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引っ越し費用の相場と費用の決まり方は?節約ポイントもご紹介

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待ちに待ったマイホームが完成し、あとは引っ越し業者と日取りを決めるだけ。大きな買い物をしたあとは金銭感覚がおかしくなって気が大きくなりがちですが、マイホーム取得時には、避けられない出費が重なります。引っ越し費用くらいは、極力抑えたいですね。
抑えるといっても、そもそも引っ越しにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。今回は、引っ越し費用の相場や決まり方、節約のポイントをご紹介します。

引っ越し費用の総額の相場は?

引っ越し費用はどのくらいかかるのでしょうか。引っ越し費用は人数や荷物の多さ、距離、サービス内容などによって異なるため、大体の相場を出すのも難しいところです。ここでは、複数の大手引っ越し一括見積もりサイトで算出している平均総額を参考にして、世帯人数ごとの目安を出してみました。

通常期(5月~翌2月)

  • 単身者 2~4万円
  • 2人家族 6~7万円
  • 3人家族 6~9万円
  • 4人家族 7~11万円

繁忙期(3月・4月)

  • 単身者 3~5万円
  • 2人家族 7~9万円
  • 3人家族 10~12万円
  • 4人家族 10~15万円

世帯人数によって差があるのは当然ですが、ご覧のとおり、「通常期」と「繁忙期」でかなり差があることが分かります。学生の卒業や入学、社会人の入社や転勤など、多くの人が移動する3月と4月が繁忙期で、それ以外の5月から翌年2月までが通常期となります。ただし、引っ越し業者によっては2月も繁忙期に含めるといったように多少異なる場合もあるようです。
では、引っ越し費用はどのように決まるのでしょうか。ある程度決め方が国によって定められています。早速見ていきましょう。

引っ越し費用の決まり方を知っておこう
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引っ越し業者は、通常国土交通省が定める「標準引越運送約款」に基づき費用を決めていきます。標準引越運送約款では、業者は「運賃料金表」を作成し、その適用方法と共に、「営業所その他の事業所の店頭に掲示すること」が取り決められています。従ってそれらの取り決めを守っている業者の場合、法外な引っ越し費用を請求されることはないはずです。
逆に、明確な見積もりを出してくれない、料金体系が不明瞭な引っ越し業者があれば、避けるのが無難でしょう。

多くの場合、主に「基本運賃」、「実費」、「オプションサービス料金」の3つの要素で引っ越し費用が決まります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

要素1 基本運賃

「標準引越運送約款」にあるように、引っ越し業者は、基本的な料金区分を明示した「運賃料金表」を用意しています。基本運賃は引っ越し費用のベースとなるもので、作業時間によって料金が決まる「時間制(4時間制または8時間制)」と、移動距離による「距離制」があります。時間制・距離制ともに使用するトラックの大きさが大きくなるほど、料金区分が高くなります。

移動距離100km以内は時間制で、100kmを超える場合は距離制で運賃を決めるのが一般的ですが、異なる料金体系の業者もありますので、必ず確認しましょう。

例として、一般社団法人全国物流ネットワーク協会のWebサイト(http://torokyo.gr.jp/html+++/kind/move.html)に掲載されている、「時間制・距離制運賃」の表の数値を使って確認していきます。

一般的な荷物量のファミリーの引っ越し程度で使用される3トン超から4トンまでのトラックの運賃幅を見てみましょう。

  • 時間制 

・4時間制 下限18,090円~上限24,130円

・8時間制 下限26,820円~上限40,220円

※8時間を超え1時間ごとに下限2,550円~上限3,830円

  • 距離制

・100km超え110kmまで下限28,650円~上限42,970円

・120km超え130kmまで下限29,870円~上限44,810円

・130km超え140kmまで下限31,070円~上限46,610円

このあと、200 kmまでは10 km区切りの運賃幅が、200 kmを超えて500 kmまでは20 kmごとの追加運賃が、500 kmを超えたら50kmごとの追加運賃が記されています。

例えば一戸建てを建てて東京都新宿区から埼玉県さいたま市に引っ越ししたとすると、距離はおおよそ19km。100 km以内なので、時間制です。仮に4時間制を適用すると、この表を使った場合の基本運賃は下限18,090円~上限24,130円の間ということになります。さらに、これに必要に応じて休日で2割、早朝や深夜で3割などの割り増し料金を加算したあと、上下10%の範囲内で設定されます。

この基本運賃に、次に説明する実費、オプションサービス料金などが加算され、引っ越し費用が決まっていきます。

要素2 実費

実費とは、トラックに荷物を積んだり降ろしたりする作業員や荷造りを行う作業員などの人件費、ダンボール箱やひもなど梱包に必要な資材費、高速道路や有料道路、フェリーを利用した場合の料金などです。荷物が増えると作業員や資材が多く必要になり、遠距離になると高速代といった料金が必要になるなどして、実費が大きくなっていきます。

要素3 オプションサービス料金

引っ越しの基本的な作業に付帯するサービスにかかる費用です。基本運賃や実費と比べて人によって利用度にかなりの違いがあり、費用に大きく差がつく要素です。例えば次のようなサービスがあります。

オプションサービス料金の例

  • エアコンの取り外しや設置
  • パソコンの設置・設定
  • ハウスクリーニング
  • 家具設置時の地震(転倒防止)対策
  • ピアノや自動車の搬送
  • 不要品の処分や、荷物の一時預かり
  • 小物の梱包や荷ほどき

小物の梱包や荷ほどきはオプションにせずに、あらかじめ基本プランに含んでいる業者もあります。

なお、提供するオプションサービスは業者ごとに異なりますが、引っ越し一括見積もりサイト「引越し侍」では、例えばエアコンの取り外し工事は5,000~15,000円、取り付け工事は15,000円~25,000円程度が目安としています。案外高価なので、新居で新しいものを買うかどうか悩む人も多いようです。

引っ越し費用の節約ポイント!
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基本運賃の部分を抑えるのは難しいですが、ちょっとした工夫である程度節約することは可能です。ポイントをいくつかご紹介します。

  • 引っ越し時期が選べるなら「通常期」に行いましょう。それが難しければ、せめて「平日」に予約を入れたいところです。
  • オプションサービスは最低限にしましょう。梱包や荷ほどき、パソコンの設定など、自力でできる部分は自分で行いましょう。
  • 不要物は引っ越し前に処分して、極力荷物を減らしましょう。
  • バイクや自動車の搬送は引っ越し業者が提携会社へ委託するケースも少なくなく、そうすると費用がかさみます。可能であれば自分で運転して運ぶようにしましょう。
  • インターネットで見積もりをすると割引をしてくれたり、各種ポイントがたまるキャンペーンがあったりします。小まめにチェックしましょう。
  • 相見積もりで複数の業者を比較するといいでしょう。繁忙期でなければ、競合他社をけん制するため割引してくれたり何らかのサービスを付けてくれたりする場合があります。また、引っ越し費用のリアルな相場を知ることもできます。

以上のように工夫できる部分は意外と多くありますので、できる範囲で対応してみてください。

なお、引っ越しの予約がギリギリになってしまうと、相見積もりを取って比較したり、業者と交渉したりといったことがしにくくなります。また、オプションサービスを利用せざるを得ない状況になることもあります。日程が決まったら、できる限り早く予約を入れるようにしましょう。

小さな積み重ねで引っ越し費用を最大限抑える

引っ越し費用は基本運賃、実費、オプションサービス料金などで決まります。距離や作業時間で設定されている基本運賃の部分を削ることは難しいですが、「平日に予約を取る」「梱包と荷ほどきは自分でする」「相見積もりを取る」などの小さな工夫の積み重ねで、費用を抑えることができます。
引っ越し費用の決め方、削れる要素などを勉強して、できる限り引っ越し費用を抑えましょう。