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「いい家」が欲しい人必見!住宅性能表示で理想の家を手に入れよう

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「いい家が欲しい。でも、いい家ってどんな家だろう?」そう悩んでいる人はいませんか?
住宅性能表示制度を活用すれば、あなたの望む「いい家」が手に入るかもしれません。
実際に性能表示制度をどのように活用していけばいいのか、内容やメリットについてご紹介します。

性能表示制度とは

性能表示制度とは、住宅品質確保法に基づいた制度で、国土交通省に認定された第三者機関が家の性能を評価してくれるものです。
消費者が質の良い住宅を取得することが主な目的となっており、購入時に複数の住宅を比較する場合や、家を建てるときの指針として有効です。
なお性能の表示は消費者にも分かりやすい等級や数値などで表されます。

住宅性能表示制度を利用する場合はどうする

性能表示制度の利用方法を、注文住宅の場合で見てみましょう。
最初に設計段階で評価機関に評価の申請を依頼します。
評価機関は建築主が希望する性能を有した住宅かどうか、設計図で評価します。
これが「設計住宅性能評価」です。

次いで、建設工事・完成段階にも複数回の確認が。
設計図のとおりに工事が進められているかをチェックする「建設住宅性能評価」が行われます。
基準を満たした住宅は「住宅性能評価書」が交付されます。

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「いい家」を判断する10分野のものさし

住宅性能表示制度の長所は、評価できる分野が広い点でしょう。
「いい家」の基準は人によって違うため、ひとつの価値観で良し悪しを決めることはできません。
その点、住宅性能表示制度は10分野で評価をすることができるので、自分たちのこだわりたい部分を追及することができます。

性能表示制度の分野と等級

新築住宅の場合、評価できるのは全部で10分野32項目に及びます。
各分野の内容をご紹介しましょう。

1 、地震などに対する強さ

地震や暴風、大雪など外部の力にどの程度耐えられるかを評価します。
損傷・倒壊・崩壊のしにくさなどが対象で、柱・はり・主要な壁・基礎などの構造躯体を確認します。

2 、火災に対する安全性

火災時の安全が確保できる住宅かどうか、主に「人命・体を守れるか」「財産が守られるか」の2つを軸に評価します。
出火時の感知・警報や延焼のしにくさなどが対象です。

3 、柱や土台などの耐久性

住宅に使われている材料の劣化について評価します。
劣化の進行を遅らせる対策として構造躯体に対し防腐対策・防蟻対策・防湿対策などがされているかどうかで判断します。

4 、配管の清掃や補修のしやすさ

給排水管、給湯管及びガス管の日常の維持管理が対象です。
清掃のしやすさや点検・補修のしやすさなどを評価します。
具体的には配管が内外装によって隠されていないか、交換や工事がしやすいことなどをチェックします。
共同住宅専用の評価項目が多いです。

5 、省エネルギー対策

エネルギーの使用量を削減できる住宅かどうかを評価します。
例えば冬なら、日射を取り入れ、暖かい空気を保つ気密性を有しているかなどです。

6 、シックハウス対策・換気

シックハウス症候群の対策がとられているかどうかを評価します。
使用建材が化学物質をどの程度発散するのか、換気対策はとられているかなどが対象です。

7 、窓の面積

室内が適度な明るさを保っているかを、主に窓の面積と方位で評価します。

8 、遮音対策

足音や生活音の対策がどの程度とられているかを評価します。
遮音の必要性が高い共同住宅専用の評価項目が多いです。

9 、高齢者等への配慮

主に介護時の移動が容易か、介護者の介護がしやすいかなどを評価します。
段差の有無や車いすが通れる広さかどうかなどを確認します。

10 、防犯対策

不正な外部侵入を防ぐための対策として、開口部の侵入防止策がとられているかを評価します。
玄関や勝手口はもちろん、窓も確認対象です。

建物の耐久性や耐震性など、構造の安全性に関するものだけでなく、遮音やバリアフリーなどといった住みやすさも対象です。
これらは、見た目や簡単な間取図からでは性能を判断しにくい項目が優先的に選ばれています。
消費者に寄り添った制度といえますね。

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新築物件における性能表示制度のメリット

性能表示制度を活用すれば、注文住宅ならばこだわりを反映させて家を建てることができますし、建売住宅・マンション購入の場合も物件を相互比較するのに役立ちます
他にもメリットがたくさんあるので、詳しく見てみましょう。

適合証明の手続きを簡略化できる

全期間固定金利の住宅ローンである「フラット35」を利用するとき、手続き簡略化のメリットがあります。
住宅がフラット35の利用条件を満たしていることを証明する適合証明書が必要ですが、性能表示制度にて一定の要件を満たした住宅は、フラット35における設計・中間現場検査の手続きを省略することができます。

地震保険の割引やトラブル時に心強い

損害保険料率算出機構によると、地震保険に加入している世帯は年々増えています。
地震保険料の料率は法令で定められているため、値引きや節約はなじみませんが、基準を満たした住宅は優遇されます。
性能表示制度で耐震性や免震性が確認されれば、10~30%の割引きを受けることができるのです。

さらに住宅の性能・請負契約・売買契約などトラブルが起こった場合、指定住宅紛争処理機関である各地の弁護士会に解決を依頼できます。
しかも、紛争処理の手数料は1件あたり1万円と決まっているのもうれしいです。
訴訟となると二の足を踏んでしまいがちですが、これなら相談しやすいですね。

将来、転売することになった場合のメリットもあります。
基準を満たした住宅に交付される「住宅性能評価書」を活用すれば、転売時に住宅の性能をアピールすることができるからです。

性能表示制度の注意点

欲しい家のニーズを的確に満たしてくれる性能表示制度ですが、逆に制度に振り回されないようにしましょう
10分野すべてにおいて高性能な家を求めてしまうと、高額な家になってしまう可能性が高いです。
そもそも、「7 窓の面積」を広くして等級を上げると「1 地震などに対する強さ」が弱くなる可能性があることも。
このように10分野の性能は、互いに相反するものもあります。
あくまで、優先順位をつけ、重要なものの等級にこだわるようにしましょう。

表示制度は項目ごとに評価が分かれており、基本的に分かりやすいですが、勘違いをしてしまう可能性がないわけではありません。
適切に優先順位をつけるためにも、内容をよく理解して利用しましょう。

性能表示制度をうまく活用しよう

耐震性や省エネ性能、耐久性など、家の価値はさまざまで、何を重要視するかは人によって違います。
自分にとって譲れない性能がきちんと確保されている住宅が、その人にとっての「いい住宅」といえるでしょう。
性能表示制度を活用して、納得のいく家を手に入れたいですね。

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