家族を育てる家

はじめての家づくり

家族が安心して暮らすために、知っておきたいベタ基礎・布基礎の基礎知識

9-2A_10313000650 - コピー.jpg
家づくりの土台となる「基礎工事」。長期にわたって暮らすマイホームだからこそ、土台となる基礎についても理解しておきたいですね。
今回は、現代の日本の木造住宅の代表的な基礎である、「ベタ基礎」と「布基礎」についてご紹介します。

ベタ基礎・布基礎とは?

「基礎工事」とは、建物の土台となる部分を作る工事。マイホームを建てる際意識を向ける人はあまりいないかもしれませんが、安心な生活を営むためには最も重要な工事です。

現在の木造住宅の基礎には、主に「ベタ基礎」と「布基礎」の2種類があります。ベタ基礎は多くの住宅が取り入れている一般的な工事の方法。壁部分だけでなく建物の底一面を鉄筋コンクリートで支えるのが特徴です。一方、布基礎は建物の柱や壁の部分だけにコンクリートを打設する方法。建物を面で支えるベタ基礎に対し、壁面に沿って線で支えるのが布基礎の特徴です。

基礎工事についての詳しい内容は、以下の記事もご参照ください。
意外と知られていない!戸建住宅の「基礎工事」とは、いったいどんな工事なの?


ベタ基礎でも布基礎でもない「独立基礎」って何?

独立基礎は一本一本の主要な柱の下にだけ独立して基礎を作るのが特徴。柱の下にしか基礎がないため、布基礎やベタ基礎に比べてコストを抑えられます。
ただし、一般的な住宅ではあまり採用されず、デッキや玄関ポーチなどの非住宅の建築物や、ショッピングモールや事務所など大規模な建築物などで用いられます。

ベタ基礎・布基礎のメリットとデメリット

9-2B_10313000630 - コピー.jpg
ベタ基礎と布基礎にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

ベタ基礎は、地面全体をコンクリートで覆うことから、床下からの湿気やシロアリを防止できるのがメリットです。また、建物の重さが面全体に伝わるため地盤への負担が分散することから、地震の揺れに強く、不同沈下(位置によって沈下量の異なる地盤沈下)を起こしにくいなどの利点もあります。
ただし、布基礎に比べて使用するコンクリートの量が多いことから、コストが高くつくのがデメリットです。

逆に布基礎は、柱や壁の部分だけにコンクリートを使用するため、ベタ基礎よりもコストが抑えられるのがメリット。ただし、地面全体をコンクリートで覆っているわけではないため、湿気による結露やカビ、シロアリが発生しやすいのがデメリットです。また、建物の重さの伝わり方が均一ではないので、ベタ基礎以上に地震や不同沈下への対策が必要になります。

ベタ基礎・布基礎を考える際の注意点

基礎の特徴を見てみると、ベタ基礎のメリットの方が多い印象で、実際に現在はベタ基礎の方が多く採用されています。ただし、良好な地盤の上に建物を建築する場合は、比較的低コストの布基礎の採用が適切とされるケースもあります。また、寒冷地や傾斜地では通常より深い基礎を作らなければいけないため、コストが高くついてしまいます。その際、布基礎が採用されることもあります。

基礎は地域や地盤、環境などによって適したものが異なります。通常、施工業者がその地域や建物に合った最適な基礎工事を採用しているはずです。担当者に採用の理由を確認しておくとより安心できるでしょう。

家族の安心安全な暮らしに大きく影響する基礎工事

9-2C_10313000646 - コピー.jpg
家の安全を支える重要な土台部分を作る基礎工事。内装のようなものと異なり、必ずしも基礎工事の種類を施主が選ぶわけではありませんが、家族が安心して暮らすための大切な工事です。基礎工事の基礎知識はぜひ身に付けておきましょう。