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T様邸

大好きなアートに囲まれ、自然素材の心地よさを満喫する平屋の住まい

  • 北海道
構造
木造軸組
階数
平屋
延床面積
199.74㎡
家族構成
ご本人
施工会社
株式会社北のハウス

シンプルなフォルムを質感豊かな手塗りの壁と縦格子が引き立てる、上品な佇まいのT様邸。上下階の移動がない暮らしやすい住まいを、との思いから平屋に住まうことを選ばれたとおっしゃいます。室内は、数々のコレクションを魅せるギャラリーや、明るく開放感あふれるLDK、スムーズな動線、無垢材や漆喰などの自然素材を採り入れた内装など、T様のライフスタイルに合わせた提案が随所に。好きなものに囲まれる暮らしを存分に楽しむことのできるお住まいです。

今回は、T様と、設計を担当した辻和永さんにお話をうかがいました。

上下階の移動がない平屋、コレクションを飾るスペースの確保が大きな要望でした

以前はコンクリート造で地下室のある2階建てにお住まいだったT様。
「リビングなどは1階なのですが、寝室は2階。上下階の移動が面倒でしたし、歳を重ねていくと上下階の移動はもっと大変になります。ですから新しい家は動線がスムーズで、ラクに移動できる平屋にしたいと思いました。また、たくさんのコレクションを飾るスペースもなかったので、ギャラリーをつくりたいというのも大きな要望でした」
住まいづくりを決め、依頼先を検討されたT様。以前、イノスグループの加盟店である建設会社、(株)北のハウスに外構工事の相談で訪れていたことがきっかけとなり、同社のモデルハウスを見学したそうです。

「無垢材やタイル、漆喰など、自然素材をふんだんに使った住まいの質感、空気感がとてもよかったですね。平屋で、ギャラリーをつくりたい、動線をスムーズにといった大まかな要望を伝えただけで、生活スタイルに合った、細かな配慮が満載のプランをつくってくれたことも北のハウスにお願いする決め手になりました」

「生活」と「飾る」動線を分けたプランで、より暮らしやすく

T様の要望をお聞きし、設計担当の辻さんが提案したのは、「生活する」と「好きなものを飾る」動線を分けて配置するプランでした。
「T様はたくさんのコレクションをお持ちでしたが、以前の家ではその一部がリビングに置いてあるなど、『生活』と『飾る』が混在していました。そこで2つを動線的に分けることで、普段の生活は暮らしやすく、また、お好きなコレクションはお客様にもご自分でも、これまで以上に楽しんでいただけると考えました」と辻さん。
象牙や切子細工など、貴重なコレクションを飾るギャラリーは、玄関を入って右側に配置。床は玄関タタキと同じタイルを貼って、靴を履いたまま気軽に出入りできるようにしています。美術品が映える棚板は、T様が工事担当者と銘木店にて木を選び、伐り出し、磨きをかけて作った特注品。床のタイルは大判の輸入タイルで、上質感あふれる空間を生み出しています。

「以前は家のあちこちに置いたり、しまいこんだりしていた品々をギャラリーにゆったり並べられるようになりました。玄関から靴のまま出入りできるのでお客様にも気軽に見ていただけますし、椅子やテーブルを置けば、ちょっとした応接室として使えるのもいいですね」とT様もお喜びです。

また、ギャラリーの隣には物置を設けて、コレクションに関係するスペースを一カ所にまとめて配置。季節ごとにディスプレイを入れ替えるときもスムーズに行えるようになりました。

無垢材の床や天井、漆喰の壁。自然素材がふんだんに用いられています

玄関を入ってまっすぐ進むと生活の場の中心となるLDKが広がります。リビング、ダイニング、キッチンは一直線に配し、勾配天井や中庭に面した大きな開口部、間接照明によって、より明るく開放感たっぷり。床はT様のお好みだったウォルナット、天井はそれより明るい色合いのレッドシダーの無垢材、壁は漆喰仕上げと、自然素材がふんだんに用いられています。
「キッチンは周囲をぐるりと廻れて、どの方向からもアプローチできるアイランドキッチンをご提案しました。壁にはT様が気に入られたガラスモザイクタイルを貼って、高級感をさらに高めています」と辻さん。

「キッチンまわりも動きやすく、使い勝手がいいですね。背面の収納は、調理家電や食器類、ストックの食品などをたっぷりしまうことができます。床から天井までの大きな引き戸を用いているので、戸を閉めてしまえば壁のようになり、すっきりした空間になります。冷蔵庫もこの中に収めてもらいました」とT様はおっしゃいます。

LDKの奥には、繊細な螺鈿細工が施された箪笥や座卓が置かれた和室が設けられています。
「箪笥などの美しさが引き立ち、かつ直射日光が当たって傷みが生じないよう、北側の坪庭に面した窓から障子越しのやわらかな光が入るように設計しました。ギャラリーにいらっしゃるお客様より、さらに親しい方を招き入れるなど、多目的に使えるプライベート色の強い空間となっています」と辻さん。

建物をコの字型に配置。視線を気にせず光と風、庭の眺めを楽しむことができます

外からの視線を気にすることなく自然の光と風、庭の眺めを楽しむことのできるT様邸。可能にしたのは「建物をコの字型に配置する」というアイデアでした。
「T様から明るい家にしたいとのお話がありましたので、窓は大きく。でも外からの視線が気になってカーテンを開けられないということがないようにしたい。そこで中庭を囲むように建物をコの字型に配置し、LDK、寝室とも、中庭に向けて開口部を設けるようにしました。これなら視線も気になりませんし、室内から見えるのは庭と自分の家。T様がいま寝ている・起きているなど、暮らしの様子が外からわからないようにするという意図もあります。また、中庭はリビングの延長のような、もうひとつの寛ぎの場にもなりますし、視界が通って広さも感じられます」と辻さん。

中庭はT様のご希望で、細かな玉砂利が美しく、メンテナンス性にも優れた洗い出し仕上げに。北海道の短い夏を緑や花を植えて楽しめるよう、レンガを用いた水場も用意。道路側には塀を設け、プライバシーを守りながら自然の心地よさを楽しめる屋外空間を実現しています。

平屋ならではの落ち着いた佇まいの外観。奥行きのあるポーチも便利です

T様邸の外観は、平屋ならではの落ち着いた佇まいが印象的。シンプルなフォルムにランダムなコテ塗り仕上げの外壁や木製の縦格子がアクセントになっています。
「ポーチ部分は縦格子があるので玄関の出入りが外から見えないようになっています。また、奥行きがあるため守られている感覚がありますし、雪や雨にも濡れにくい。屋内へと導かれていく楽しさを味わうこともできます」とT様はおっしゃいます。

「ここは雪の多い地域なので、屋根は建物の内側に傾斜させた、四角い箱のような外観の家が多くあります。T様邸ではあえて三角の屋根を設けて、住宅らしさを表現しました」と辻さん。玄関左手のガレージは車2台が駐車でき、冬用のタイヤなどもしまえるスペースを確保。雪や雨に濡れることなく、ガレージから直接玄関に入ることができる動線も確保しています。
ポーチを抜け、ドアを開けるとそこは広々とした玄関。飾られた絵画等が引き立つよう、内装は白を基調にシンプルに仕上げられています。

「右手に進むとギャラリー、まっすぐ進むとホール、左に進むとシューズクロークとなっています。シューズクロークには天井までの高さの収納を設置。シューズクロークには玄関、ガレージ、LDKと3方向に動線が設けられているのでとても便利です」とT様。

温もりがあり空気感もやわらか。よく眠ることができます

東南角地という立地や周辺の環境を活かし、快適な住み心地を追求したT様のお住まい。暮らすほどにそのよさを実感されているとおっしゃいます。
「11月でも日中に光が入ると暖房がいらないくらい暖かい。大きな窓も中庭に面しているので外からの視線も気になりません。また、以前の家はコンクリート住宅で冷たい感じでしたが、イノスの家は温もりがあり空気感もやわらかですね。LDKをはじめ、家全体に無垢材や漆喰を採り入れているせいか、とてもよく眠ることができています」とT様。

「北海道では寒さ対策で窓を小さくしがちですが、やはり光は採り入れたいですし、開放感もほしいので窓は大切にしたい。T様邸では大きな開口部を設けるために、窓サッシは優れた断熱性・気密性とデザイン性を兼ね備えたロシア製を採用しています。住まいは、永遠に新築のようなきれいさを求めるのではなく、建物と住む人が一緒に美しく年を重ねていくことが理想。無垢材などの経年変化はもちろん、植栽も年月を重ねるほどに建物に馴染んでいけるようにと設計しました。今より10年後、15年後のほうがより味わいが増し、年月を経るのを楽しんでいただける住まいをご提案しました」と辻さん。

「まさに、住むほどに愛着が深まる家。間取りやデザインの素晴らしさだけでなく、建築中に骨組みを見たときも、とても頑丈そうで安心しました。大工さんも話しやすく、とてもいい方だったのも印象に残っています。北のハウスさんのさまざまな提案のおかげで素敵な家ができて喜んでいます」と笑顔のT様です。