視線の抜けを意識した設計の工夫でかなえた開放感あふれる住まい～Ｉ様邸～
◎施主様基本情報
構造： 木造軸組
階数： 2階建て
敷地面積： 340.11㎡
延床面積： 149.87㎡
家族構成： ご主人、奥様
建築地： 大阪府堺市
◎施工会社
株式会社セイコー住研
https://seiko-jyuken.co.jp
重厚感ある石のオブジェに出迎えられ、天然石が敷き詰められたアプローチを進んだ先に現れるＩ様邸。
「庭で家庭菜園を楽しみたい」という奥様の夢をかなえるべく、一戸建ての建築を決断。
視線の抜けを意識した開放感あふれる空間や、自然素材を巧みに採り入れた和モダンのデザインなど、憧れを形にしたご主人に話をうかがいました。
住宅メーカーの安心と、地元建設会社の身近さがひとつになった「イノスの家」に納得
以前はアパートに住んでいたＩ様ご一家。
「賃貸は家賃を払うばかりでもったいないので、自分たちの住まいをもちたいと考えました。分譲マンションの選択肢もありましたが、妻に一戸建ての庭で家庭菜園をしたいという強い憧れがあったので、土地購入からの家づくりをスタートさせました」
早速、住宅展示場を訪れてさまざまな会社の住まいを見学。
イメージに近い会社があったので具体的に話を進めていたそうですが、一緒に任せていた土地探しが難航。
計画が行き詰ってしまったそうです。
「そんな時、父が紹介してくれたのがセイコー住研さん。イノスの家を手掛けていると聞いていたので、まずはホームページで情報収集。住友林業と地域の建設会社がパートナーシップを結んだ家づくりネットワークで、住宅メーカーの安心と、地元建設会社の身近さがひとつになった家づくりができる点に魅力を感じました。実際にセイコー住研さんで話をしてすぐ後、希望より駅からの距離はあったものの、広い土地を紹介してくださって。これならたっぷり庭を確保できるし、価格の面でも納得できました。そして何より良かったのは、セイコー住研さんは、『あれはだめ、これはできない』ではなく、できるだけ要望をかなえようとしてくれて。無理な希望を言ってもそれを受け止めて、実現可能な新しい提案をしてくれたことが依頼の決め手となりました」
ふたつの吹き抜けやスケルトン階段、透明のドアなど、視線を遠くまで通して開放感を強調
玄関を入るとそこは２階までの大きな吹き抜けが広がる伸びやかな空間。
天井にはトップライト、正面にはスケルトン階段が配され、いっそうの広がりが感じられます。
広い家への思いは、特にご主人が強くお持ちだったそうです。
「実家は戸建てでしたが狭かったですし、大学時代、結婚後は狭いアパート暮らし。広々とした開放感のある家に住みたいとずっと思っていました。玄関の吹き抜けは当初ひとつでしたが、テラス側にもうひとつ増やし、階段をスケルトンデザインにして、より広く感じられるようになりました。玄関で用をすませて帰られるお客様も多いので、居室だけでなく玄関も広々とさせたいという希望どおりになりました。トップライトがあるので日中は照明がいらないほど明るいですし、天井の高さも表現できていいですね」
リビングは勾配天井とし、ホールに続くドアを透明にすることで、こちらも開放感を演出。キッチンは対面式のオープンスタイル。
ダイニング側に簡単な食事ができるカウンターを設けています。
「リビングドアが透明なので、リビングから玄関ホール～和室を抜け、地窓ごしに外の坪庭まで視線が通るようになっています。外に向かって部屋の窓を大きくするだけでなく、こうして室内の視線の抜けを意識したり、吹き抜けや勾配天井を設けたりすることで開放感が生まれています。オープンキッチンは当初、『広がりは感じるけれど、常にきれいにしておくのは大変だから』と妻に反対されたのですが、システムキッチンのショールームに行って方向転換。開放感があって空間もきれいに見えると実感したので、オープンスタイルを採用しました。アパートでは狭くてできなかった、私が釣ってきた魚をさばいて、妻が隣で調理をしたり、友人たちと料理を楽しんだりもできるようになりました。カウンターで食事をしたあとは、歩くことなく食器をキッチン側に食器などを渡せばいいだけなので片付けもラクです」
多目的に使えるユーティリティや回遊動線など、
共働きで忙しい毎日をサポートする工夫も随所に
共働きで忙しい毎日を送るＩ様ご夫妻。
１階・２階とも階段を中心にフロアを回遊できる動線を確保したほか、カウンターを造作したユーティリティ、機能的な収納など、家事効率を高める工夫もふんだんになされています。
「ユーティリティのカウンターは広めにつくっているので、パソコンを開いて仕事をしたり、アイロンがけをしたりととても便利。仕事モードの時などは、ダイニングでは作業がしづらいですが、ここなら集中できるので夫婦ともに活用しています。洗濯物が干せるようになっているので、洗濯～干す～畳む～アイロンがけがひとつの場所でできます。洋服も掛けられるので、脱いだ上着などをソファに置き放しにすることなく、ＬＤをキレイに保つこともできます」
２階主寝室から続くウォークイン・クローゼットにもひと工夫。主寝室側と廊下側の２方向から出入りできるようにしています。
「当初は壁でしたが、途中で廊下側にも出られるように扉にしてもらいました。寝室からトイレに行く時などは短い距離で移動できてとても便利です」
壁一面に鏡を貼ったヨガ室も実現。
ヨガや野球など、趣味を楽しむ時間も大切に
趣味を楽しむための空間にもご夫妻のこだわりが感じられます。
そのひとつが２階のヨガ室。
勾配天井の吹き抜けに現しの梁、壁一面に大きな鏡が貼られた開放感あふれる空間です。
「妻はヨガが趣味。インストラクターの免許も持っていて、これからも上のランクを目指していきたいし、将来は友人を招いて楽しむこともしたいので、ヨガ室をつくりたいという希望を実現しました。ヨガは寝て天井を見ることも多いので、勾配天井にして梁を見せ、さらにアッパーライトもつけて伸びやかな空間にしました。私は草野球チームでプレーするなど野球が趣味なので、素振りやピッチングフォームの確認をするなどして活用しています」
ウォルナット無垢の床や天然石のタタキ、竹の天井。
自然素材を活かし、落ち着きのある和モダンデザインを実現
住宅展示場をまわっている時から、ご夫妻の感覚にぴたりと合ったのが和モダンのデザインだったそう。
設計では洋風のなかに和のテイストをさりげなく採り入れています。
「例えば外観は、壁の一部や軒部分を木目調にして和モダンに。外構もアプローチに玄関タタキと同じ天然石を使ったり、玄武岩の石柱をオブジェのように配したり。帰宅してわが家を見ると『あ、きれいだな』とウキウキした気分になります。室内もＬＤＫの床にウォルナット無垢材、和室の天井に九州産の竹、玄関のタタキやアプローチには天然石など、自然素材を採り入れることで、開放感があるなかにも和の落ち着いた感じが出て気に入っています。ほかにも、和室の畳を囲むように配したウォルナット無垢材は、独特の凹凸感が魅力の「なぐり床」仕上げ、狐格子の建具を造作、天井は黒い色の竹に。『仕上げや素材も普通のものじゃつまらない』という思いを、セイコー住研さんと一緒に相談しながら形にすることができました」
入念な下調べと、セイコー住研の親身な対応。帰るのが楽しみな素敵な家が完成
「住み心地は、冬は暖かく、夏も快適。開放的なＬＤＫも冬は暖かく、アパート暮らしで活用していたコタツを出すことももうありません。リビングのエアコンをつけてドアを開けていれば、和室もエアコンなしで快適に過ごせています。環境にも家計にもやさしいゼロエネルギー仕様を採用したことで、光熱費も大幅に抑えられています。アパート時代は家賃と光熱費で大きなお金を払っていたことを思うと、ゼロエネルギー仕様のわが家を建ててよかったですね」
もちろん、いちばんのこだわりだった広がり感も満喫されているそう。
「毎日暮らしていると開放感には慣れてしまうのですが（笑）、やはり伸びやかな家はいいですね。友人たちが遊びにきて『広いな～』と言ってくれると、『広々とした空間づくりにこだわってよかった』と改めて感じています」
「帰ることがうれしくなる、いい住まいを建ててもらいました」と語るＩ様。
納得の家づくりの背景には、ご夫妻の入念な下調べと、セイコー住研の細やかな対応があったといいます。
「自分の家なので、本やインターネットで下調べをしたり、住宅展示場で実物を見たりして、つくりたいイメージをできるだけはっきりさせてから打ち合わせに臨んだことがよかったと思います。例えばネットで『カッコいい和室』と検索して、出てきた写真のどこがいいのかを考えてみるということもしました。要望案としては拙いものですが、事前準備を重ねたことが納得のいく家づくりにつながったと思います。セイコー住研さんはみなさんが親切で、無茶なお願いも受け止めてくれて。要望をできないならなぜ無理なのかを丁寧に説明してくれたり、淡いイメージを伝えただけなのにそれを具体的な形にしてくれたり。家づくりの過程はとても楽しく、セイコー住研さんには感謝しかありません」
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