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家を買うのに頭金がたまるまで待つべき?頭金なしの購入は危険?

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住宅ローンの金利負担が軽い今は家を買うチャンスですが、なかには頭金がないから買えないと考える人もいるでしょう。頭金がたまるまで、マイホームの購入は待つべきでしょうか。
頭金の必要性や役割について考えていきます。

家を買うとき頭金はどうして必要なの?

住宅ローンを利用して家を買うときに、最初に支払う自己資金を「頭金」といいます。毎月の返済額を抑えられるといった理由から、頭金は用意した方がいいといわれます。一方で、頭金をためることにこだわって購入時期が遅れると、金利が高くなってしまったり退職後も返済が続くことになったりするなどの弊害が考えられます。

頭金があるに越したことはありませんが、こだわりすぎて買いどきを逃してしまうのもよくないでしょう。では、ほかの家庭ではどのようにしているのでしょうか。また、頭金なしで購入するのと頭金をためて購入するのとでは返済額の差はどのくらいになるのでしょうか。
そのあたりを見ていきましょう。

頭金の平均額は物件価格の1~2割
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住宅金融支援機構の「2018年度フラット35利用者調査」によると、住宅の種類ごとの頭金の額の物件価格に対する割合が、注文住宅で18.7%、土地付き注文住宅で10.9%、マンションで16.1%となっています。
物件価格の10~20%を準備している家庭が多いようです。

ただし、頭金はあくまで返済をスムーズにするためのもの。頭金なしの購入が可能かどうかは、月々の返済が可能かどうかで判断するのが妥当です。その判断の目安になるのが、収入に占める返済額の割合です。同調査によると、毎月の収入における返済額の割合を30%未満に収めている家庭がほとんど。
まずは返済額が収入の30%に収まるかどうかを確認しましょう。

諸費用を忘れないようにしよう

家を買う際は家の購入代金以外に、住宅ローンの事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用も必要になります。諸費用は物件価格の3~6%程度が目安とされ、通常現金で用意します。
頭金以外にもまとまった現金が必要になることは忘れないようにしましょう。

頭金の有無で返済額はどのくらい変わる?
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では、頭金の有無で返済額はどのくらい変わるのでしょうか。以下のように比較してみました。

【前提条件】

  • 物件価格 4,000万円
  • 返済期間 35年
  • 金利 1.2%(全期間固定)
  • フラット35公式サイトの住宅ローンシミュレーション

https://www.flat35.com/simulation/sim1.html)より

●頭金なし(借入額4,000万円)の場合...毎月返済額 11.7万円:総返済額4,901万円

●頭金2割(借入額3,200万円)の場合...毎月返済額 9.4万円:総返済額3,921万円

以上のような結果になりました。総返済額は、頭金を2割ためてから購入した場合、頭金なしで購入した場合に比べて、4,901万円-3,921万円=980万円少なくなります。

ただし、頭金をためるのに10年かかったとします。その間の家賃が月8万円とすると、8万円×12ヶ月×10年=960万円かかり、頭金800万円+家賃960万円=1,760万円の資金が別に必要になったとも言えます。また、その間に金利が上がる可能性もあります。もしも頭金がゼロでも無理なく返済できそうなら、前向きに検討してみるのもいいでしょう。

なお、家を買う際には頭金以外にも考慮するべきことが多くあります。
詳しくは以下の記事もご参照ください。
家を買うにはどうすればいい?はじめてのマイホーム購入基礎知識

頭金がたまるまで待つ待たないは、返済が可能かどうかで判断する

頭金があった方が返済の安全性は増しますが、現在は金利水準が低く、金利負担が小さいのも事実です。重要なのは、「無理なく」返済できるかどうか。月々の返済額を確認し、収入と照らし合わせて最後まで返済できるかどうかを考えて、決断するといいでしょう。

なお、頭金なしで家を購入するには、物件価格を見直すのもひとつの方法です。
イノスの家では規格型住宅「J.Tomorrow」もご提案していますので、ぜひ参考にしてください。