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暮らしのアイデア

あなたは大丈夫?トイレのNGな使い方【前編】

毎日使うトイレ。どうせなら、デザインや機能、インテリアにもこだわって、素敵なトイレを選びたいですよね。

......でも、「トイレの使い方」について考えたことはありますか?せっかくお気に入りのトイレを選んでも、間違った使い方や習慣で、思わぬ故障に繋がったり、寿命を縮めてしまう!なんてことになってしまったら残念ですね。

家族みんなが毎日使うものだからこそ、間違った使い方や習慣の蓄積により、知らないうちにトイレに負担がかかり、トラブルを引き起こしてしまう危険があるのです。

また、トイレが日々進化していくのと同じように、「昔はOKだったけれど、今はNG」という使い方もあります。素敵なトイレ選びやトイレ空間造りも大切ですが、お気に入りのトイレと長くお付き合いができるように、家族みんなで、トイレの使い方について見直してみましょう。

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無意識にやってしまいがち!便蓋を無理やり手で閉める・押さえつける

昔のトイレの蓋は、手を添えて閉めないと「バターン」と勢いよく閉まってしまいました。でも、今のトイレの蓋はゆっくりと静かに閉まってくれますよね。これはトイレの便座の付け根の部分の部品(油圧ダンパー)が、何もしなくても蓋と便座が静かに閉まるように制御してくれているためです。しかし、ついつい「早く閉めたい!」と思って、蓋が閉まる途中で上から手のひらで加圧したり、無理に押さえつけて閉めようとしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

スローダウン(ゆっくりと静かに閉まる)便蓋でこのような無理な力を加えると、前述の便座の付け根にある部品が破損し、ある日突然「バタン!」と勢いよくトイレの蓋が閉まる故障の原因になります。便蓋が勢いよく閉まる状態で使い続けると、便座(プラスチック部分)の傷や割れなど、二次的な破損にも繋がりかねません。

また、蓋が電動開閉(自動開閉)する機種の場合、蓋が下りないうちに無理に閉めようとしたり、閉じようとする蓋の動きに逆らって無理に開けようとしたりすると、内部のギア(歯車)に不具合が生じ、開閉に支障が出るなどの故障を引き起こす可能性があります。

動きに逆らったり、無理やり押さえつける開閉方法はとっても危険。急いでいる時こそ、蓋の開閉はトイレにおまかせしましょう。

意外と盲点!洗剤が原因で起こる不具合

「便器は陶器製だから、洗剤は何でもOK」
「黒ずみが気になる場所だから、強い成分の洗剤や漂白剤を使ってキレイにしたい」
そんなふうに考えてしまうかもしれませんが、便器のお掃除に使用する洗剤は、トイレメーカーが使用OKを出しているものにしましょう。基本的には「トイレ用中性洗剤」です。

もし、便器に強い成分の洗剤などを長時間付けて放置した場合、便器から立ちのぼった洗剤の成分が便器とは関係の無い部品などに影響を与えてしまう危険があります。さらに、トイレの脱臭機能などが作動すると、空気中の洗剤成分がシャワートイレ内部に取り込まれ、内部の部品が劣化する可能性も。

実際にあった例として、トイレの便器のお手入れに塩素系洗剤を使って長時間放置していたために、塩素ガスがシャワートイレ本体に入り込み、固定ネジ、メインバルブ、ノズルのモーターといった金属部品が錆びてしまった......というケースもあります。

もし、便器内部の汚れを落とすためにトイレ用漂白剤など「トイレ用中性洗剤」以外を使用したい場合、必ず実施前に「使用して良いかどうか」を取扱説明書で確認し(使用NGと記載がある場合は使用を避けます)、使う場合は取扱説明書に記載の手順や時間を守るようにしましょう。

便座などのプラスチック部分を乾拭き......実はNGです!

「便座が汚れているから、使ったついでにちょっとペーパーで拭いておこう」
これを日常的にやってしまっているのなら、ちょっと待ってください。トイレは便器部分と便座・便蓋部分の素材が異なることが多いです。便器部分は陶器でできていますが、便座や便蓋部分はプラスチックのものが多く、(機種によってはタンクや手洗い部分もプラスチック製のことがあります)この「プラスチック部分」を「乾拭き」してしまうと、表面に細かい傷が付いたり、光沢が無くなる原因になります。もちろんトイレットペーパーでゴシゴシ乾拭きはNG。ペーパーの繊維も傷付きの原因になります。また、乾拭きをすることで静電気が発生し、ホコリなどの汚れが引き寄せられるので、より一層汚れが付きやすくなります。

傷付きを防ぐ以外にも、便座の表面や裏側は皮脂や排泄物の飛沫などが付着しやすいため、ニオイの発生や汚れの固着を防ぐためにも汚れに気付いたら早めの水拭きお掃除が適しています。プラスチック部分は柔らかい布を使って水拭きでお手入れをしましょう。

お手入れには着古したTシャツや使い古したタオルがおすすめです。切ってストックしておけば、サッと使って捨てるだけ。節約にもなります。時短や衛生面の観点から、お掃除用ウェットティッシュを使用される方も多いと思いますが、お掃除用ウェットティッシュを使う場合、一度に大量のティッシュを流すと節水仕様のトイレでは詰まりの原因になる可能性もありますので、注意してください。

今回はついついやってしまいがちな「トイレのNG」をご紹介しました。「え?!コレってNGだったの?今までずっとやってた~!」というものがあったら、お家のトイレがSOSを出す前に、今日からさっそく改善してみてくださいね。次回も引き続き、うっかりやってしまいがちな「トイレのNG」をご紹介いたします。