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家族とつながる家づくり

建物のはなし
2018.02.07

座・リビング ~思う存分にくつろげるリビングを

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家の中で一番長い時間を過ごしている部屋。
それはリビングルームではないでしょうか?

だからこそ、リビングルームの配置と使い方を工夫し、あなたらしく寛げるリビングルームにしてみませんか?

イギリスとアメリカのリビングルーム

イギリスではもともと、リビングルームではなくドローイングルーム(drawing room)と呼ばれていたようです。
これは、家族で、ダイニング(食堂)で食事をした後、男性たちがタバコを吸いながら政治や世間話などの男性だけの話をし始めると、女性や子供たちはその場から引き下がり(draw)、ダイニングルーム(食堂)に隣接した控えの間で過ごしたことから、その控えの間を指していると言われたそうです。
男性同士の話には、女子供は入ってくるなという歴史的背景から来たものでしょう。

そのため、リビングルームは玄関から遠い奥まった部屋になることが多く、この部屋には来客が通されることはなく、せいぜい親族くらいとされていました。

ただし、アメリカではリビングルームの意味はイギリスとは異なります。
アメリカではリビングルームの他にファミリールームが存在するのです。
リビングルームは主に来客をもてなす部屋で、ファミリールームには来客が入ることはありません。
ファミリールームはその名の通り、家族が寛ぐ場所なのです。
従って、アメリカのリビングルームは日本で言う応接間ファミリールームは日本のお茶の間に近いのかもしれませんね。

日本の居間(リビングルーム)の歴史

その昔、日本では平安時代に貴族の住まいとして寝殿造りが建てられました。
そして、室町時代初期には書院造で畳を使用するようになりましたが、町家においては平屋の板葺き屋根で造られる建物が一般的で、非常に簡素な建物でした。
江戸時代の初期に入ると茶室の要素を取り入れた数寄屋造りも一部の建築で取り入れられるようになりましたが、封建社会の中で、庶民の建物は大きさの制限を受けたり、床もなく土間にむしろなどを敷く粗末なものが大半でした。
しかし、江戸時代の後期に入ると農家の住宅が基になる田の字型の間取りが多く広まってきました。
田の字型の間取りでは廊下は設けず、部屋を通って奥の部屋に入るため、玄関そばの部屋は客間(応接間)に使用されることが多かったようです。

では、日本の家屋において居間(リビングルーム)はどのような場所なのでしょう。
近年の日本では、居間のことを『茶の間』と呼んでいました。茶の間とは家族みんなが集い、一家団欒の寛げる部屋のこと。

田の字の間取りでは、客間と繋がっている玄関の奥側にある部屋が茶の間になり、台所の隣に配置されています。
台所と言っても土間におくどさん(かまど)がある造りなので、茶の間とは簡単な仕切りがあり、茶の間の床は畳敷きや板の間になっていました。

昭和の時代になると、家族は茶の間の床に座って、ちゃぶ台などの座卓を囲んで、食事をとったり、ラジオを楽しむ部屋でしたが、ただ寛ぐだけの部屋ではありませんでした。

襖や板戸を外して隣接する部屋とつなげて大広間にし、大人数が入れるようにして集会や冠婚葬祭などが出来るように工夫されていました。
地域によっては、茶の間に囲炉裏があり、一味違った茶の間空間を満喫することが出来たことでしょう。

日本の居間(リビングルーム)の変貌

戦後、アメリカの影響で寝食分離(寝るところと食事をするところを分ける)が推奨され、床に座って食事を取るスタイルから、テーブルを置きイスに座って食事をするスタイルに徐々に変化してきました。
食事や団欒を同じ部屋でとる茶の間スタイルから、食事を取る部屋のダイニングキッチン(台所+食堂)と、一家団欒で寛ぐ部屋のリビングルームに分かれてきました。

また、昭和中期には、リビングルームのマントルピース(暖炉の周囲の飾り)に飾り棚やステレオを置くことが流行った時期があり、リビングルームは寛ぐ部屋というよりは応接間のイメージが強かったと思います。

最近の住宅ではLDK(リビング+食堂+台所)が一室で設計されることが多く、広さは全部合わせてには16帖~20畳くらいが一般的です。

LDKが主流になってきたことで、リビングルームとは呼ばず、『リビング』と略して呼ぶようになってきたのも特徴です。

間口を2間(3.64m)とすると奥行きは4間半(8.19m)程のスペースになります。
間口が2間というのは、在来軸組み工法の木造家屋が基になるので、間口を支える梁の最大長さから考慮すると、2間から2間半が限界となるからです。

また、最近のキッチン(流し台)には、ペニンシュラタイプ(半島:壁から突出したような配置)やアイランドタイプ(部屋の中央に流しやレンジを配置)も目にするようになりました。

特に、見せるキッチンのアイランドキッチンに憧れる女性も多いと思いますが、この場合の間口は最低でも2間半必要です。
これより間口が狭いと、レンジか流し台のどちらかを背面若しくは壁側に配置することになり、分割した配置になってしまいます。

従って、アイランドキッチンの入ったプランを考えるときには、間口を2間半以上取れるように考慮する必要があるのです。

また、リビングにソファーを配置する場合、8畳以上のスペースが欲しいところです。
6畳くらいになるとダイニングテーブルとソファーの間が狭くなり、使い勝手が悪くなってしまいます。

日本人の体形が大きくなってきたことでソファーや他の家具も大型化し、家具の配置や何を置くかでスペースの取り方や部屋の広さを考慮するようになってきました。

バブル時代以降の地価高騰により、敷地面積が狭く、建物自体も平屋建てから2階建て、3階建てと上に階数が増えていく傾向にありますが、その場合はプラン(間取り)をよく考える必要があります。
建物面積を効率よく活用するために廊下のスペースを少なくし、階段の上り口も廊下からではなくリビングから上がり降りをするリビング階段を計画するのも一案です。

本来避けたいところですが、リビングから出入りする洗面所・トイレを計画する場合は入り口を間仕切りで目隠しする提案も必要でしょう。

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リビングを快適にする4つの提案

ここで、リビングを快適にする提案を4つ挙げてみました。

リビングにも収納を

リビングは最も広い家族共有の場。
物が集まりやすく散らかりやすい場所でもあります。
だからこそ、それぞれの収納場所を確保することが必要です。

あらかじめ収納スペースを確保するのがベストですが、限られた面積の中で収納スペースがとれない場合は壁厚を利用できないかを検討しましょう。
例えば10cmほどの壁厚の中に小物が収納できるスペースを確保して、内部に収納ケースをはめ込めば、個人別に小物を収納することもでき、収納ケース自体も場合によってはインテリアとして見せることも出来ると思います。

但し、この場合、家を支える壁を利用するので、家を建てる設計段階に考慮できるとよいですね。

リビングを広く見せるにはソファーを工夫して

LDKは面積が広く、まず目に入るのは床の色だと思います。
ただ、床には何も置かないわけではありませんし、冬季には敷物を敷くことも多いでしょう。
すると、リビングの面積の大半を占めるのがソファーになります。
広々としたリビングに見せたい場合はソファーの大きさと色合いを重視すると効果的です。
ゆったりと寛ぎたい場合のソファーはハイバックタイプがお勧めです。
目立つ色にすると圧迫感を感じるので、壁や天井に近い色地を選択すればソファーが空間に同化して、見た目の大きさが軽く感じられるでしょう。

また、背の高い家具は圧迫感を感じやすくなるので注意してください。
小さい子供がいる場合は、子供の動線を配慮して安全に動き回れるスペースをできるだけ確保しましょう。
そのために、テーブルはサイドテーブルにする、またはすべての家具をリビンクかダイニングにまとめて配置するなどの工夫をすることで、余裕のある空間、フリースペースが出来て、家事をしながら子供を見守ることができるでしょう。

ホームパーティーが出来るリビング

ホームパティーで楽しみなのは、やっぱりごちそうです。
手作り、持ち寄り、ケータリングなど方法は色々ありますが、みんなでワイワイガヤガヤ楽しく料理がしたいという人には、アイランドキッチンがお勧めです。

キッチン、ダイニングテーブルの一体感が強くなり、調理をしながらでもお客様と話ができ、おもてなしができます。
また、お客様と一緒に料理をすることもでき、リビングにいるお客様とも楽しい時間を過ごせるでしょう。

リビングを演出

リビングをあまり広く取れない、でも広い空間、開放感を味わいたと思う方は、窓の開口幅を大きく取ることをお勧めします。
耐震性能を考慮しながら家を設計する必要がありますが、広い掃き出し窓は外との繋がりを広げ、子供たちが庭やデッキスペースで遊ぶことも可能です。
もし可能なら、リビングの天井と軒天を同じ高さにして、更に天井まで高さのある掃き出しサッシを入れると、外との一体感がさらに高まるでしょう。

また、大人同士や夫婦水入らずで、しっとりとお酒でも飲みながら楽しみたいときには、リビングの照明を落として間接照明を取り入れると効果的。
ダイニングとリビングをスクリーンで仕切り、ダイニング側にほのかな明かりを点けてリビング側のダウンライトを調光すれば、Bar(バー)のような雰囲気も楽しめるでしょう。
このような小さな工夫でリビングでの寛ぎ方は大きく変わってくるのです。

リビングは家の中で家族が寛ぐ場所の一つです。
でも、その作り方、使い方で大きく変貌する場所でもあります。


もし、あなたが家を建てるならば、設計段階からうまく好みを取り入れることで、家に住まう楽しみ方も大きく変わってくるかもしれません。

参考記事:
座シリーズ第一弾!!家とトイレの深い関係の記事はこちらから
人気記事!住まいを守る神様について

inos

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