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食洗機を使いこなしてストレス軽減。余裕のある生活を!【前編】

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最近は食洗機がある家庭が増えてきました。システムキッチンにビルトイン型の食洗機が選べるようになり、新築やリフォームを機に導入した......という方も多いのではないでしょうか。でも、ご自宅の食洗機、活用できていますか?

「家にあるけれど、色々ボタンがあって、使い方を覚えるのが面倒だから使ってない」
「結局手で洗った方が早い気がするから、あまり使わない」
「きちんと汚れが落ちるか不安だから、結局自分で洗っている」

こんな風に考え、最初は使っていたけれど使わなくなったり、イマイチ使いこなせていない、という方もいらっしゃるかもしれません。でも、本当に使い方が難しいのでしょうか?手で洗う方が汚れが落ちるのでしょうか?もしかしたら、思い込みかもしれません。

基本の使い方は簡単。コースを選んで、スタートするだけ!

食洗機を使わない、という理由で多いのが「使い方を覚えるのが面倒」という意見です。確かに、色々なボタンがズラッと並んでいたり、いくつもあるコースを見ると、「難しいのでは?」「面倒」と感じます。しかし、どのメーカーでも基本的な使い方は以下のとおりです。

①表面の残菜(野菜くず、魚の皮や骨、食べ残しなど)を取り除く
➁食洗機専用洗剤を入れる
➂電源を入れる
④コースを選ぶ(普通の汚れで食べてすぐ洗うのであれば「標準」コースでOK)
⑤スタートボタンを押す

タイマーセットしたり、汚れ具合に応じてコースを選んだりといった色々な使い方もできますが、シンプルな使い方はこれだけです。機種にもよりますが、電源を入れると前回使ったコースが表示されるものもあり、その場合は「スタート」を押すだけでOKです。洗濯機と同じような使い方、と考えれば抵抗も無くなります。

本当に「手で洗った方が汚れが落ちる」?

使い方が簡単なのはわかったけれど、やっぱり手を使ってゴシゴシ洗わないと、ちゃんと落ちているか心配。そう感じるのは、食洗機と手洗いの根本的な「違い」が見えていないからかもしれません。食器の主な汚れは「油汚れ」です。そして、固まった油が溶ける温度が40℃~60℃であることを考えると、お皿は高温のお湯で洗うのが適しているといえます。しかし、手洗いでは火傷などの危険があり、50℃や60℃といった高温で洗うことはできません。

その点、食洗機は50℃~80℃くらいの「高温」で洗浄・すすぎができるため、油汚れが落としやすいのです。
高温で洗浄し、油がしっかり落ちるため、ミートソースがべったりついたお皿や、ひき肉を捏ねて油でベタベタのボウルなどもスッキリきれいになります。

また、洗剤も手洗い用の食器洗い用洗剤と食洗機用洗剤では大きく異なります。手洗い用の食器洗い用洗剤は中性など、液性が手指や素材への影響の少ないものであるのに対し、食洗機専用の洗剤は液性が「弱アルカリ剤」で、手洗い用には配合できない「漂白成分」や洗浄力の高い「酵素」なども入っています。酵素はデンプンやタンパク質の汚れを分解するため、食器の汚れがよく落ちます。

さらに、手でゴシゴシ洗わない代わりに、食洗機は高圧の水流(噴射力)で洗ってくれるため、洗浄力も充分です。取り出してみると、想像以上にピカピカになっているお皿に驚くはずです。

使う前に、これだけは気を付けて!「洗剤」と「洗えない食器」

もちろん、食洗機を使う際に注意しなければならないこともあります。まずは前述の「洗剤」。必ず「食洗機専用」の洗剤を使用するようにしましょう。誤って手洗い用の食器洗い用洗剤を入れてしまうと、洗剤に含まれている界面活性剤で庫内に大量の泡が発生し、水流を妨げてしまうばかりか、故障する恐れがあります。(エラーが発生し、停止することもあります)

食洗機専用の洗剤であれば、粉、液体、タブレットなど、どの形状のものでも使用できます。タブレットは手間がかからない、液体や粉は洗う食器量によって洗剤量を調整しやすいなどそれぞれに良さがありますので、使いやすいと思うものを選びましょう。※一部コースには適さない形状のものもあるため、お使いの食洗機で最初にご確認ください。

次に「洗うことができない食器」。食洗機は高温で洗うという性質上、熱に弱い食器は入れることができません。中には低温コースが設けられている機種もありますが、それ以外の場合、耐熱 90°C 以下のプラスチック容器は避けるようにしましょう。熱に弱いものは変形する可能性があります。クリスタルグラス、切子細工、ビードログラス、デザイングラスなど、ガラスの厚みが均一でないグラスや、繊細なものも、ひびが入ったり、割れる危険があるため入れることができません。

その他に、漆塗りや金箔入りの食器は傷みや剥げの原因に、木製の食器もひび割れや膨張を起こす可能性があり、洗うことができないため、注意が必要です。また、徳利など口の小さい形状の食器や、水筒は奥まで洗うことができません。

食洗機で洗うことができるか不安な食器は、適当に入れてしまって後悔する前に、取扱説明書の「洗うことのできない食器」の項目で、念のために確認してから中に入れましょう。

お皿をセットする時は「汚れ面を内側」に、「重ねない」ようにセットすることがポイント。

食洗機の中を見てみると、食器カゴの下にくるくると回転するノズルが付いているのがわかります。(指で動かしてみても回ります)このノズルが回転しながら水を噴射し、食器の汚れを落とします。洗い上がりを良くするには、噴射水が当たりやすいように意識しながら食器をセットすることが大切です。平皿などは汚れている面を内側に向けて立て、コップ、湯飲み、鍋などは汚れ面を下向きにして伏せ置きします。小物入れに入れるスプーンやフォークなどは、中で汚れ部分が中で重ならないように、汚れている方を上向きに立てるようにします。

食器同士が重なると洗い上がりが悪くなったり、運転時にぶつかる可能性があるため、セットする際にはお皿が重ならないように注意します。このポイントさえ押さえれば、あとは食器カゴの形状にあわせて、食器をどんどん入れていけばOKです。下カゴには大皿や鉢、茶碗、上カゴには湯飲みやコップなどを伏せて置いていきます。

最近の食洗機は上カゴを用途にあわせてスライドしたり、大きく広げたりできるものもあります。上のカゴが空いていれば、鍋など調理器具も一緒にセットし、一回の運転でフル活用できます。お弁当箱など軽い容器が水流で飛ばされないように押さえることのできるバーや、シリコンカップなどを入れるのに最適な小物カゴ、小皿をセットできるスペースが設けられている機種もあります。

意外と気が付かない箇所に便利なピンやバーが設けられていることもあるため、取扱説明書の「食器の入れ方」の項目をチェックしてみることをおすすめします。日々の洗い物から解放されれば、食後の時間を自分や家族のために有意義に使うことができます。お湯に触る時間もぐんと減るので、冬場は手荒れやひび割れといった悩みも軽減できそうです。

せっかくの食洗機、うまく使って少しでも楽をしていきたいですね。次回も引き続き「食洗機をうまく使うコツ」をご紹介いたします。