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「とるだけ育休」になっていない?夫の家事・育児参加の新たな問題

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男性の育休取得が最近の話題になっていますが、現状はどうなのでしょうか?男性の育休取得の現状や、にわかに浮上してきた問題「とるだけ育休」について考えていきます。

男性の家事・育児参加、日本は他国より少ないって本当?

日本は他国と比べて、男性の家事・育児への参加が少ないといわれますが、それは本当でしょうか?

総務省が実施した「平成28年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ夫の1日あたりの家事・育児参加時間は、日本は1時間23分、うち育児の時間は49分。他の先進国では、スウェーデン3時間21分(うち育児時間1時間7分)、ノルウェー3時間12分(同1時間13分)、アメリカ3時間10分(同1時間20分)です。他国と比べると、日本は低い水準であることがわかります。

こういった状況をふまえ、日本では国をあげて男性の育休取得が推奨されています。では、育休取得をする夫はどれだけ増え、どれだけの時間家事・育児に参加しているのでしょうか?

育休取得の男性の家事・育児の参加時間は?

「平成30年度雇用均等基本調査」では、男性の育休取得者の割合は6.16%。前年度比1.02ポイントアップの、6年連続の上昇となっており、育休取得者は着実に増えているようです。
一方、コネヒト株式会社が公益財団法人日本財団と共同で行った調査によると、育休中の夫の家事・育児時間は、1時間以下が17.7%、1時間から2時間以下が14.6%。育休を取得しているにも関わらず、3人に1人が家事・育児参加時間が2時間以下という結果です【「変えよう、ママリと」 × 日本財団調べ】。

前項の、育休取得者に限定していない調査結果である、夫の家事・育児参加時間「1時間23分」と変わらず、夫が育休を取得する意味がまったくありません。

にわかに浮上してきた「とるだけ育休」と、その防止策は?

育休を取得する男性が増えるにしたがって、新たな問題が浮上しました。休みをとっても家事や育児に取り組む時間が少ない、質が低く、結局妻がやり直さなければいけないといった、「とるだけ育休」です。
とるだけ育休を防止するにはどうすればいいのでしょうか?

前出の調査において、夫の育休に「あまり満足していない」「不満」と答えた妻への、「どうすれば満足度が上がるか」といった質問に対しては、「なんのための育休か旦那が理解すること」「何をしてほしいのか取得前に話し合えばよかった」などの回答が寄せられました。

夫が育休を取得することが大事なのではありません。家事や育児に参加することが大事なのであって、その手段のひとつとして育休取得があるのです。そこを夫に理解してもらったうえで、育休中、具体的に何を担当してもらうかを明確にしておくとよいでしょう。
ふだん家事・育児をしない夫は、具体的に何をするのかもわかっていません。どういうものがあるかを洗い出し、何と何を担当してもらいたいか、事前にしっかり打ち合わせをしておくことが大切です。

家づくりで、とるだけ育休を阻止!

また、夫が家事や育児に取り組みやすい環境づくりをすることも、とるだけ育休の防止策になります。これから家を新築する場合は、あらかじめ夫婦で家事分担することを考慮した設計を施工会社に依頼することもできます。

  • 家事動線をコンパクトに

洗濯なら「洗う」「干す」「取り込む」「畳む」「しまう」、料理なら「食材を出す」「調理する」「盛る」「下げる」「洗う」「しまう」などと家事には一連の動きがあります。それらの動きができるだけコンパクトにすむような、家事動線を考えましょう。

  • わかる収納を

何がどこに収納されているのか、何をどこにしまえばいいのか、ひと目でわかる収納を心がけましょう。家族で使うファミリークローゼットを設置するのもいいでしょう。家族に見られているため夫も自然と片づけるようになり、その父親を見て子どももまねするはず。これも一種の「育児参加」といえます。

  • リビングか周辺に「畳」を

子どもが乳幼児なら、リビングに畳コーナーを設けたり、リビングのとなりに和室をつくったりすることをおすすめします。おむつ交換もしやすくなり、子どもを遊ばせながら洗濯物をたたむこともできます。

イノスの家「MOTENA PLUS」では、紹介したような、夫の家事・育児参加を促す住まいづくりが可能です。

とるだけ育休にしないため、前もって計画を立てよう

夫が育休をとっても家事・育児に参加しないのでは、まったく意味がありません。育休をとる前にしっかり計画を立て、何をどのくらい夫が担当すればいいのかを明確にしておきましょう。また、家事・育児を分担しやすい環境を整えておくことも有効です。事前の準備で、とるだけ育休を防止しましょう。