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間取り・デザイン

子ども部屋を仕切る方法3パターン、費用の目安は?

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子育て世帯や、いずれ子どもが欲しいと考えている夫婦が家を新築する場合、「子ども部屋」をどうするかは大きな関心事でしょう。近年、最初から完全個室にするのではなく、ライフサイクルに応じて2部屋に仕切る方法を選択する家庭も増えています。
そこで、今回は子ども部屋を仕切るのにはどんなメリットがあり、どのような仕切り方や注意点があるのかをご紹介します。

子ども部屋を仕切るメリットはさまざま!

「子ども部屋」といえば、子どもの人数分の部屋を用意するのが従来の考え方でした。しかし、日本では子どもが小さいうちは昼間はリビングで遊び、夜は家族で一緒に寝るスタイルの家庭が多く、せっかく用意した子ども部屋がまったく使われなかったり、ただの物置となっていたりするケースも少なくありません。

また、将来子どもが増えたときに対応できなかったり子どもが独立したあとに使わない部屋ができたりと、フレキシブルな対応が難しい点もありました。さらに、子どもが多ければ広い家が必要になり、予算的に対応が難しくなる場合があります。

そういったことから、現在では1つの部屋を用意し、子どもの人数や状況に合わせて部屋を仕切る方法を選択する家庭が増えています。

この方法だと、子どもたちが小さいうちは、おもちゃを広げて目いっぱい遊べるプレイルームとして活用し、少し大きくなれば、きょうだいが並んで勉強するのをパパやママがそばで見守ることのできるスタディルームとして使うなど、柔軟な利用の仕方ができるのです。

さらに、「うれしい誤算で、もう1人恵まれた」「思いがけず、双子を授かった」など想定していなかった家族構成の変化にも対応できるメリットがあります。

将来子どもたちが独立したあとはゲストルームとして利用したり、子どもたちが新しい家族を連れて帰省するときの部屋として利用したりと、長年にわたって有効に使うことができます。

子ども部屋の仕切り方、主な3パターンを紹介!
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個室が必要になるのは子どもがひとりになれる空間を欲しがる時期で、個人差がありますが一般的には小学校高学年から中学入学のころが多いようです。では、仕切る方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

2人きょうだいの場合を想定し、1部屋を2つに仕切る方法を3パターンご紹介します。

パターン1 部屋を完全に仕切る

部屋を区切る壁を新たに設置し、完全に独立した子ども部屋を2つ作る方法です。防音性・遮光性が高くプライバシーが確保できるのが最大のメリットです。年齢による生活リズムの違いがあっても、お互いに影響を及ぼしません。

ただし、もともと1つの部屋を完全に2つに分けるため、部屋が狭く感じるのは避けられないでしょう。窓の位置や方角によっては採光が悪くなる可能性もあります。

部屋の造りによっては対応が難しいケースが考えられますので、新築の段階で施工会社に将来壁で仕切りたい旨を伝えておくのが理想です。

ケースバイケースで費用は異なり一概には言えませんが、10~20万円程度はかかるでしょう。また、壁を設置するのには工事が必要ですので、数日から数週間程度の日数を要します。また、子どもが独立したあとに1部屋に戻す場合は、壁を取り払う工事が必要になり、再度まとまった費用が発生することも考慮しておきましょう。

パターン2 簡易的な仕切りを利用する

仲のいいきょうだいなら、アコーディオンカーテンやロールスクリーンなどで簡易的に仕切る方法もいいでしょう。カーテンやロールスクリーンは開閉が可能ですので、普段は部屋を共有し、勉強に集中したいときやひとりになりたいときにだけ仕切ることも可能です。

想定外に子どもが増えたケースのように、もともと子ども部屋を仕切る予定でなかった場合でも対応しやすい利点があります。

独立性を高めたい場合は次のような点に注意します。

  • 天井から直接カーテンやロールスクリーンを引く。また、床までぴったり届く長さにする。
  • 遮光性の高い素材を選ぶ。

ただし、「窓が小さく採光が乏しい」「空調が1つしか設置できない」といったケースでは、逆に、次のような工夫が必要です。

  • 天井側に少し隙間を設けてカーテンをつり下げ、空気を通す。
  • 採光性の高い透ける素材や、空気が流れる網目素材などを使用する。

カーテンやロールスクリーンはデザインが豊富なため、子どもたちの好みの雰囲気でまとめることができるのもメリットです。デメリットとしては遮音性の低さがあり、就寝時や音楽を聴くときなどは相手への配慮が必要になります。また、どうしてもプライベート性に限界があるため、異性のきょうだいである場合や、子どもたちの性格によっては向かない場合があります。

費用は、プロに頼む場合は工賃を含めて15~20万円程度が一応の目安となります。ただし、素材やサイズにもよるので、実際に購入する際は確認が必要です。自身で設置するなら実費だけで済みますが、隙間の有無で部屋の居心地がかなり変わるので、予算が許すのならプロに頼んだ方が安心です。

パターン3 家具やベッドで仕切る

背の高い棚や勉強机などを、それぞれ背中合わせにして設置して仕切る方法もあります。また、二段ベッドを中央に置き、相手の部屋側にカーテンを取り付けるのも有効です。

家具の移動だけで済む手軽さが最大のメリットで、1部屋に戻すときも簡単です。また、今ある家具で対応できるケースでは費用はかかりませんし、新たに家具を用意する場合でも実費だけで済みます。反面、プライバシー性には欠けるため、同性のきょうだいや、生活パターンの近いきょうだいなどに限られます。

また、棚や勉強机は厚みがあるため、中央にうまく設置できないケースもあります。スペースが狭いときは、次のような工夫で部屋を仕切るのもいいでしょう。

  • 両側から使用できるスチールタイプの棚のようなものを利用する。
  • ある程度共有スペースを残し、狭さや圧迫感を軽減する。

なお、新たにドアや収納を追加する、コンセントの増設やエアコンを設置するなど別の工事が必要になれば、その費用も発生します。

3パターンとも費用はあくまでも目安ですので、実際の工事の際は必ず確認するようにしてください。

あらかじめ子ども部屋を仕切ることを想定している場合の注意点
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建設時から子ども部屋を仕切ることを想定しているなら、いくつか注意しておきたい点があります。

将来的にどこで部屋を分割するかを考え、コンセントや照明、窓、ドアを設計しておきましょう。余計な工事が増えて費用が発生するといった事態を避けることができます。

また、実際に仕切ると、予想以上に狭く感じる場合があります。仕切ったあとのスペースを考慮して、学習机やその他の家具などのサイズやデザインを考えておくと、あとあと困りません。

仕切りを利用して、使いやすい子ども部屋を手に入れよう

建設時には実感が湧かなくても、ライフステージにより家族構成は変化していきます。家族構成の変化に伴い、使いやすい間取りも変わってきます。最初から完全個室を用意するのではなく、仕切ることを前提にした子ども部屋なら、状況に応じて部屋をフレキシブルに活用できておすすめです。家庭の状況や教育方針、予算などに合わせて、家族全員が満足のいく子ども部屋を手に入れたいですね。

女性目線で収納や動線を考え抜いたプラン『MOTENA』では、子ども部屋の有効利用を意識した家づくりをご提案しています

http://www.inos-ie.com/lineup/motena.html