宅ローンが返済でき、かつ他の支出もうまく回るならその価格が「ベスト」であるはずです。

家を建てるベストタイミングはその人次第

家計がうまく回るのかの判断は、統計上の平均額を参考にしつつ、自身の自己資金と返済期間を考慮するといいでしょう。例えば注文住宅では「41歳」「自己資金割合28.8%」が平均となっているので、40代の人なら自己資金割合の目標を2~3割としていくといいです。
逆にそれより若ければ、返済期間が長くなるので自己資金割合がもっと低くても、毎月返済額に無理がなければ購入に踏み切ってもいいでしょう。

返済期間についても留意します。多くの人は退職時に住宅ローンが残っているので、退職時に住宅ローンの支払いが終わるのが理想です。毎月返済額に加えて「(退職時の)繰上返済資金」も考えて借入額の上限を設けておくと借りすぎを防ぐことができます。

退職時に繰上返済資金がどれだけ用意できるかざっくり考え、完済の見通しを立てておきます。そこに問題がなければ「欲しい」と思ったときがベストタイミングになるでしょう。

統計を参考にしつつ、自分のタイミングでマイホームを手に入れよう

統計から見ると、注文住宅の価格帯はやや高いのかもしれません。しかし設計から関われる分、優先順位の低い部分の予算を削ったり、逆にこだわりたい部分に予算を割いたり、自分の意向で予算を調整できます。

思い切っていい家を建てることで将来のリフォーム費用や建替費用を節約する方法もありますね。大切なのは、欲しいと思ったときの年齢・年収を考慮し、生涯を通じた資金計画を行うことでしょう。