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玄関のスマートキーって実際どうなの?疑問にお答え

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家を建てる時、悩むポイントのひとつが「玄関の鍵をどうするか」ではないでしょうか。毎日必ず出入りする玄関。できればスムーズに出入りしたい。

でも、いざ玄関スマートキーを導入するとなると、いくつか不安になってくることもあります。

・使い方が難しいのでは?
・メンテナンスが自分ができなかったり、面倒なのでは?
・停電した時にはどうするの?

具体的な不安点を考え始めると「やっぱり慣れた手動鍵の方がいい」といった気持になってしまうかもしれません。でも、本当にスマートキーは難しいのでしょうか。

今回は、スマートキーを検討する際に湧いてくる疑問点についてまとめてみました。

スマートキーって、簡単に使える?本当に手動鍵より楽なの?

スマートキーにはリモコンタイプのもの、カードタイプのものなど色々ありますが、基本的にはリモコンやドアのボタンを押すだけ、またはドアにかざすだけ、といった簡単な操作で施錠・開錠ができます。一度登録や設定をおこなってしまえば、普段は設定作業などもありませんので、車のスマートキーのように感覚的に使うことができます。

リモコンを携帯したままドアに近寄るだけで自動で開錠できるものや、ドアのボタンを押して施開錠する方法なら、鞄から鍵を取り出さなくてもOK。鞄を中を引っ搔き回して「あれ、鍵はどこだっけ?」と慌てることもありません。両手が買い物袋で塞がっていたり、子供を抱いている時にも楽に施開錠できます。

リモコンのボタンを押して開錠するものなら、少し離れたところからピッとボタンを押して鍵を開けることができるので、ドアの前で立ち止まることもなくスムーズに入室可能。カードタイプやスマホをキーとして使うものは交通系ICカードのようにかざすだけ。

さらに、意外に便利な点としては「二世帯住宅」などで家族が2つ以上のドアを日常的に使う場合。従来鍵なら、出入りするのは同じメンバーでも、ドアごとに鍵を用意する必要がありました。スマートキーなら1つのリモコンに複数のドアを登録することもできるので、親世帯も子世帯も同じリモコンで出入り可能。玄関前で鍵を選ぶ作業が無くなります。

365日毎日操作する鍵。小さな操作ですが、お出かけ前の慌ただしい時や、疲れて帰ってきた時のストレスが軽減される......と考えれば大いに検討する余地はありそうです。

将来子供が鍵を持つ時などに......鍵の追加設定は自分でできるの?

「スマートキー」と聞いて、ちょっと不安になるのが鍵の追加作業ですよね。ハイテクになってくれるのはいいけれど、鍵を増やす時に大変なのでは?と心配になりますが、もちろん鍵の追加も自分で簡単にできます。

方法はメーカーや製品によって異なりますが、玄関ドアメーカーのサイトショップからリモコンキーを追加注文し、自分でドアの登録ボタンなどを操作して登録ができます。

また、システムキーなら「減らす」場合も簡単。例えば、子供がリモコンキーをどこかに落としてきてしまった!という時。従来鍵の場合はシリンダーごと交換しない限り、落とした鍵を無効にする方法はありませんでした。シリンダー交換となると費用もかかるし、業者に頼む必要があります。でも、万が一失くした鍵が誰かに拾われていたら?と考えると防犯面が不安......

システムキーなら、リモコンキーを紛失した際にも、残っているリモコンキーだけをドアに再登録すれば、落としたリモコンキーを簡単に無効化できます。業者を呼ぶことなく、リモコンキーを増やす時と同じ方法で登録をすればいいだけなので、すぐに防犯対策ができます。

機械は大の苦手だから不安......どんなメンテナンスが必要?

スマートキーには電池で動く「電池式」と、家庭用電源を使用する「AC100V式(電気式)」があります。電池式のものはドア本体に電池が入っており、一年に一回程度ドアの電池交換作業が発生します。

ドアの電池交換は、ドアの戸先などにある電池ケースの蓋のネジをドライバーで外し、中の電池を交換します。特別な工具が無くても簡単に交換ができます。電池切れが近くなると音や光でお知らせサインが出るので、電池の準備をするタイミングもわかるようになっています。お知らせサインが出ても十数回は使用できるので、突然何の前触れもなく電池切れ!ということはありません。

また、施開錠にリモコンキーを使用する場合、リモコン自体の電池交換も必要になります。こちらもドライバーで電池の蓋を開け、リチウム電池などを入れ替えます。

ドアもリモコンも家庭用のドライバーで簡単に交換ができるので、特別難しいメンテナンスはありません。

停電した時は家に入れない?電波を傍受されて危険なのでは?

電池式のシステムキーの場合は電気は関係ないので、停電時にも問題無く使用できます。AC100V電源式の場合は停電時に作動しませんが、手動鍵を使えば停電時でもドアの開け閉めができるので、不安な場合は停電時のために手動鍵を携帯しておくと安心です。

リモコンキーの種類やオプションによっては、キーのケースに手動鍵を収納し、常に持ち歩くことができるものもありますので、心配な場合はそういったものを視野に入れるのもおすすめです。

また、リモコンキーは高度な暗号化技術や複製防止技術を用いて電波通信を行うため、万が一電波を傍受されても不正開錠はできないようになっています。

いいことばかりに聞こえるけれど、システムキーならではのトラブルもあるのでは?

システムキーのトラブル、と聞いて、まず思い浮かぶのが「締め出し」ではないでしょうか。多くの場合、システムキーはオートロック機能を有効にできるようになっています。

リモコンやボタンで開錠した後、ドアを閉めると自動でロックがかかるため、鍵の閉め忘れを心配する必要が無い大変便利な機能ではありますが、一方で、開錠後に玄関先にリモコンキーと鞄を置き、もう一度車まで荷物を取りに戻ったら、締め出されてしまった!といった危険が考えられます。

オートロック機能のON・OFFはレバー操作などで簡単に設定変更ができるので、「締め出しが心配!」といった場合はOFF(初期設定はOFFになっています)で使用することも可能です。また、新聞を取りに外に出る時などにはサムターンを回して手動で開錠すればオートロックは作動しません。

家族で話し合い、使い方やトラブルを想定した上でオートロックの有効・無効設定を決めると良いでしょう。


もう一つの危険は、リモコンの保管場所。リモコンキーを玄関付近で鍵を保管すると、認証範囲に入った状態(リモコンキーを携帯してドアに近づいた状態)となり、外から玄関のボタンを押されて開錠されてしまうなどの危険があります。

防犯のためには、玄関近くやシューズボックスの上などで鍵を保管することは避け、リビングなど玄関ドアから十分離れた場所で保管をする必要があります。玄関付近にリモコンキーを放置することがないように、家族で決まった鍵の置き場所を決めておけば安心です。

どんどん進化するシステムキー。ライフスタイルや家族構成にあわせてみんなが使いやすいものを。

システムキーは今技術の進化とともにどんどん便利になっています。スマホで施錠・開錠の履歴をチェックできるもの、暗証番号で開錠できるもの、
最近ではついに顔認証によって開錠ができるシステムも登場しました。

選択の幅が広がったことで、家族構成、使い手の年齢、ライフスタイルなどにあわせ、それぞれの家族にあった鍵を選ぶことができる時代になったのです。
「こんなふうに鍵を使っていきたい」「こんなふうに便利だったらいいな」と家族で話し合い、家族みんなに最適な鍵を選びたいですね。