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自宅で仕事をする「ホームオフィス」、その概要や上手なつくり方は?

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インターネットの普及や働き方の多様化により、自宅で仕事をする人も少しずつ増えているようです。自宅を仕事場にすることを「ホームオフィス」といいます。ここでは、ホームオフィスとは具体的にはどういったものなのか、そのメリットとデメリット、上手につくる方法などをご紹介します。

ホームオフィスって何?

ホームオフィスとは、通常パソコンやインターネットを使って自宅を仕事場にすることを指します。

ホームオフィスに厳密な定義はなく、在宅勤務制度を導入している企業において、社員が自宅で仕事をするホームオフィス、会社員が副業で行うホームオフィス、子育てや介護に追われる主婦が行うホームオフィスなど、さまざまなケースがあります。

ここでは主に、子育て中の主婦がホームオフィスで働くケースを前提に見ていきましょう。

ホームオフィスと似た意味を持つオフィス

ホームオフィスと似た言葉に、シェアオフィスやレンタルオフィスなどがありますが、次のようにホームオフィスとは全く異なります。

  • レンタルオフィス

通常のデスクや椅子、インターネット環境、電話、ファクスなど必要なものがそろっている、少人数向けの個室になっている賃貸オフィスです。

  • シェアオフィス

個別に契約した法人や個人事業主などが、共同で利用するオフィスのことです。共有の会議室やインターネット環境などが用意され、備品なども借りられるケースが多いです。

  • バーチャルオフィス

実際にその場所を仕事場として使う目的ではなく、「住所」を借りるためのオフィス。一般的に法人登記や郵便の受け取り、電話番号やファクス番号などの利用が可能です。仕事上「住所」が必要だけれど、仕事場である自宅の住所を公開したくないといったケースに適しています。

ホームオフィスに向いている仕事は?

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ホームオフィスをするのに決まった仕事はありませんが、相性の良しあしはあります。次のような仕事なら、ホームオフィスに向いています。

  • 人と頻繁に会わなくても進められる仕事

※話し合いが必要なときでも、インターネット会議や電話でできるのなら問題ありません。

  • 作業をひとりで完結でき、好きな時間に自分のペースで進められる仕事
  • 成果や必要資料などをインターネットなどで共有しやすい仕事

具体的には、アンケートや住所など所定の情報を入力する「データ入力」、インタビューや講演内容を音源から文字に起こす「音声起こし」、記事を書く「ライター」などがあります。また、「システムエンジニア」や「プログラマー」、「デザイナー」、「イラストレーター」、「翻訳家」なども当てはまるでしょう。

ホームオフィスのメリット・デメリット

主に子育て中の主婦がホームオフィスで仕事をするメリット・デメリットを紹介します。

メリットは自由度の高さ

ホームオフィスなら通勤時間が不要で、好きな時間、都合の良いタイミングで仕事に取りかかれるので、子育て中で仕事に割ける時間が短くても、効率良く働くことができます。保育園や実家など預けられるところがなく、子どもが家にいても、子どものお昼寝中やテレビに夢中になっているときなど、ちょっとした時間を上手に使って仕事を進められるのも利点です。
会社勤めのように、子どもが病気になったときに仕事を休む必要がないのも、大きなメリットでしょう。

また、スーツや仕事着を新調する必要がなく、余分な費用がかかりません。メイクや服装が「自宅用」で済む気楽さも、ホームオフィスの特長です。

デメリットはオン・オフの切り替えの難しさ

最も大きなデメリットは、「家事・育児」と「仕事」の境界線があいまいになりがちな点です。納期が迫っているのにリビングのゴチャゴチャが気になって大掃除をしてしまったり、子どもを寝かしつけている間に一緒にお昼寝してしまったり......。

他人の目がないぶん、ついついソファでくつろいでしまうなど、気が緩んでしまうこともあるかもしれません。また子どもが仕事道具を触ったり、大事な書類を汚してしまったりするリスクもあります。

それらのデメリットへの対策が、次に紹介するホームオフィスを成功させるコツへとつながります。

ホームオフィスを成功させるコツは?

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何より「自己管理」が問われるホームオフィスでは、仕事に集中できる環境をつくることが重要です。そのポイントをご紹介します。

  • 仕事の場と生活の場を区別する

仕事の場と生活の場を分けることで、オンとオフの切り替えがしやすくなります。独立した部屋があれば理想的ですが、それが難しい場合も少なくないでしょう。その場合は、リビングの一角などにデスクやパソコン、プリンターなど必要なものを置いて、ホームオフィスにすることになります。可能であれば、カーテンやロールスクリーン、パーティション、棚などでほかのスペースと分けるようにしましょう。

子どもが小さくて目を離せないといった理由で仕切るのが難しい場合は、リビング全体を見渡せる背の低い棚で区切ったり、オフィス部分にだけ色の違うラグを敷いたりするだけでも、気持ちが引き締まります。子どもには、「ここは仕事をする場所」だということ、「仕事スペースでは遊べないこと」なども分かりやすい言葉で、きちんと伝えるようにしましょう。

  • 収納を工夫する

リビングの一角につくったホームオフィスが整理整頓できていないと、リビング全体が散らかった印象になってしまいます。収納を工夫して常にきれいな状態を保つようにしましょう。

リビングを広く使いたいからと小さめのデスクを選びがちですが、必要なものを広げても問題なく作業ができるよう、十分な広さを確保するのがおすすめです。狭いと作業効率に影響するだけでなく、デスク上が資料などでゴチャゴチャしやすくなります。奥行きを取るのが難しい場合は横長にするといったように、部屋の形状に合わせたものを選択するといいでしょう。

デスク下に可動式の棚を置いたり、壁にボードやワイヤーネットを設置しメモや資料を貼り付けたりするのもいいアイデアです。また、子どもにいたずらさせたくない資料などを入れられるよう、鍵がかけられる収納もひとつは欲しいところです。
また、パソコンやプリンターなどがあるホームオフィスは、コード類が多くなります。ボックスやクリップなどを利用して、すっきりと整理しましょう。

  • 好みのインテリアでモチベーションアップをする

デスクや収納家具のデザインを自分好みにすると、モチベーションアップにつながります。ただし、仕事スペースだけ浮いてしまうことのないよう、リビング全体で統一感を持たせる方が、おしゃれな印象になります。

なお、座って仕事をすることが多くなりますので、デスクの高さや椅子の座り心地も重要なチェックポイントです。

ホームオフィスを成功に導く賢い住まいづくり

新しい働き方として注目されているホームオフィスですが、仕事と生活を同じ空間で行うため、その切り替えが難しい側面があります。また、子どもに大切な書類をいたずらされる可能性もあります。

それらの問題は、スペースを区切ったり収納を工夫したりすることである程度解決できそうです。「働く女性を助ける住まい」をコンセプトにした『MOTENA PLUS』(http://www.inos-ie.com/lineup/motenaplus.html)。家事の負担を軽減するため、家事動線を考え抜いたり、適材適所に収納を用意したりするなど、働く女性の仕事と家事・育児の両立をサポートしてくれます。