
- 構造
- 木造軸組
- 階数
- 2階建て
- 延床面積
- 134.98㎡(40.83坪)
- 家族構成
- ご主人、奥様、お子様3人(6歳、4歳※双子)
- 施工会社
- シノザキ建築事務所株式会社
S様邸
夫婦の思いと建築士のアイデアが光る、自然素材をふんだんに使った家づくり
整然と立ち並ぶ街路樹。周辺の公園や緑地にあふれる緑。S様邸は、自然の癒しと住宅街の快適さが共存する恵まれたロケーションにあります。
お子様たちの成長に合わせ、より住みよい環境を求めて家を建てる決意をされたというS様。
外壁に貼られた無垢の板やレンガを積み上げた煙突など、緑豊かな周囲の景観と調和しながらも個性的な外観を持つS様邸は、ご夫婦の想いが細部にわたり反映されたお宅です。
今回は奥様に、家づくりへの思いについて伺いました。
この家を建てる前、3LDKの一戸建てにお住まいだったS様ご一家。
奥様のご実家の近所に築10年ほどの家を借りていました。
「長男とその下の双子は年子ですので、三つ子みたいなもので、私ひとりでは3人の子どもの世話をしながら家事をするのが大変でした。
それで実家のそばで親の手を借りて生活していたのです。
借りていた家は、キッチンとリビングが離れている間取りで、食事を作っているときには子どもたちの様子が分かりませんでした。
また、オール電化住宅でパネルヒーター暖房だったため光熱費が高く、除雪にも不便を感じていました」
やがてお子様たちが全員幼稚園に入園。子育ては少し落ち着きましたが、成長とともに家が手狭になってきました。
そこでご夫婦で新たな環境での生活について話し始めたそうです。
「家賃を払い続けるなら財産として自分たちの家を持ちたい、という想いが家を建てることにした大きな理由ですね。将来的に3人の子どもそれぞれに個室が必要だと考えていましたが、借りていた家では部屋が足りませんでしたし。もともと家に興味があり、子どもたちが生まれる前からモデルハウス巡りをして、いつかは家を建てたいと2人で話していましたので、いい機会かなと思い購入を決意しました」
S様邸のエントランスドアを開けると迎えてくれるのは、手焼き感のあるレンガの壁、クルミ材の床。
明るすぎず暗すぎず、優しい雰囲気に満ちています。
室内は、漆喰の塗り壁のところどころに板張りを施すといったように、自然素材がふんだんに使われています。
「家を建てることを決める以前から住宅展示場や見学会に出向き、20社以上のハウスメーカーや工務店さんから話を聞きました。
モデルハウスを50軒以上見学して、比較したと思います。
そうしたなかで、シノザキ建築事務所さんに出会い、イノスの家の存在を知りました。
主人は、耐震強度に優れていることや、長期優良住宅を数多く手掛けているところが気に入ったようでした。
また、主人も私も木が好きなので、木材を効果的に使った家のつくりを見てすてきだと感じました。あとは、ドアを開け閉めしたときに、カチッとスムーズに決まる感触が心地よかったですね。そうした細かいところに着目したのも、何十軒もモデルハウスを見てきたからですね(笑)」
S様邸のリビング・ダイニングには、吹き抜けと南東向きの大きな窓からやわらかな外光が差し込みます。
リビングの主役は、ご主人が熱望したという薪ストーブ。
1台で家全体の暖房がまかなえるうえ、鍋を置いて煮込み料理を作りながら内部でピザやグラタンを焼くといった同時調理もできる優れものです。
「リビングを吹き抜けにしたことで、2階にいる子どもたちの声が聞こえてきて、様子が把握できるようになりました。『3人でケンカしてるな』とか『お兄ちゃんが弟たちをいじめているな』とか(笑)。家の構造によって、家族に一体感が生まれるんだと気付きましたね。吹き抜けにすると家が暖まりにくいのでは? と心配だったのですが、住んでみるとストーブからの熱がうまく循環するのでまったく問題ありませんでした。構造上も計算されているのでしょうね。薪ストーブの取り扱いにも不安があったのですが、思ったほど大変ではなかったです。じんわり暖まり乾燥しない、先人の知恵が生んだ優れた暖房器具ですね。『こう入れたらよく燃えるかな』と楽しみながら薪をくべていますよ(笑)」
キッチンは奥様にとって1日のうちの多くを過ごす場所。
機能的なだけでなく、心地よい空間にしたいという想いや工夫が感じられます。
「雑貨や食器のお店巡りをしたり雑誌を読んだりして、家を建てたらこうしたい、というイメージは持っていました。キッチンはごちゃごちゃしがちなので、できるだけ隠したいところですが、無機質すぎては長時間いるのが辛くなる。そこで、『隠す』と『見せる』のメリハリを意識しました。飾り棚を備え付け、お気に入りの作家さんの食器などは『見せる』ようにしています。見せる部分を贅沢にとったので、ほかの部分には可能な限り収納機能を設けてもらいました。」
「壁にはマットな風合いでありながら汚れを拭き取りやすい素材を希望しました。
コーディネーターさんに何種類もサンプルを提案していただき、いろいろな照明の下で見て、ようやく気に入ったものに出会えたんですよ」
「私たちの要望もありますが、機能とオシャレを両立した住み心地のいい家を建てられたのは、シノザキ建築事務所さんから良い提案をたくさん出していただいたおかげです」と奥様。
子ども部屋にチョークでお絵かきができる壁紙を備えたり、木材の飾り梁を取り付けたりと、S様邸の随所にご夫婦や建築士のアイデアが見られます。
「私がこだわったのは洗面台。光沢があってツルツルした『いかにも』という素材は避けたかったので、木の雰囲気のある素材を提案していただきました。シンク横には、1人が顔を洗っているときにもう1人が隣でドライヤーをかける、という具合に2人同時に使えるような余裕を持たせました。主人の意見で、脱衣所の床はバンブー風に。私は髪の毛などが挟まりそうで心配でしたが、掃除していて問題はありませんね。素足での踏み心地が気持ち良くて気に入っています。
主人のお気に入りは、2階主寝室の窓からの眺め。遠くの山並みがとてもきれいなんです。土地を購入したときから『この方角の眺めは絶対いい!』と主人が確信していて、建設途中に2階に上がらせてもらい確認したほど。見込み通りで大満足です」
S様は、家を建てる決断をしてからおよそ3カ月をかけて依頼する建築事務所を決定。
その後、漠然としたイメージを思い付くままに建築士に伝えることからスタートし、ほぼ毎週末、約7カ月間にわたって打ち合わせを重ねたそうです。
そのプロセスは迷い、悩みの連続でしたが、とても楽しいものだったといいます。
「主人と『結婚式の準備をしていたときを思い出すね』と話していました。あのときも2人で、ああしたい、こうしたいとよく話をして考えましたから。真剣に家づくりに取り組むと、夫婦の絆が深まるのかもしれませんね(笑)」
完成してからもご主人自ら薪割りをしたり、DIYでウッドデッキを作ったりと、家づくりを楽しまれています。
そんなS様に、納得のいく家を建てるためのアドバイスをうかがいました。
「注文住宅を建てるなら、できるだけ勉強をして積極的に家づくりに参加すべきだと思います。そして、自分たちの想いに応えてくれる住宅建築会社さんに巡り会えるよう、足を使って情報を集める。そうすれば、きっと家づくり自体が楽しめて、そして良い家ができると思います。」