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「小屋裏収納」の使い方とは?ニーズに合わせた多彩な活用法

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家のなかで、ものをしまう場所は多い方が助かるもの。収納スペースを増やすなら、屋根裏部屋やロフトを設置する方法があります。屋根裏部屋について「狭い」「暗い」といったイメージを持っている人もいるかもしれませんが、収納・キッズスペース・書斎などさまざまな用途で活用することができます。今回は、小屋裏収納について、また、ロフトとの違いについて見てみましょう。

小屋裏収納ってなに?

小屋裏収納とは、天井と屋根の間を生かしてつくられたスペースのことで、「グルニエ」とも呼ばれています。収納以外の用途もありますが、その場合も含めてここでは「小屋裏収納」と呼んでいきます。

小屋裏収納は天井と屋根の間ならどうつくってもいいわけではなく、建築基準法により、「面積は下の階の2分の1以下、天井高は1.4m以下」などが定められています。

小屋裏とロフトの違い

小屋裏収納とロフトには、若干の違いがあります。ロフトは天井高を高くして、部屋の一部を2層式にしたときの上部スペースを指しますが、小屋裏収納はいわゆる「屋根裏部屋」です。

ロフトは固定式のはしごが設置可能ですが、小屋裏収納は、固定されたはしごは設置できず、取り外し可能なもの折りたたみ式のもののみが利用できます。また、ロフトは部屋とつながりのある空間ですが、小屋裏収納は部屋とはっきり分離される印象です。小屋裏収納はその分秘密基地的な魅力を持ちます。

こんなに便利!小屋裏収納の使い方

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小屋裏収納を収納スペースとして使う場合、活躍の機会が少なく、かつ、かさばるものをしまっておくのに最適です。ストーブや扇風機などの冷暖房器具、クリスマスツリーやひな人形などイベントで使うものをしまう場所として使われるケースが目立ちます。ほかにもサイズアウトした子ども服や、あまり遊ばなくなったおもちゃなど、いずれ親戚にあげたい、フリーマーケットアプリで売りたいといった物品の一時保管場所としても有効です。

ただし、夏は熱や湿度がこもります。暑さや湿気に弱いものを置いておかないように注意しましょう。

小屋裏収納法の具体例

収納部屋として利用するにも、ただ荷物を入れるだけだと活用度してはイマイチ。「しまいっ放し」になる恐れもあります。小屋裏収納をより有意義に使うにはどうすればいいでしょうか。

効率よく収納したいなら、どんな形状のものをしまうかを先に考えます。

1. アルバムや衣装など、比較的小さいものを収納したい
壁際に棚を置くと小物をたくさん収納できます。アルバムは時系列に沿って、衣装なら季節ごとや家族ごとに分類してケースに入れてしまいます。棚と収納ボックスのテイストを統一してラベリングすれば、インテリア性が高いうえにどこに何があるかも一目瞭然。スペースに余裕があれば、アルバムを見たり、衣類を広げたりする空間をつくっておくと入れ替えが楽でしょう。

2. 冷暖房器具、クリスマスツリーなど、大きなものを収納したい
無計画にどんどん詰め込んでしまうと、いざ使いたいときに取り出せないかもしれません。モノの使用時期で置くスペースを分けると、使う時期が同じなので効率的に出し入れできます。購入時のダンボールに入れておくと、積み上げて収納できる反面、中身がわかりにくくなります。カラーテープや付箋などを貼り、ぱっと見て中身がわかるようにしておくと、家族の誰にとっても作業しやすいでしょう。
また、入れるものを厳選することも大切です。もう使わなさそうなものを入れても場所を奪うだけです。今後使う見込みのあるものだけをしまい、捨てるべきものは捨てましょう。

何をしまうにせよ、ポイントは二つ。出し入れがしやすいよう空間に余裕を持たせることと、ラベリングや定位置を決めて収納場所を把握できるようにしておくことです。作業は昼間とは限らないため、ライトもあると便利でしょう。

小屋裏の多彩な活用法

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小屋裏は収納以外にも子どもの遊び場や、大人のための「特別な空間」として活用できることをご存知ですか。暮らしがよりいっそう豊かになる具体的な活用法についてご紹介します。

子どものためのプレイスペースに

小屋裏収納を子どものプレイスペースにしてみてはいかがでしょう。天井の低さも、子どもにとってはわくわくする要素のひとつ。秘密基地のような感覚で楽しんでくれるでしょう。通常の部屋では奇抜すぎてできないようなカラフルな床の色にしたり、壁に模造紙を張って自由に落書きをしたり......楽しみ方は無限大です。広々と遊ぶわけにはいきませんが、狭いスペースでいかに遊ぶかを考えるのも、子どもにとってはいい思い出になることでしょう。

読書、収集品の保管もOK、趣味のスペースとして活用法

高さがないものの、座る・寝転ぶなどの利用法なら大人でも問題なく活用できます。ストレッチスペースや簡易書斎としても使ってみませんか。

大人のための「特別室」にするなら、居心地にもこだわりたいもの。座り心地のよいソファーやアロマの香りで部屋をコーディネートしてみてください。
あなただけの極上空間が誕生します。

プラモデルやフィギュア、好きなアーティストのグッズなど、趣味のグッズは自然と増えてしまいます。そんな趣味の品々を展示・保管する場として使うのもおすすめです。

危険もある?小屋裏収納のデメリット

小屋裏収納は収納・非収納を問わずさまざまな活用法がありますが、使い方を誤ると危険もあります。小屋裏収納のデメリットについても覚えておきましょう。

収納場所として利用するときの注意点

小屋裏収納では行き来にはしごを使います。重いものを運ぶのは大変ですから、転落には気をつけましょう。また、上り下りが面倒になって使わなくなってしまうと小屋裏収納がデットスペースに。運ぶ負担を減らしたいときは、トイレットペーパーやティッシュなど軽いもののストック置き場や、コートや靴などの収納スペースとして使うのがおすすめです。

居住空間にするときはここに注意!

小屋裏収納は熱がこもりやすいので、部屋として利用するときには、快適性を確保するために換気窓・断熱材の使用、空調の設置などを検討したいです。

特に、キッズスペースとする場合は子どもの熱中症や脱水症状に気をつけましょう。子どもの健康リスクを考えて、夏は使用を控えることをおすすめします。はしごの上り下りも慎重に行うように促したいですね。

キッズスペースとする場合、利用期間は長くても10年程度でしょう。子供が成長したらどうするのかも考えておきましょう。

家の可能性を広げる屋根裏部屋

屋根裏部屋は家族のための収納場所として活用するのが一般的ですが、それ以外にも子どものプレイルーム、大人の書斎など使い道は多彩です。目的に応じて設置することで、マイホームがもっと輝くでしょう。