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もしかして、不具合発生?修理を頼む前に、確認しておきたいこと【後編】

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不具合が発生するとついつい焦ってしまう「設備のトラブル」。今回は「不具合だと思ったら実はそうではなかった」ケースをご紹介します。不具合なのかそうでないのかを見極めるのは、なかなか難しいことです。実際にあったケースや、よくあるトラブルについて知り、いざというときに落ち着いて対応できるようにしましょう。

落雷で壊れた?!シャワートイレが作動しなくなった!

この季節は天気が不安定になり、落雷などのトラブルも起きやすい時期です。普段水回りの修理を担当しているメンテナンス担当の方にお話を伺ったところ、実際に激しい落雷などがあった翌日などは、「家の近所に雷が落ちた後からシャワートイレが動かなくなった」「急にトイレが動かなくなった」といった修理依頼が入ることがあるそうです。

落雷や停電後にシャワートイレが動作しない場合、まず確認したいのが電源プラグに付いている漏電保護機能。シャワートイレの電源プラグには漏電防止のための漏電保護機能が付いていることが多く、落雷による影響でこの機能が作動し、トイレの電源が落ちることがあります。

このようなケースでは、漏電保護機能のリセットボタンを押すことで、トイレが復旧することがあるため、まずは電源プラグを確認してみましょう。
※リセットボタンの形状は機種によって異なります。お使いのトイレで確認、または取扱説明書でご確認ください。

なお、この対応(電源プラグのリセットボタンを押す)で復旧しない場合は、落雷によって瞬間的に大きな電気の力がかかり、シャワートイレが故障している可能性もあります。このような場合は、自力で修理することは困難なため、トイレメーカーのメンテナンス窓口に修理を頼むようにしましょう。

暖房便座をONにしているのに、便座が冷たくなった!故障?

急にトイレの便座が冷たくなった......そんな時には、「節電設定」がONになっていないかを確認しましょう。暖房便座の中には、タイマーによって設定した時間だけ自動で暖房便座機能をOFFできる「節電設定」があるものがあります。たとえば、家に誰もいない日中など、「トイレを使わない時間帯」にタイマー節電を設定しておけば、その間は自動で暖房便座がOFFになる、というものです。他にも、「人が座っていない時間だけ便座の温度を下げてくれる設定」「あまり使わない時間をトイレが把握し、その時間のみ自動で便座を低温にしてくれる設定」など、メーカーや機種によって様々な「節電設定」があります。

中には、ボタンを押すだけで設定がONになるものもあるため、誤操作や子供のいたずらなどによって、いつの間にか節電設定が入ってしまった、ということもありえます。節電設定がONになると、一定の時間便座が冷たくなったり、思いがけず低温になったり......といったことが起こるため、故障と間違われることがあります。トイレの電源がONになっていて暖房便座の設定もしているのに便座が冷たい場合、この設定がONになっていないかをチェックしてみましょう。

急に機器が操作できなくなった!どうしよう!

ガスコンロ、IHなどの加熱機器や給湯器のリモコンなど、操作ボタンを押しているのに全く反応しない......もしかして、故障?というのもありがちなトラブルです。このような場合も、実は故障ではなく、各種制限を行うロック機能がONになっている、ということがあります。

加熱機器やリモコンなどの場合、チャイルドロックボタンを長押ししたり、レバーを動かすことでロック機能がONになってしまうことがあります。本来は小さな子供がいたずらをして設定などを変えてしまったり、お手入れ中の誤作動などを防ぐためにロックをかけられる機能ですが、こういったロック機能がONになっている場合、当然リモコンの操作ができなくなります。多くの機能が操作できなくなりますので、こちらもかなり焦りますが、ロック機能が設定されている場合、液晶画面に鍵マークなどが表示されたり、ロック中である表示が出ることもあります。いつものように操作ができない場合、まずはロック機能がONになっていないか確認しましょう。

急に点検ランプが光り始めた!どこかに不具合?

トイレや食洗機、浴室暖房乾燥機などで、ある日突然「点検」という表示が出たり、ランプが点滅することがあります。機種によっては不具合を知らせるサインの場合もありますが、「点検」の点灯は、異常や故障を知らせるものではなく、機器の標準使用期間が過ぎたことにより、点検時期がきたことを通知している......ということがあります。点検時期を通知している表示の場合は、表示が出ても機器はそのまま使用できます。故障ではないので、焦る必要はありません。しかし、多くの設備機器は標準使用期間が10年になっていることが多いため、そのタイミングで内部の部品劣化などが起きていないかの点検をおすすめするメーカーが多いです。

慌てる必要はありませんが、特に問題なく使用できている場合でも、知らないうちに内部的な劣化が進んでいたり、部品の交換時期などがきていた......といったことも少なくありません。また、生産終了から時間が経った製品は、メーカーが部品を在庫しなくなる場合もあり、いざ重大な故障が起きたときに、機器の修理がスムーズにできない、ということもありえます。点検時期のお知らせが点灯した場合は、今後も安全に機器を使うため、お使いの製品メーカーへ点検(有償)を依頼することをおすすめします。

365日毎日使っている設備機器。急に異常が起きると、慌ててしまいますが、落ち着いて対処することで、案外簡単に元の状態に戻せたり、早期に適切な対応ができることもあります。まずは取扱説明書の「こんなときは」や「Q&A」の項目を見て、該当の症状がないかどうかを確認してみましょう。

そして、記載の方法で改善しない場合は放置や自力での修理は避け、なるべく早くメーカーに修理を依頼しましょう。毎日の生活を支える大切な機器。正しい対処で長く使っていきたいですね。