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間取り・デザイン

リビングの広さはどのくらいが理想的?考え方のポイントとは

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リビングは家族が集う憩いの空間。マイホームを建てるときにこだわりたい部分ですが、どのくらいの広さが理想的なのか、迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。家族にとっての居心地を左右するリビングの理想の広さについて考察しましょう。

まずはリビングの間取りの種類について考えてみる

リビングの広さを考える前に、まずはリビングの間取りの種類について考えてみましょう。
リビングの間取りは大きく分けて、リビングとダイニングが別々のタイプと、一体型のタイプの2種類があります。リビングづくりは、どちらのタイプに
するかを決めることからスタートしましょう。

リビングとダイニングを分けるメリット・デメリット

リビングとダイニングを分けて食事の空間とくつろぎの空間を分離することで、家族の団らんに良い影響が期待できます。
たとえば、ダイニングにはあえてテレビを設置しないでおくと、家族の会話がテレビにさえぎられることがなくなります。食事時の家族のコミュニケーションを深めたい場合には、おすすめの方法です。

一方、リビングからダイニングへの移動が伴うため、不便に感じられるかもしれません。移動を負担ととらえる人の場合は、別々型のデメリットを強く感じてしまう可能性があります。

リビングダイニング一体型のメリット・デメリット

リビングとダイニングを一体型にするメリットは、スペースの共有によって面積を有効活用できるところです。また、家族とコミュニケーションがとりやすいことも魅力といえます。カウンターキッチンがついているタイプなら、家事をしながら家族との会話を楽しめるでしょう。

一方、調理中のキッチンのにおいがリビングに流れていくなどのデメリットもあります。換気扇を常に回しておく、窓をこまめに開けるなどの配慮が求められるでしょう。

最適なリビングの広さの考え方とは?

次に、リビングの広さについて考えてみましょう。

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会が平成23年に承認した「DK(ダイニング・キッチン)及びLDK(リビング・ダイニング・キッチン)の広さ(畳数)の目安となる指導基準」によると、居室が1部屋の場合のDKの目安は4.5畳、LDKの目安は8畳、2部屋以上の場合のDKは6畳以上、LDKは10畳以上が目安とされています。

快適な広さの基準は家族によってさまざま

最適なリビングの広さの基準はあるものの、家庭によって居心地はそれぞれ異なります。使用頻度の高いものを、リビングのすぐ手が届く距離に置いておきたいという家庭もあれば、大きなソファを置いてくつろぎたいと考える家庭もあるでしょう。

家族が集う頻度やリビングでの過ごし方、家族それぞれのライフスタイルをイメージしながら、家族にとって居心地の良い広さを考えることも大切なポイントです。

広々としたリビングのメリットとは?

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リビング以外の部屋の広さや土地面積との兼ね合いがあるものの、リビングを広くするとたくさんのメリットがあります。具体的に見てみましょう。

家族が充実したくつろぎの時間を過ごせる

広々としたリビングなら、大型のインテリアを設置することができます。
大きなサイズのテレビなら、家族そろって迫力ある画面でテレビ鑑賞を楽しめるでしょう。ソファやクッションなどのアイテムも、サイズや数に余裕をもたせることができます。
また、家族それぞれが行き交う際にぶつかってしまうこともなく、ストレスなく快適にくつろぐことができます。

採光や通風が確保しやすい

広々としたリビングは開放感のあるつくりにできるため、採光や通風が確保しやすいというメリットもあります。くつろぎ空間の演出にはインテリアも欠かせませんが、部屋に差し込む光の量が多いと気分的にもリラックスできます。

日が差し込まないリビングでは、梅雨の時期には湿気がたまりやすく、冬は冷え込みます。採光はもちろんですが通風を確保できる点も、広々としたリビングのメリットといえます。

コミュニケーションがとりやすくなる

広々としたリビングには、メンタル面でもメリットが期待できます。ゆったりとしたリビングには家族が好んで集まり、子どもの滞在時間も長くなります。

家族それぞれが個室で過ごす時間が長くなると、コミュニケーションも希薄になりがちです。家族の交流を保つためにも、リビングを広くするとメリットは大きいでしょう。

リビングの広さを決める際の注意点とは?

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ゆとりのあるリビングにはメリットが多いものの、広さを決める際には注意しておきたいポイントがあります。

配置するインテリアによっても快適さは変わる

たとえ最適な広さのリビングでも、インテリアの大きさや位置によっても居心地は変わります。広いスペースを無駄にしてしまうようなサイズのインテリアを設置したり、デッドスペースがあちこちに生まれる配置にしてしまったりすると、快適さも損なわれてしまいます。リビングの広さについて考えることはもちろんですが、インテリアの配置にも気をつけたいですね。

冷暖房などの光熱費のことも考えておく

広いリビングを設計すると、冷暖房効率が下がり、光熱費が高くついてしまうこともあります。また、リビング全体の明るさを確保しようとすれば、照明の数も増えてしまうため、ランニングコストのことも考えなければなりません。

冷暖房効率を上げるには、扇風機を併用して対流を起こしたり、南向きの窓を設置して冬には日差しを多く取り込んだり、夏には風通しを良くしたりといった配慮も効果的です。

また、家族それぞれが別々の部屋で過ごす時間を増やしてしまうと、使用している部屋の数だけ冷暖房コストがかかります。家族がリビングに集まる時間を増やし、ほかの部屋の冷暖房コストを抑えることで、ランニングコストのデメリットをカバーすることもできます。

子どもがくつろげる広さや収納を考える

子どもが小さいうちは、リビングにたくさんのおもちゃを広げて遊ぶ機会が多いでしょう。そのため、おもちゃを片づけられる収納を設ける必要があります。子どもが自由に遊べない空間では、子どもにとって居心地が悪くなってしまいます。また、リビングが子どものおもちゃでちらかっていては、大人の居心地に影響します。

子どもが楽しめるスペースを考えると同時に、リビングをすっきり整理できる収納についても考えましょう。

家族のライフスタイルに合ったリビングを考える家族の人数、家族が過ごしやすいかどうか、そして家族のライフスタイルに合ったリビングの役割を果たせるかどうか。
リビングの広さを決める際、これらを考えることで、それぞれの家庭に合った最適な広さのリビングを設計できるでしょう。リビングは家族がリラックスして長い時間を過ごす場所。ゆったりとくつろげる広さのリビングについて考えてみてはいかがでしょうか。