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共働き夫婦の家事、うまく分担するコツは?

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多くの家庭で、妻への負担が大きくなりがちな「家事の分担」。共働き夫婦の場合、先入観なしで考えると、家事の分担は半々であるべきでしょう。実際にはどのくらい分担ができているのでしょうか。
今回は、共働き夫婦の家事分担の現状や、分担のコツなどについてお伝えします。

共働き夫婦の家事分担、その理想と現状

共働き夫婦の間で家事を分担する際、「半分ずつ」が公平と考えられます。
しかし、現実は理想からかけ離れているようです。いくつかのデータを参考に、現状を見ていきましょう。

家事分担は、夫10~20%、妻90~80%という家庭が多い

マクロミル株式会社が2018年10月に実施した、フルタイムの共働き夫婦1,000名を対象にした調査によると、家事分担比率の理想は「夫50%妻50%」と答えた人が40%で最多だったものの、現実の割合は、「夫10%妻90%」との回答が20%、次いで「夫20%妻80%」の回答が20%弱という結果でした。また、家事について「妻がほとんど担う」と回答した人は27%に上り、3~4件に1件ほどの家庭で妻がほぼすべての家事を担っていることが分かりました。

「炊事」は分担が進まず

結婚情報誌「ゼクシィ」が2013年8月から9月にかけて行ったアンケート「イマドキ夫婦の家事分担」では、「以下の家事を主に誰が担当していますか?」という問いへの回答から、新郎が担当しているケースが多かった家事は「ゴミ出し」(61%)や「家電や家具の修理や検討」(59%)であることが分かりました。一方、「炊事」は分担が進まず、新郎が担当しているという回答は6%にとどまっています。

平日・休日ともに家事を1時間もしない夫が多い

一般社団法人ストレスオフ・アライアンスが2018年に全国の20~69歳の既婚有職男女それぞれ7万人に行った調査では、「約80%の既婚有職男性は、平日も休日も家事を1日1時間もしない」ことが判明。
また、休日に3時間以上家事をする女性は16.8%いるのに対し、男性は2.4%にとどまっていることも分かりました。

こうした調査結果から、多くの家庭で妻に家事の負担が大きくかかっていることが分かります。また、分担を進めている家庭においても、炊事は妻が主に行うなど、家事分担の偏りがあることも分かりました。それでは、こうした偏りをなくし、妻の負担を減らすにはどうすればよいのでしょうか? 次に、家事をうまく分担するコツを見ていきましょう。

家事をうまく分担するコツ
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共働き夫婦がうまく家事を分担するコツは、厳密にはそれぞれの家庭の事情により異なってきますが、一般的には次のような方法が考えられます。

  • 得意なことを受け持つ
    お互いに、なるべく得意なこと、好きなことを担当するというのが、分担を成功させるひとつのコツです。得意なことというのはスピーディーにこなせる場合が多く、また、好きなことをするのは苦にならないため継続しやすいでしょう。そのため、夫婦で家事に割く合計の時間が減り、お互いにストレスがたまりにくいという好結果を生みやすいのです。

  • お互いの職場を考慮する
    職場のロケーションや帰宅時間を考慮したうえで、それぞれが受け持ちやすい家事を担当すると効率的です。例えば、「夫婦のうち、職場からの帰り道にスーパーマーケットがある方が夕飯の材料を買う」といった分担の仕方をします。

  • 分担表を作って貼っておく
    分担表を作って貼っておくのもおすすめです。目に見える形にしておくことで、「これはそっちの担当だったのでは?」といった余計なトラブルを避けることができます。ただし、分担表は一度作って終わりではなく、仕事や出産・子育てといったさまざまな事情の変化に合わせて、定期的に見直す必要があります。その時々で最も効率的に家事をこなせる分担を考えるとよいでしょう。

  • 家事のやり方を伝授する
    お互いに家事のやり方を丁寧に教え合うというのも、家事分担を成功させる秘訣(ひけつ)のひとつ。固定的な考えで、意外に要領の悪い方法で行っている場合があります。一度お互いの家事のやり方をチェックして、改善点があるようなら、優しく提案し合ってみましょう。やり方が改善されたらその家事を負担に感じにくくなる可能性があります。ただし、家事のベテランである妻が、家事初心者の夫に何でもかんでも自分のやり方を強要するのは逆効果。夫のやる気をそいでしまいます。

家事動線を見直したり収納を増やしたりする工夫を!
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家事を分担してお互い不満なく続けるためには、家事の負担自体を軽減し、スムーズにできるようにする工夫も有効です。

例えば、洗濯が終わったあとアイロンがけをしたくても、アイロンを置いている部屋が離れているためあと回しになってしまったり、掃除をしたくても掃除道具をしまってある場所が玄関の方で取りに行くのが面倒になってしまったりといったことはありがちです。

そういった事態を避けるため、洗濯、料理、掃除などの動線を見直し、可能であれば家具の配置や物の置き場を変えて、家事をしやすくしてみましょう。

また、キッチンに置いてある余分なものを整理して、夫婦2人が並んで作業できるようにすれば、料理の時短にもなるでしょう。そういった意味では「適材適所」に収納を設けることも家事負担軽減のコツです。キッチンやリビング、寝室、洗濯機置き場、トイレなど、それぞれに適切な収納を増やすことで散らかりにくくなり、掃除の手間を省ける可能性もあります。

これからリフォームや新築の予定があれば、家事動線を意識した設計をお願いするのもよいでしょう。

『MOTENA PLUS』(http://www.inos-ie.com/lineup/motenaplus.html)では、家事がはかどる動線や家族みんなが進んで片づけたくなるような収納をご提案しています。洗濯、料理、掃除といった基本的な家事がスムーズに行えるようになれば、よりゆとりのある暮らしが実現できるでしょう。働く女性にとって家事の時短は大きな課題のひとつ。家事を分担しても家事にかける時間がなかなか減らない場合は、『MOTENA PLUS』の動線計画を家づくりの参考にしてみてください。

家事にかける時間を夫婦で短くしよう

家事の分担を決めたら、基本的にはお互いに責任を持って担当しつつ、手が空いたら相手の担当分も手伝うというように柔軟に対応していきましょう。できるだけ家事動線も考慮した環境で、夫婦で協力し合いながら効率的に家事をこなしていきたいですね。