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  • 初めての戸建て住宅購入

2019.10.15

建設会社が倒産!?まさかのときにマイホームを守る住宅完成保証制度

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家族のこだわりや希望が詰まった注文住宅。完成が待ち遠しいですね。しかし、建設中に万が一建設会社や工務店が倒産してしまったら家はどうなるのでしょうか? そんなときに頼れるのが、「住宅完成保証制度」です。
今回は、建設会社の倒産リスクに備える「住宅完成保証制度」について詳しく見ていきます。

建設会社が倒産すると、家づくりはストップ!?

信頼して工事を任せた建設会社や工務店がもしも倒産してしまったら大変です。倒産して破産処理をすると、事業は停止し、原則として建設はストップしてしまいます。そのような状況で仮に、前払い金に「過払い金」があった場合、それを取り戻すには難しい交渉をする必要があり、戻ってこないケースも考えられます。

なお、過払い金とはこれまでに建設が済んだ部分にかかった費用よりも多く支払ったお金のことです。例えば、3,000万円の工事が3分の1終わったところなら、実際にかかった費用は1,000万円。それにもかかわらず、すでに支払った金額の合計が1,500万円であれば、1,500万円-1,000万円=500万円が過払い金となります。

建設中の住宅の所有権は建設会社にあるケースが多い点も注意したいところです。破産した会社には債権者が複数いることが普通で、施主は複数いる債権者のひとりにすぎません。破産した会社の債務整理が済まなければ、ほかの建築会社に工事を依頼するのも難しくなります。

仮に債務整理がついて工事を引き継ぐ会社が見つかっても、それで問題が解決するわけではありません。工事を引き継いだ建設会社は最初から工事状況を把握し直さなければならず、その時間が必要になります。また、それまで建設に関わっていた関連業者も撤収してしまっている場合が多く、新たに足場を組んだり建設機械の再リース契約を結んだりなどすることになると、その費用は施主が負担することになります。

倒産リスクに備える住宅完成保証制度

建設会社の倒産リスクを避けるためにあるのが「住宅完成保証制度」です。施主ではなく建設会社が加入するもので、国土交通省の指定を受けた保険法人が運営する保険です。この保険に加入していれば、建設会社が倒産したときにも工事のストップや、工事の引き継ぎによる追加費用の負担リスクを避けることができます。

住宅完成保証制度の概要
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では、住宅完成保証制度とはどのようなものでしょうか。代表的な保険法人のひとつ「株式会社住宅あんしん保証」の商品を例にご紹介します。

この商品では、保証の対象は「一戸建て低層注文住宅」や「住宅部分が延床面積の2分の1以上ある店舗併用住宅」などで、原則として請負金額が3,600万円までの住宅としています。一戸建て低層注文住宅というのが、いわゆる一般的な一戸建て住宅のことです。

保証内容は次の通りです。

  1. 破産した建設会社に支払った「過払い金」の保証

前出の、建設が済んだ部分にかかった費用よりも多く支払ったお金「過払い金」の保証です。ただし、限度額は請負金額の30%または1,100万円のうち、いずれか低い方となっていますので、先ほどの例で言うと、3,000万円×30%=900万円となるため、低い方の900万円が限度額になります。
したがって先ほどの過払い金500万円は全額保証されることになります。

2.別の建設会社が工事を引き継いだことにより発生した追加費用の保証

引き継いだ建設会社が新たに足場を組んだり建設機械の再リース契約などを結んだりすることになり、新たに100万円で請負契約を結んだとしましょう。補償の限度額は、請負金額の10%または200万円のいずれか高い方と決められていますので、100万円×10%=10万円で、高い方の200万円が限度額となります。
したがって追加費用100万円全額が保証されることになります。

ただし1と2の合計保証額の限度額は、過払い金+追加費用の30%または1,100万円のうち、いずれか低い方と決められています。この場合は(3,000万円+100万円)×30%=930万円で、低い方の930万円が限度額です。500万円+100万円=600万円と、930万円より低いので、600万円全額が保証されることになります。

3.工事を引き継いでくれる建設会社の紹介

建設中の住宅の所有権は建設会社にあるケースが多いと説明しましたが、この保険に加入していると万一の場合は所有権が「株式会社住宅あんしん保証」に移ります。したがってスムーズに引き継いでくれる建設会社に依頼することができます。希望をすれば、建設会社の紹介もしてもらえます。

住宅完成保証制度の利用方法

加入手続きは建設会社が行ってくれますが、「住宅完成保証証書」が発行されて初めて有効になります。住宅建設時は見積書や図面などさまざまな書類が手元に届くため、保証書を受け取ったら、それらに紛れないようきちんと保管しておきましょう。なお保険料は、前出の株式会社住宅あんしん保証の商品の場合は1棟当たり10万円(消費税非課税)ですが、当然保険会社や商品によって異なります。

通常、保険料は建設会社が負担しますが、別途請求されるケースもあるようです。建設会社が負担する場合も最終的には工事価格に反映されていると考えるのが自然ですので、このあたりはあまり神経質になる必要はないでしょう。

住宅完成保証制度を提供する保険法人はほかにもさまざまにあります。仕組みはおおむね同じですが、保証内容は保険会社や商品によって異なってきます。何かあった場合に保証してもらうのは施主自身ですので、建設会社任せにせずに、保証内容はしっかりと確認しておきましょう。

建設会社が住宅完成保証制度に入っていない場合は?
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住宅完成保証制度への加入に法的な義務はないため、加入していない建設会社も当然あります。建設の依頼を検討している建設会社が住宅完成保証制度に加入しているかどうかは、ホームページで確認するか、直接聞くようにしましょう。
あるいは、住宅完成保証制度を扱う保険会社のホームページでも確認することができます。

検討している建設会社が加入していないようなら、加入を依頼することもできます。その場合、別途保険料を請求される可能性はありますが、先ほど説明した通り保険料の負担の有無はそれほど問題ではないでしょう。

加入の判断は建設会社が最終的に行います。加入してくれるにしろしてくれないにしろ、そのときの対応や説明の仕方は、建設を依頼するかどうかの良い判断材料にもなるでしょう。

経営の危ない建設会社を見分ける方法

いくら倒産に備えた住宅完成保証制度に加入したとしても、やはり倒産をせずに建物を完成させてもらうのが一番です。しかし残念ながら、会社の資金繰りや経営状況を素人が外から判断するのは困難でしょう。

ただし、資金繰りの安定している会社は必要以上に多くの前払い金を請求してこないと考えることはできます。前払い金や中間支払い金のタイミング、回数は建設会社ごとに異なりますが、契約時の手付け金は請負金額の10%、着工金は30%、中間金は30%、完成時に支払う残金が残り30%としているケースが多く、それに比べてかけ離れているようなら、理由を確認した方がいいでしょう。

また、そもそも住宅完成保証制度に建設会社が加入するには一定の審査があります。加入しているかどうかをひとつの安全基準と考えることもできます。

大きな買い物だからこそ、もしもに備えておきたい

建設会社の規模が大きく、担当者も信頼できる人だからといっても、100%の安心はありません。取引先の倒産による代金の回収不能といったことで一気に資金繰りが悪化してしまう、大規模な経済危機や想定外の災害などにより一気に経営が危なくなってしまうといった可能性はゼロではないからです。そんなリスクに備える「住宅完成保証制度」、ぜひ活用しましょう。

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