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キッチンの自動水栓、実際どうなの?気になる疑問にお答え【前編】

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キッチンの中で毎日使うものといえば、水栓。料理にはもちろん、手を洗う、水を汲む、ふきんを洗う......と、水栓は日々家族全員がキッチンで最も多く使う設備といえます。キッチン水栓を選ぶとき、「自動水栓を選ぶかどうか」は迷うポイントなのではないでしょうか?

手をかざすだけでスッと水が出てくる自動水栓は憧れの設備。その一方で、「自動水栓って高そう。それなら、もっと他の部分にお金をかけたい」「そこまで高機能じゃなくっても、普通に水が出ればいいでしょ」「電気工事が必要だから、うちは無理」と、早い段階で候補から外してしまう方も多いかもしれません。しかし、「自動水栓」と一口に言っても、機能や価格、用途など、実は様々な製品があるのです。今回は、自動水栓を検討する際に出てくる疑問点についてまとめてみました。

自動水栓って、何がそんなにいいの?ただ水が自動で出るだけでは?

水栓が自動になることで、具体的に何が便利になるのでしょうか。まずは、調理中。卵や魚に触って汚れた指や、ひき肉を捏ねて油でギトギトの手のひら......手が汚れた状態で水栓のレバーを操作するのは非常に億劫です。そんな時も、自動水栓ならレバーに触れずにサッと水を出せるのでストレスがありません。非接触で吐水/止水できるようになるだけで、毎日の作業効率が格段にアップします。

自動水栓なら食後の作業もはかどります。皿洗いの最中も、手の汚れを気にせず、好きなタイミングで水の出し止めができるので、「泡だらけの指で水栓を触りたくないから、ついつい水を出したままお皿を洗ってしまう」といったことも防げます。必要以上に水を使わなくなるため、節水効果も期待できます。

最後に、水栓まわりの汚れの軽減。直接水栓に触れる回数が減るため、手垢や食べ物などの汚れが付きにくくなります。さらに、一度流量を調節すれば、水を出しすぎて飛沫が周囲に飛び散ることも防げるため、水栓回りやシンクがびしょ濡れになることもありません。洗い物や調理の後に水栓のまわりを拭く作業も少なくなります。

感染症対策という新たなニーズから、さらに高まる自動水栓への関心!

コロナ渦を機に感染症対策などの目的でも、自動水栓は注目されるようになりました。手で水を出し止めする水栓の場合、いくら手をきれいに洗っても、最後にまたレバーに触れなくてはならないという点が非常にやっかいですが、「自動水栓」ならその心配も無しに。調理前や食器に触れる前など、特に感染症対策が気になる場面でも衛生的に手洗いができます。

電気で動くって、逆にハイテクで難しそう......子供やお年寄りでも使えるの?

機器がハイテクになることですぐに浮かぶ心配が、「子供やお年寄りでも使えるのかな?」「逆に機能が複雑になって難しくなったら嫌だな」ということではないでしょうか。メーカーや機種にもよりますが、自動水栓の多くは以下のような使い方をします。

最初に根元のレバーで吐水温度、流量を調節し......
・手をセンサーにかざして吐水、止水
・手を水栓の下に差し出して吐水、水栓の下から引き抜いて止水

手をかざすセンサーの場所をあらかじめ知っておく必要があったり、根元のレバーで流量・温度の調節をしておく必要はありますが、吐水・止水の操作自体は感覚的にできるようになっています。また、ハンドルやレバー水栓の場合、小さな子供や高齢者などには使いにくい形状のものもあります。手をかざしたり差し出すだけで吐水ができる自動水栓は、誰が使っても確実に止水・吐水ができるため、「最後まできちんとレバーが戻っておらず、水がチョロチョロ出っぱなしに......」ということもありません。機種によっては最初から流量が決まっていて水しか出ない節水節湯センサーが付いているものや、浄水一体型の水栓の場合は浄水機能専用のセンサーがあるものもありますので、最初に家族みんなで使い方を確認しておくとよいでしょう。

停電の時に使えないのは困る!......本当に使えない?

自動水栓は電源を使用するため停電時にはセンサーは使用できません。そこで気になるのが「停電時の対応」ではないでしょうか。わずかな時間の停電であれば、洗面所などの水栓を使うことで乗り切れますが、災害など長期にわたって電気の供給が見込めない場合、キッチンの水栓が使えないのは非常に不便です。本当に自動水栓は停電時に使えないのでしょうか?

結論から言うと、停電時でも多くの自動水栓は使用できます。機種にもよりますが、停電時や万が一の故障時には、復帰するまでの処置としてシンク下のメインバルブの弁を開けることで、センサーに関係なく水栓のハンドルレバーで吐水・止水ができます。メインバルブの切り替え操作をする箇所がシンク下引き出しの奥にあるため、切り替えの際に引き出しの中の物を取り出したり、といった手間はありますが、停電時にも適切な処置をすることで、従来の水栓のように水の出し止めができます。

今回は「自動水栓」に関する疑問についてまとめてみました。次回は、具体的に導入を検討する際に考えるポイントや情報をお届けします。どんどん便利になっていくキッチン水栓。家族みんなが毎日必ず使う設備だからこそ、デザインも性能も納得できる製品を選びたいですね。