INFORMATION家づくり便利帖

  • 建物のはなし

2019.12.23

やっぱり日本人!? 畳のある家がほしい?

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和室は必要だと思いますか?

以前、お客様のプラン要望に和室がないことが多かった時期があったのですが、最近はリビングに接する和室や畳コーナーが欲しいとの要望をもらう事が増えています。
和室は使わないから。お客様が泊まることも少ないから。畳に座る習慣がないから。
和室が要らないといっていた理由はいくつもあると思います。確かにフローリングに椅子やベッドを使用した生活が次第に当たり前の時代になってきています。床に直に座るよりも椅子に座った方が楽です。
そのため正座が苦手な人も増えているのでしょう。

では、フローリングだけの生活で充分だと思いますか?
昔の家には和室があり、続き間になっている事も少なくありませんでした。茶の間は今のリビングダイニングであり、家族が必ず集まってご飯を食べたり、テレビを見たりする場所でした。昔は一家に1台しかなかったテレビが茶の間に設置されていて、家族が集まる場所となっていました。家族が団欒をする場所である茶の間は、テーブルの代わりにちゃぶ台があり、冬にはちゃぶ台がこたつに変わっていました。まさに畳の生活です。

和室しかなかった昔の家

昔ながらの古民家を見学する機会がある方はすぐに気がつくと思いますが、昔の住宅は和室と土間で構成され、廊下や水廻りや囲炉裏の周りに板の間があるくらいで、洋室と呼ばれるようなフローリングを床に貼った部屋を見かけることはないと思います。(洒落た洋風の住宅にはフローリングの部屋はありましたが。)

茶の間と寝室。常に床での生活をしてきた日本人にとって、畳は今のフロア材と一緒の役割を持っていました。フロア材と違うのは硬くなく、冷たくないというところです。靴を脱いで家の中で生活している私たちにとっては最適な床材だったと思います。

畳のある部屋であれば、ちゃぶ台を置けば食事をするスペースになり、布団を敷けば寝室になります。洋間のように1つの部屋が1つの役割のためにあるのではなく、用途によって様々な形に姿を変える事ができるのです。その代わり、和室は気密性や防音といった性能面では今とは比べものならなかったかもしれません。

続き間の役割

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廊下もなく部屋同士をふすまという建具で仕切られている昔ながらのプランは、建具を取り外すことで全ての部屋が繋がり、広い空間が出来上がります。なぜそのような作り方をしていたのでしょうか。

今では冠婚葬祭(結婚式やお葬式等)をホテルやレストラン、葬祭場といった広い場所で開くようになりましたが、以前は自宅で全てをとり行なっていました。人を多く呼ぶためには広い空間が必要だったのです。今ではあまり残っていない習慣でしょうが、隣近所が助け合っていた頃だからこそできたことだと思います。

通常の生活では間仕切りである建具(ふすまや障子)を閉じて個室のように使い、広い空間が必要な場合はその建具を全て取り払って広く使っていました。とても合理的な使い方だと思います。

今の和室の使い方

プランを打合せする際、以前は小さい家では和室を作るくらいならリビングを広くしたいといった要望が多かったのですが、最近では小さくても和室や畳スペースを作って、お客様が来たときの接客や泊まるためのスペースとして使用したいといった要望に変化してきています。
確かに、家全体の坪数が予算の関係でどんどん小さくなってきているため、必要最低限のスペースを要望するお施主様も少なくありません。それでも和室や畳スペースを上手く使用したいと思う方も増えているのだと思います。
畳のスペースがあったらどんな事をしますか?
どんな事に使用しますか?

これからの畳のある部屋

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今の時代の提案の仕方は、畳の部屋を和室として独立した部屋とするのではなく、リビングと隣接した使い方をお勧めします。リビングと隣接させても、建具で仕切ることできちんと個室としての使用が可能になり、お客様が泊まっても大丈夫な空間を確保する事ができます。
それでも一番考えてほしいことは、日常生活での使い方です。
リビングに近いことで、小さなお子さんを畳スペースで遊ばせる事もできます。キッチンで家事をしていても、確実に目に入る場所なので安心です。また、フローリングと違って硬くないので、転んだときに怪我をする可能性も減ると思います。

また、子供が遊ぶのはやはり床だと思います。フローリングの上でおもちゃを広げて遊ぶのも良いのですが、畳の上であればおもちゃでフローリングが傷ついてしまったり、遊んでいる途中で寝てしまっても、冷たくないのでそのまま寝かせておく事も可能です。
子供だけではなく大人でもソファやベッドで寝るのではなく、ちょっとごろりとしたい瞬間があると思います。本を読みながらやお昼寝でごろり。そんなちょっとしたごろりとできるスペースとして畳コーナーを提案することもあります。

クリスマスツリーはリビングの片隅に置いても良いですが、雛人形や五月人形といった日本特有の行事で飾るものはやはり和室に飾りたいと思う人も多いでしょう。確かに、収納や飾るスペースを考えると、だんだん人形のサイズは小さくなって洋室に飾る事も可能になってきました。でも、やっぱり見栄えのする和人形は和室に飾りたいですね。

一方、要望で増えてきているのがシューズクロークや納戸(収納スペース)です。将来、それらのスペースの替わりに畳のスペースは削られてしまうのかもしれません。お客様のプランの要望として『絶対欲しい』スペースになるのは難しいのかもしれません。それでも設計者としては、様々の用途に使用できるマルチスペースとして、和室を提案したいと思っています。

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