家族を育てる家

イノスの家の工務店

「品質の悪い家を建てることは、お客様を裏切る行為だと思うのです」~(有)酒井建設酒井社長インタビュー~

今回は、伝統的な町屋づくりの商家と白壁土蔵で有名な鳥取県倉吉市で、高級志向の家づくりをされている酒井建設様へインタビューさせていただきました。
酒井社長写真IMG_8804 - コピー.JPG

Q.会社のプロフィールを教えてください

1981年に、当時地場大手の建設会社に勤めていた父が独立をして会社を興したのが、酒井建設の始まりです。建築が好きだった父は当初から住宅事業を中心に会社を始め、特に和風住宅を得意としていました。
※建築が好きだった父は当初から住宅を中心に据えて事業を展開しており、特に和風住宅を得意にしていました

良い材料と良い大工を使って良い家を建築し、山陰の特徴である茶色い屋根瓦の高級住宅を次々と建てていきました。もちろん価格は安くなかったと思うのですが、お客様の満足度も高く、評判が評判を生んで自然と口コミで広がっていったようですね。業績は順調に伸び、地域では高いブランドを確立していたと思います。
波に乗った会社は、1990年代には、今度は住宅ではない公共建築の建設を任されるようになりました。住宅の時と同様に、この公共建築の出来上がりがとても良い評判をいただいて、それ以降公共建築がどんどん増えていきました。

ところが残念なことに、公共の伸びとともにメインの住宅が減ってきたのです。その理由は、いつのまにか公共建築の酒井建設と言われるようになり、弊社に住宅会社のイメージが無くなってきたためです。そもそも一般のお客様にとっては、いくら評判の良い公共の建物を建設する会社でも、自分の家を建ててくれる会社といったイメージには全くつながらないのだと思います。
そういう過渡期の2006年、私は父の後を継ぎ、39歳で社長に就任しました。

Q.会社の宝物は何ですか?
Img10868_SAI1 - コピー.jpg

A.やはりスタッフです
創業時から今日まで、本当にスタッフに恵まれました。父親が引退した前後には、創業から支えてくれたスタッフも高齢になり、ちょうど世代交代を迎えました。若い営業や設計、工事担当者も次々と入社し、今やみんなが立派な戦力となっています。同時に時代も移り、お客様の層や嗜好もどんどん変わりました。お客様は若年化が進み、好みも和風から洋風住宅へ変わっていき、家の大きさもコンパクトになってきました。スタッフの若返りと時代の変化がうまくマッチできたのは幸運だったと思います。
設計担当は機能的な間取りとデザインの両立をコンセプトにしており、どこにでもあるようなプランではなく、お客様のご意向を汲んだオリジナルのプランを生み出すようにしています。営業担当はお客様の夢の実現のため、土地探しのお手伝いや、最適な資金計画など、お客様の痒い所に手が届くように心がけています。
特に弊社のお客様はこだわりのある方が多く、スタッフが岡山県のプレカット工場や奈良県の材木屋などと打ち合わせするために、県外へ足を運ぶことも珍しくありません。やりがいのある仕事をたくさんいただき、お客様にも恵まれ、お引渡しの後も良好な関係を続けて頂いています。

当社ではオーナー様専門の女性社員を2名配置しています。オーナー様担当はオリジナルのお役立ち情報を作って、定期的にオーナー様宅を訪問しています。最近は共働きのご家庭が多いので、ご不在ならポスティングで済ませますが、オーナー様にお会い出来ても、売込み的なことはしないようにしています。
手前味噌ですが、こういう地道な活動の結果、いったん離れかけたお客様も戻って来て下さるようになりました。

Q.イノスグループに入ったきっかけは?

A.先見の明のある人物が勧めてくれた
イノスが発足してから間もない、1995年に入会しました。きっかけは当時の工事部長が「これからの住宅事業は技術的な裏付けが絶対に必要だ!」と先代の社長に熱心に勧めてくれたことでした。イノスの最新の技術マニュアルや木材の品質、先進的な発注システムなどを活用して、弊社の住宅事業の方向性を変える必要があると思ったそうです。彼は現場に泊まり込んで仕事をするほど、本当に真面目でやり手でしたし、何しろ先見の明がありました。残念ながら彼は、若くして病気で亡くなってしまったのですが、イノスグループに入るという財産を残してくれました。
とはいうものの、彼がいなくなってから急速にイノスの家は少なくなりました。その当時は、自社商品と比べてイノスの家は価格が高いこともあり、お客様にイノスの良さをアピールすることよりも従来通りの自社商品に力を入れていました。
しかし、安いだけでは限界があります。一時期受注棟数が減った原因がそのあたりにあったかもしれません。それでも数年前からイノスをメインにするようになり、受注棟数も回復してきました。

そして嬉しい出来事がありました。5年前に、なんと亡くなった当時の工事部長の息子様が弊社でイノスの家を建ててくれたのです。工事部長が亡くなったのは、息子様がまだ15歳の時です。それなのに、亡き父の想いをしっかりと覚えていて、大切に引き継いでくれたことに大いに感動しました。

Q.イノスグループ会員へひとこと

A.イノスの家一本で
私が言うのも変ですが、イノス以外の多様な仕様の家を扱うよりも「イノスの家」一本に絞って営業したほうが業績は伸びますね。鳥取県はニュースにもなるくらい県産材補助金が拡充していて、もちろんお客様も知っています。イノスの家に使用されるPFウッドは県産材補助金が受けられません。鳥取県産材のほうが安いうえに補助金も出る。
でも弊社は、イノスの品質に絶対の信頼を置いているので、イノスの家の良さを最大限アピールしていますし、お客様にもブレることなく丁寧にその良さを説明することで、補助金が出なくてもイノスの家によりメリットを感じていただき、最終的に受注に繋がっています。

Q.これから家を建てる方へのメッセージ
Img10634-HDR - コピー.jpg

A.ハウスメーカーの品質を地元の工務店で
ハウスメーカーの家は良いのは分かるけれど高い!と思っている方は多いと思います。高いのには高い理由とそれに見合った価値がもちろんありますが、一般の工務店の家の価格と比べると高額になり二の足を踏んでしまいます。
でも、ハウスメーカー品質の家をお手頃な価格で地元の工務店が建築できるとすれば、理想的だと思いませんか。安いからと言って、品質の悪い家に住むと後々後悔されると思います。建ててしまった後では、もう引き返すことはできません。だから私は、品質の悪い家を建てることは、お客様を裏切る行為だと思うのです。

インタビューが終わって

いつもお伺いして思うのですが、酒井建設さんは、会社の中の雰囲気がとても明るいです。それも酒井社長をはじめ、営業・設計・工事・総務などのスタッフが、生き生きと仕事をされているからなのだと思います。特に酒井建設さんのプランを見ると、お客様の要望や敷地のことを考え抜いて、お客様のためだけに作ったプランだなと感じ取れます。愛情が詰まっているプランかどうかは、図面が語り掛けてきます。その図面の先には、きっとお客様の笑顔があるのだなと感じています。

酒井社長、本日はお忙しいところありがとうございました。