INFORMATION家づくり便利帖

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2021.07.06

「寛げる場所、帰って来たい場所」を一緒に造りたい~森井建設工業㈲森井社長インタビュー~

近影 - コピー.jpg
【御社の沿革を教えて下さい】

会社のルーツは祖父の代になります。祖父は農業や漁業を営む傍ら、「野鍛冶」といって、農業で使う鍬や鎌、漁業用の手鉤やモリなどの、「手道具」を作る「鍛冶職人」として生計を立てていました。当時はその鍛冶屋場もありました。
そのような環境の中、鉄つながりで一般鋼材・鉄骨を扱う仕事が増え、やがて地元の農業倉庫や漁業倉庫といった建物の方にも仕事の範囲が増えて行きました。そのような家庭で育った父も日常から鉄が身近なものとしてありましたので、おのずと祖父と共に事業を手掛ける様になりました。

建設業としての形を作って行ったのは父で、平成元年には法人化しました。現在も「総合建設業」として、特に建設を中心に地元の行政や地域のお客様の仕事をメインにしています。ちなみに昔、祖父が作り置きしてくれた道具は、いまだに我々の仕事の手道具として残っていまして、喰切(くいきり)といって針金を切る道具や、牡蠣の養殖がさかんな場所なので牡蠣の殻を剥く道具など、ホントに何気ないものですがいまだに使ってくれる人もいるんですよ。
くいきり - コピー.jpg (祖父が製作した「喰切(くいきり)」。針金などを切るのに用いる道具。)

【住宅については?】

鍛冶屋から鉄骨を触るようになったもので、当初はやはり「鉄工所」のイメージが強かったと思います。倉庫や工場以外にも鉄骨造の住宅をやっていました。しかし父の代になり、もっと事業の幅を広げようと考える中で、木造住宅も出来る様にならねばと思う様になりました。ちょうどそんな時期に父が、イノス代理店をされていたゴトー商会の後藤社長(現会長)からイノスグループを紹介され、平成9年イノス三重支部の立ち上げ時期に入会しました。
一方、私は小さい頃からこの会社が鉄骨の建築や別荘を建てているという認識はあったのですが、漠然ながら「木の家」や「田舎の家」が好きでもありました。建築の学校を卒業して初めての就職先の候補はゼネコンなどもあったのですが、自然素材を扱っている中小規模の大阪の工務店を選びました。そこで工務をやりながら自然素材の木造住宅を勉強しました。社内には「都市開発」や「街づくり」などの大規模な設計業務を手掛ける大手設計事務所でキャリアを積んだ先輩がいました。彼は直接お客様から「ありがとう」と言って頂ける仕事がしたいと思い、この会社に先に入社し、設計担当としてバリバリ働いていました。そして何年か後、彼が独立する事になり、その際に「一緒に仕事をしよう」と私を誘ってくれたのです。

【お二人だけで、立ち上げ当初は大変では?】

そうですね。最初の頃は苦労しましたよ。仕事がないからお互いアルバイトしながら、自分の食い扶持は自分で稼ぎながらやってたり(笑)。そのうちだんだん会社が認知され始めてきて、そこで5年程キャリアを積みました。当時、その先輩からは色々なことを教わりました。「住まい」とは子供の人格や人間形成の上でとても重要なものなのだという事。家づくりはそれだけ責任のある仕事だという事。今では一般的になっていますが、その頃から、子どもが帰ってきたらリビングを通って自分の部屋に行くとか。毎日親と顔を合わせて挨拶をするとか、そんなことを考えた間取りの家を造っていました。しかし反面、そこをどう使うかはその家族の範疇でもあります。我々は建築会社としてHouseは作れるけど、homeはお施主様が造るんだ、という事まで彼から教わりました。
そして、その後に父の会社に入りました。28歳の時です。

【どういう家を目指していますか】

私自身、住まいに関して好きなものがあります。それは自然素材とか木造です。あとは住んでいて楽しい家・気分が良くなる家。オシャレじゃないよりはオシャレな方が良いですよね。そのあたりのエッセンスは常にご提案に入れたいなと思っています。
当社を選んで下さる方は多少そのあたりに共感してくれているのでは?と考えています。ここは地方都市なので人との繋がりが強い場所です。なので、私がどんな人間か、どんな事が好きで、どんなことを目指しているのか?を分かってくれた上で当社に来て下さる方は、家づくりのエッセンスを一緒に共有できる方じゃないかなと思います。

家づくりには、その時々で全力で手掛けてはいますが、常に自らをアップデートしていますから、10年前のベストよりは今の方がより良いものを提供出来ると思っています。出来るだけ当社のスタイル(木の住まい・自然素材)を崩さずに、かつ、お客様がご納得頂けるように徹底しています。
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この建物、10年以上も前の写真なんですよ。素敵なデザインでしょう。私がここに帰って来て12年位の頃に手掛けたお住まいです。この住まいが当社の住宅の方向性を確立するきっかけになったのかも知れません。やり慣れていない見学会も、この家を手掛けた時には積極的にやってみたんですよ(笑)。土日で50組程来てもらって大変でした。当時、既に大阪などの大都市部ではデザインを伴う自然素材の住宅は出始めていましたが、地方都市では珍しかったのだと思います。

【10年以上前でこの雰囲気はすごいですね】

姿・身なりがその人の人格を表すように、住まいの佇まいも「こんな人が住んでいるんや」「こんな会社が造っているんや」という事を表しているものだと思います。なので「カッコよさ」は意外と軽視したらいけないと考えています。
実は今、メンテナンスでお宅にお邪魔してもこの状態のままなんですよ。お施主様がすごくキレイに生活してくださっていて。会社としてもこの出会いは大変な財産です。
N邸③ - コピー.jpg
ちなみに、弊社の住宅事業に関しては「mash」というブランドを掲げているのですが、3文字目の「s」のワードには色んな思いがあるんです。

【その思いとはどんなものですか?】

simple」「sizensozai(自然素材)」「sawayaka(爽やか)」「sukoyaka(健やか)」「strong(強さ)」「sinrai(信頼)」「seijitsu(誠実)」「syoujiki(正直)」「sensai(繊細)」。そして何より「satisfaction(満足)」。いえづくりにはそれらを含む「story(物語)」があります。そして、私は「いえづくりに」そういった「style(姿勢)」で臨んでいます。
m(もりいけんせつ)がaarchitect:建築)するsがいっぱい詰まったhhouse,home)=「mash」です。
M邸① - コピー.JPG
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【イノスグループとの関わりは】

家には2つの大事な部分があります。ソフトな部分(見た目の部分)とハードの部分(構造・性能)です。ソフトの部分って、個の力とか会社の力で表現出来るんですよ。いや、むしろ表現しないといけないと思うんです。一方、この目まぐるしく変わる住宅業界の流れについていくには、最新のハードの部分が必要で、その為にはイノスのフォローが有効です。またその関わり方がイノスはちょうど良い。フランチャイズの様にがっちり型にはめられてしまうと、私は事業に面白みを感じられないと思うんです。あくまで暖簾は自分の暖簾。しかし裏付けはちゃんと信頼のおけるものがある。こういう部分がイノスグループのすごく良い部分と思っていますし、永く住友林業とお付き合いさせて頂いている理由だと感じています。
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外観構造基礎 - コピー.jpg
(「イノスの家」は全棟構造計算。その計算にたがわぬ高品質の構造材(PFウッド)も住まいの「安心」・「安全」を高めます。)

経営者っていろんなタイプがあると思うんです。私は出来る限り色んな事に携わりたいタイプの人間です。しかし手を広げ過ぎるとキャパオーバーにもなります。そこは住林さんやゴトー商会(イノスグループ三重支部代理店)さんにも頼っています。特に住宅事業には出来る限り色んな部分に関わりたいと思っているので、頼れる所はイノスに頼らせて頂いています。
ちなみに、今後は資産を持たない世代も増えてくると言われています。本来家が持つ、ものの良さを分かってもらう為に、更なる工夫も必要に感じます。僕等の地域も人口が流出していて空き家が増えているのですが、それを利活用して地域づくり・街を良くしていく取り組みも始めているんです。

【地域の活性化・地域貢献にご関心があるのでしょうか?】

ありますね。やはり生まれ育ったこの街が好きですし、そこで子供たちも育てている訳ですから。将来的な事も考えると、この地域の子供たちがこの街を自分の育った街として自信をもてる様にしていきたいと思っています。人が少なくなる事自体は仕方のない事ですが、彼らが大人になっても、私自身が今、この街に感じている愛着を感じて欲しいと思っています。家づくりもそれに関わる仕事だな、とも思っています。
まちの風景① - コピー.jpg

【これから家を建てる人にメッセージをお願いします】

家ってやはり家族のものであり、長い時間を過ごす場所でもあります。巣立っていった子供たちにとってもhometownとかhomeという言葉の通り、「帰って来たい場所」でもあります。「こういった家を建てて下さい」と、私から強制するものではないのだけれど、「寛げる場所、帰って来たい場所」を一緒に造りたいと、本気で思って頂ける業者さんに出会われることをお勧めします。自分の思いをわかってくれる、価値観を共有できる業者さんは、きっと皆さんの地元にもいると思います。地方の建設会社は、大手企業の様に広くすべての人々や社会を幸せに、とまではいきませんが、この地域社会・地元の人たちに対して貢献したいとの思いを持った業者は必ずいます。それが地域の建設会社の存在意義でもあると思います。
良い建設会社さんとの出会いをお勧めします。

取材協力:森井建設工業(有)
     三重県度会郡南伊勢町

住友林業のPFウッド INOSの家