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着工・竣工時期はいつごろがいいの?理想的な家づくりのスケジュールとは

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家づくりには設計だけでなく工事が伴うため、契約したからといってすぐに住めるものではありません。
契約してから一定の工事期間を経て、入居の日を迎えます。
家族それぞれのライフイベントもありますし、時間がかかるからこそ入居時期は慎重に計画しておきたいですね。
では、理想的な着工・竣工の時期は何を基準に判断すればいいのでしょうか。
今回は、着工・竣工時期を考えるうえで押さえておくべきポイントをお伝えします。

着工から竣工までどのくらいかかるの?

家づくりは着工から竣工までに、通常はおよそ4~5ヵ月程度かかります。
木造住宅の場合、柱や梁などを組み立て、屋根の一番上の部材である棟木を取り付ける上棟と呼ばれる工程まで、着工からおよそ1ヵ月程度かかります。
上棟のあとは約2ヵ月の大工工事、約1ヵ月の内装工事をし、補修を行ったあとで竣工となります。

一般的には希望の入居時期に合わせて竣工時期を決めますが、希望の入居時期から逆算すると工事の工程上、季節的に着工を避けた方がいい時期に当たる場合もあります。

季節で判断するベストな着工時期とは?

季節的なことを考えて家を建てるなら、10・11月に着工し1・2月に竣工する、もしくは4・5月に着工し8・9月に竣工するのが理想的だとされています。
なぜなら、季節によって気象条件の影響を受けることも考慮しなければならず、各工程で避けたほうがいいとされる時期があるからです。

気象条件による建物への影響

冬場に基礎のコンクリート打ちをすると、凍害が起こるケースもありますし、所定のコンクリート強度が得られない場合もあります。
また、夏場の基礎コンクリート打ちでは、クラックと呼ばれるひび割れが起こるおそれもあり、強度低下の原因になってしまうことも。

ほかにも、梅雨や台風の時期には木材への影響も心配です。
上棟時は木材が露出している状態のため、雨水の浸入を防ぐ工事・雨仕舞いが終わる前に梅雨や台風の時期を迎えるのは避けたいところ。
これは、木材に雨が直接かかってしまうと、稀ですが強度の低下やシミの原因になることもあるからです。

気象条件が建物に影響しないよう、希望の入居時期だけでなく、季節的なことも考慮して着工・竣工スケジュールを組むようにしましょう。
併せて、細かいことに対応してくれる工務店を選ぶということも重要です。

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子どもの学校で判断するベストな竣工時期とは?

理想的な着工時期は、季節要因に限ったことではありません。
子どもの学校のことも、入居時期に大きく影響するため、あらかじめ意識しておきたいところです。

家を建てる場所によっては、今の住まいから学区が変わってしまうこともあります。
子どもの転校を伴う場合は、学年のはじめに転校のタイミングを合わせてあげたいもの。
三学期の終了直後に引っ越しするためには、2月末に竣工を迎えられるようなスケジュールが理想的です。
入居時期から逆算すると、10月に着工するスケジュールがベストでしょう。

また、二学期から転校する場合は、8月末に竣工を迎えるスケジュールが理想的。
2月から3月はじめごろに契約し着工できれば、二学期からの転校に合わせた工事のスケジュールが組みやすくなることでしょう。

妊娠中や乳幼児の育児中の時期を考えるなら

妊娠中に竣工のタイミングを迎えてしまうと、同時に引っ越しの段取りを進める必要があります。
重い荷物を運ぶことによる体への負担や体調が急変するリスクも考慮しなければなりません。
また、においに敏感な妊娠中は、工事中の接着剤や塗料のにおいも苦痛に感じるかもしれません。
ママの体のことを配慮したうえで、スケジュールは計画的に立てることをおすすめします。

産後に引っ越しする場合は、乳児を連れて生活環境を変えることになります。
憧れのマイホームに住めるとはいえ、これまでの暮らしと大きく変わる部分もあるため、入居時期が家族にとって最適なタイミングかどうかは慎重に判断したいところです。

妊娠中のママには打ち合わせへの配慮も必要

着工してしまえば、施工会社に任せっきりで竣工を迎えられるわけではありません。
妊娠中に住宅メーカーと打ち合わせをしなければならないこともあるでしょう。そんなときはパパが主体で打ち合わせを行うといった配慮も必要です。

例えば、ママが参加する打ち合わせはインテリアやキッチンなど、自らのこだわりを伝えるものだけに絞るのはいかがでしょうか。
無理のないように家づくりを進めることが、母体に配慮した家づくりの進め方だといえるでしょう。

設計時期や税金のタイミングにも注目する

季節的な影響は工事だけのように感じますが、実は設計時期にも関係します。
例えば、暑さが気になる夏場に設計すると、どうしても暑さ対策に重点を置いてしまいがち。
一方、寒い冬に設計すると、暖房のことに意識が集中してしまいます。

どのような設計をすれば四季を通じて住み心地の良さを感じられる家づくりができるのか、間取りのシミュレーションを入念に行ったうえで、最適な設計を心掛けるようにしましょう。

また、固定資産税や減税のタイミングも、竣工時期を考えるうえで重要なポイントになります。
例えば、建物の完成時期と固定資産税の納税には見逃せない関係があります。

たった2日の違いで課税のタイミングが大きく異なることも

固定資産税は1月1日時点での建物の所有者に対して課税されます。
そのため、年末の12月31日に建物が完成する場合と年始後の1月2日に建物が完成する場合とでは、固定資産税が課税される時期が大きく異なります。

年末に建物が完成すると、年始1月1日から固定資産税の課税がスタートしますが、1月2日に建物が完成すると、翌年の1月1日からが課税が始まります。
たった2日の違いで固定資産税に1年分の違いが出てしまうので、特別な事情がない限りは1月2日以降の完成スケジュールを組む方がお得な家づくりだといえるでしょう。

ただし、土地に対する固定資産税の考え方は建物の場合と異なる点や、固定資産税の取り扱いが市区町村によって異なるケースもあるため、事前の確認は不可欠です。

時期によって利用できる制度が異なる場合も

マイホームを購入する場合、減税・優遇制度を利用できるケースもありますが、時期によって実施される内容が異なります。
申告することで減税が受けられる住宅ローン減税の制度や、条件に応じて金利が引き下げられる住宅ローンの商品などは、実施される内容や時期が変更になるケースがあります。

優遇制度が終了してしまうこともありますので、お得にマイホームを購入するためには、制度の実施時期のチェックは欠かせません。
メリットを受けられる時期に合わせて家づくりを進めるのも効率的な方法だといえるでしょう。

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建物やお金のことを考えて最適な着工・竣工時期を考える

季節的な工事への影響は、住むエリアや施工会社の配慮によっても異なります。
雪の多いエリアなら基礎工事が長引くこともありますし、梅雨の時期でも早めに屋根をつけてもらえれば雨を防ぐこともできるでしょう。
また、施工会社の休みが増えるお盆やお正月は工事がストップするといったように、時期によって注意したいポイントがあります。
さまざまな条件を考慮したうえで理想の工事スケジュールを立て、希望の入居時期に合わせた家づくりのスケジュールを検討してみましょう。

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