家族を育てる家

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家づくりから街づくりを考える会社~吉田産業㈱西田部長インタビュー~

三重県玉城の地で50数年地域に寄り添い、皆さまに愛される家づくりをご提案してきた吉田産業株式会社。「家づくりから街づくりを考える会社」をモットーに、時代に即した新しい挑戦にも果敢に取り組んでいらっしゃいます。西田部長にお話しを伺いました。

御社の沿革を教えて下さい

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昭和38年頃に先代(社長のお父様)が始めた材木屋がルーツです。その後法人化し太平住宅の代理店などを経て、その後は自社で「注文住宅」をはじめました。さらに当時この地域では目新しかった「分譲住宅」をメインに手掛ける様になりました。

 -分譲住宅とは珍しいですね?

弊社の社名は「吉田産業㈱」ですよね。先代は材木屋時代からも、もともとひとつの商売にこだわらずに色々な商売(産業)を考えていたんだと思います。現に今でも総合建設業として住宅以外の仕事を行っています。そういう観点では先代の時点で既に地域の「まちづくり」に貢献する事業構想があったのだと思います。

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※総合建設業として、地元の玉城町を中心に施設などの非住宅も手掛けている

 -どんな住宅を手掛けていたんですか?

珍しいと思いますが和風住宅の分譲が多かったです。庭石なども自社で調達したりして外構にあしらったり、あくまで分譲住宅ではあるのだけれども、「田舎普請(いなかぶしん)」、つまり、昔ながらの住まいに近い雰囲気・要素を盛り込んで、かつ予算面でも手の届く住まいを提供し、非常に良く売れたと聞いています。このエリアの市場のニーズを的確に捉えていたのだろうと思います。この事業を中心にどんどんと地元に根差していったとも聞いています。

 -その後はどんな事業を展開されて来たのですか?

先代は住宅・分譲事業だけではなく、今後は住宅以外の公共工事も活性化してくると将来を見据えていました。そして、弊社としてもそこに参入し、より一層地域に関わって行こうと考えた様です。創業者として「官民問わずこの玉城町で生きていく」「玉城町で事業を根付かせる」という気持ちが強かったと思います。そういう考えが「吉田産業」と言えば玉城町の方には分かって頂ける現在の状況を生んでいるのだと思います。当然、われわれ社員も嬉しいですし、期待に応えたいという気持ちになります。

ちなみに先代は食材としてイノシシの飼育・養鶏・養鯉もやっていたみたいですが、それはもうやっていないですが。(笑)今考えると面白い試みですよね。一方、農業は今でも続けていまして「グリーントピア・ヨシダ」の社名でお米も作っています。

 -アイデアマンでいらっしゃいますね。「玉城町に根差す」というのは、社是みたいなものでしょうか?

住宅であれ公共であれ「この街のため」という感覚は強く持っていた様です。行政のベテラン担当に聞いたことがありますが、当時は「先代にいえば多少の無理も聞いてくれる(笑)」といったエピソードがある様です。だから今でも玉城町の仕事が圧倒的に多いですね(笑)。

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※「鐘楼」や「山門」など、地元の要請に応じて様々な建築を手掛けている

 -現社長に代わられてからはいかがでしょうか?

公共工事に関しては、玉城町地域に限らず県や、省庁など、さらに広く取り組む体制を整えました。運送業や土木工事業などは社長がスタートした事業です。「吉田産業」という名の通り、現社長も常に先を見据えながら新たな産業を通じて、いかに街づくりにアプローチして行けるかを考えていると思います。

 -だから「吉田産業」なんですね(笑)

そうです。そこは従業員みんなが納得しています。お客様の認識も、「吉田産業」は運送業と捉えている方もいますし、「昔からやっている建築屋さん」と思う方もいます。「土木・水道」の会社と思っている人もいます。社長や先代に共通して通ずる事として「お客様からの依頼に対してどうにかして応えたい」という気持ちが根底にあると思います。「うちは出来ません」という答えは、お客様へのサービスの在り方として本当に申し訳ないと考えている様です。当然、ビジネスである以上は自社に有利な商談のみをお受けするスタンスの会社もあると思いますし、それも当然の発想と思います。その点、弊社の場合は「お客様が求める事に対して応えたい」という考えが非常に強い様に思います。お客様の信頼を得る為には、仕事の大小は問わず地元の多種多様な依頼に対して細やかに応えていく事で培われていくものだと思います。

地元の工務店も数あれど、結構「出ては消え」の多い業界でもありますよね。建設業は一見地味な仕事かも知れませんが、建てた後にお客様が流浪することの無いように、細やかなフォローが出来る会社でありたいと思っています。その積み重ねが出来るかどうかが「地元で事業を維持して行けるか」、「地域での評判を保てるか」に繋がっていると肌身に感じます。ちなみに私自身は設計事務所の出身なのですが、入社してまず気付いたのは、社長はお客様のフォローにとてもきめ細やかな事でした。

お客様とのエピソードを教えてください

20年程度が経過したお施主様からのご依頼で、屋根のメンテナンスのご相談があった時です。実際に社長が屋根に上って内容を把握し、お客様のいらっしゃるその場で最短での段取りを組んで職人に指示をしていました。本当は他の予定などもあったと思いますが、今後の天候も把握してお客様のご依頼を最優先に手を打った訳です。他にも、お客様が遠慮して「これで良いですよ」「これで大丈夫です」と言われても、そのお客様の人となりを踏まえて「本音は違うのでは?」ともう一歩踏み込んで対応を考えている様です。

 -御社の顧客満足の高さが伺えるエピソードですね

この地域(玉城町)の慣習・市民性かも知れませんが、お客様・建設会社お互いに「気持ちよく進めましょう」という共通のマナーがある様に思います。そこに良い意味での緊張感があり、その緊張感を持ちながら、お客様が気持ち良いと思って頂ける仕事を果たす事で新たな紹介を頂けていると思います。社長にも言われる事ですが、お客様の言葉や字面だけを受け取ってする仕事は「出来て当たり前」、「お客様が気持ちよく感じてもらえる様に引き渡せたか?」と自問自答しています。また、残念ながら契約に至らないとしても「何か貢献出来ないか?」「ちょっとでも役に立つ情報を提供出来ないか?」とは常に考えています。

一方でモデルハウスまでとは言わないまでも、実際に見学できる物件がある事でより弊社に安心や信頼を頂ける事も事実です。その点では会社の認知度だけではなく、実際に体感出来る住宅がある事で複層的に信頼を積み重ねられると実感しています。

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※モデルハウス内観

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※モデルハウス外観

「イノスグループ」や「イノスの家)は御社にとってどのように役立っていますか?

基本的な納まりをまとめたイノスの「施工マニュアル」は御社の膨大な経験の蓄積から出来ているのだと思いますが、設計・施工に携わる自分にとって「これだけはやっておかないといけない」という判断基準になっています。住友林業の試行錯誤から生み出された「標準化された価値」「一般的にはこうあるべき」という基準を示してくれる事が、安心や安全を担保する上で役に立っています。

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※ハウスメーカー品質を確保するための各種マニュアル。住友林業の施工経験をノウハウにして提供している。

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※施工マニュアルを元にして、住友林業技術スタッフと共に現場チェックを行っている。

ここ23年のお客様の特長なのか、制震装置や構造に関する質問が増えた様に思います。インターネット・SNSの普及でお客様自身も住宅に関する情報を良く把握されていますし、「イノスの家」に関してもお客様自身が調べて下さっているケースも出てきました。

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※「イノスの家」は全棟構造計算。住友林業独自の検査基準をクリアした構造材PFウッドでさらなる安心・安全を提供します。

また各案件の課題に悩んでいる際、経験のあるイノス担当者が共に考えてくれる事はパートナーとして心強く思っています。最近はイノス代理店のゴトー商会さんやCADステーション・イノス本部メンバーは、吉田産業が家を建てる時の「チームの一員」として考えています(笑)。また弊社は職人さんに対しては「仕事をさせている」とは思っていません。「仕事をして頂いている」という心構えでいます。職人さんの仕事が雑になると、結果としてお客様に迷惑が掛かります。お互いに尊敬しあえる心が丁寧な仕事に繋がっていくと考えています。そして、弊社が大事に思っている「お客様の期待に応える」為に、全体がチーム化してうまく仕事が回る様に腐心しています。