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住宅ローンの保証人、必要性や役割とは

630 1802-01C_10131026105.jpg「住宅ローンを借りるとき、保証人って必要なの?」と気になる人もいるでしょう。
近年、住宅ローンを組む際の保証は、保証会社と契約するのが主流です。
しかし、ケースによっては保証人が要ることもあります。
保証人が必要になるのは、どんなときなのでしょうか。また、保証人の役割や責任についても気になるところですね。今回は、住宅ローンの保証人について詳しく解説します。

住宅ローンの保証人とは 

住宅ローンは「借金」であるため、保証人が必要だと思っている人も多いのではないでしょうか。
確かに、保証人が必要な場合もありますが、それは特定のケースのみです。


通常は、金融機関が指定した保証会社の保障を受ければこと足りるでしょう。
保証会社は返済が苦しくなったとき、住宅ローン契約者に変わって金融機関へ一括返済を行います。
その場合、住宅ローンが無くなるわけではなく、今度は保証会社へ返済義務が発生します。

保証料の支払い方法は

保証会社へ支払う保証料は借入額や返済期間によって変わり、返済期間が長いほど高いです。
支払い方法は当初に全額を支払う「一括前払い型」と、0.2%程度が住宅ローン金利に上乗せされる「金利上乗せ型」などがあり、金融機関やローン商品ごとに異なります

近年は保証料が無料の金融機関も増えていますが、その分事務手数料が高いことも。
保証料を抑えたいときは、事務手数料もあわせて確認しましょう。

住宅ローンで保証人が必要なケース

保証会社の保証だけでなく、保証人も必要になる場合として多いのは、夫婦間で連帯保証人となるケースです。
共働きでよくある「収入合算」では、収入合算者が連帯保証人となることを条件としていることがあります。
夫婦でそれぞれローンを組む「ペアローン」でも、夫婦間で互いに連帯保証人となるよう求められることが多いです。

なお、ペアローンは夫婦間だけでなく親子で利用することもあります。
その場合なら親子間で互いに連帯保証人となります。
他にも、以下のような条件で保証人が必要になるケースが多いです。

◎団体信用生命保険に加入しない

◎土地が親名義

◎土地が共有名義

◎審査で返済が厳しいと判断された

土地の名義人が住宅ローン契約者でない場合や、共有である場合は、名義人や共有者が連帯保証人になります。
その他の場合は、親や子どもなど近親者が連帯保証人になるでしょう。
該当することが事前に分かっているならば、あらかじめ話を通しておくとスムーズですね。

連帯保証人の責任は

連帯保証人になると住宅ローン契約者と連帯して返済の責任を負いますが、責任の重さは住宅ローン契約者と同等です。
借入額を分担しそれぞれローンを組むペアローンの場合でも、責任は借入全額に及ぶことになりますね。
連帯保証人は返済に対する責任が重いですが、ローン契約者本人ではありません。
そのため、住宅ローン控除は受けられないので注意が必要です。

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連帯債務とは?

住宅ローン契約時には、連帯債務を求められることもあります。
連帯債務とは、債務の返済義務について、複数の債務者が独立して責任を負うものです。

連帯保証人は主たる債務者(住宅ローン契約者)の「債務を保証する者」ですが、連帯債務者は主たる債務者と連名で1件の住宅ローンを契約するため、一緒に「返済義務を負う者」となります。
返済の責任を負う点は連帯保証人と同じですが、内容が若干異なりますね。

保証会社の保証にプラスして連帯保証人や連帯債務が必要である場合、どちらを求められるかは金融機関次第です。傾向として、民間金融機関では連帯保証人制度を取り扱うことが多く、住宅金融支援機構のフラット35では収入合算や夫婦連生団信を利用する場合に連帯債務者となることが求められます。

連帯債務の場合、連名で住宅ローン契約をするため、ローンが1本でも2人で住宅ローン控除を受けることができます。
名称や責任の重さは似通っていますが、若干の差異があるので注意しましょう。

連帯保証人の注意点

民間金融機関で取り扱われることが多い連帯保証人ですが、利用時には団体信用生命保険の取り扱いについてご注意を。
団体信用生命保険に加入できるのはローン契約者であり、連帯保証人は加入することができないのです。
特約で連帯保証人にまで保障を拡大できるケースもありますが漫然と契約した場合はローン契約者のみが加入対象となります。

連帯保証人と団体信用生命保険

収入合算を行い、夫婦共働きの返済が前提にもかかわらず、ローン契約者が夫のみであるケースで考えてみましょう。
夫に万が一のことがあれば団体信用生命保険が適用され住宅ローンの残高はゼロになりますが、妻に万が一のことがあっても住宅ローンはそのまま残ってしまいます。
返済が苦しくならないよう、妻は生命保険に加入することを検討してみてはどうでしょう。

ペアローンの場合は各契約者が団体信用生命保険に加入することができますが、対象は各々の借り入れ分のみです。特に子どもがいる夫婦の場合、配偶者が亡くなったことで勤務時間に制限が出たり、ベビーシッターを利用しなければならなくなったりすることもあります。
自分の住宅ローン返済が滞らないように注意したいところです。 

一緒に返済していくのであれば、連帯保証人に万が一のことがあった場合の保障も考えておかなければなりませんね。

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連帯保証人も保証会社も不要なケースは

保証会社と契約をしてもなお、連帯保証人や連帯債務が必要な場合を見てきました。
逆にいうと、ローン契約者と土地建物の名義が1人で収入合算も審査も問題ない......
このような場合は「保証会社の保証」のみで足り、保証人は不要と考えていいでしょう。

なかには、保証会社との契約を前提としない貸し出しを行っている金融機関もあります。
審査や状況に問題がなければ保証会社との契約だけでなく、保証人も不要になります。

とはいえ、こういった住宅ローンを取り扱う金融機関は少ないです。
仮に取り扱いがある場合、その多くがフラット35が対象となります。
フラット35の住宅ローンは「住宅ローン債権」として住宅金融支援機構が買い取るため、金融機関は返済リスクを負わないからです。
興味のある人は探してみてはいかがでしょうか。

保証人の有無は住宅ローンの借り方次第

近年、保証会社が保証を担うことが多く、近親者の保証人が必要かどうかは借りる側の事情によるところが大きいです。
連帯保証人や連帯債務者になることを求められることもありますが、その際に返済責任が大きくなる点は知っておきたいですね。

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