家族を育てる家

イノスの家の工務店

新潟県燕市「住まいづくりを通して地域と発展します!」~滝本工務店 滝本社長インタビュー~

東京駅から新幹線で約2時間、新潟県のほぼ中央に位置するのが、本日の舞台となる燕市。ご存知の方も多いでしょうが、日本有数のモノづくりのまちです。

スプーン、フォークの国内生産シェアは95%以上、フライパンや鍋、包丁などのキッチンツールに関しては、国内有数の製造拠点です。それだけではなく、名僧良寛が愛した国上山、日本さくらの名所100選にも選ばれている「大河津分水桜並木」などの観光名所でも有名です。コシヒカリやトマトにキュウリ、ラーメンに釜めし等の、美味しい食文化も魅力に加えたい食のまちです。

人と自然と産業が調和したまち「燕市」にて、滝本工務店 滝本社長へインタビューしました。

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滝本工務店の紹介

起業は終戦間もない昭和20年、祖父が大工としてスタートしました。父が後を継ぎ、私が生まれた頃、昭和43年に㈲滝本工務店となりました。私で3代目。祖父の代から77年間、この場所でやっています。

スタッフを紹介しましょう。まずは大工さんから。40年以上勤めてもらっている大ベテランの大工さん2人を始めとして、40代1人、20代の若者大工3人と、社員大工は7人います。加えて、現場監督2名と母と妻、パートさん1名の合計13名です。若い3名の大工は立派な大工になるよう、みんなで育てています。

木造は、伝統技術、未来永劫継承していかなければならない。墨付け、手刻みを今でもやる。手刻みが出来る大工さんを育てていきたいと考えています。

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経営理念

「住まいづくりを通して地域と発展します。」

「ネットワークを通して、快適でエコな暮らしを実現します。」

「社員・パートが一人一人幸せで、働きがいある会社を目指します。」

この三つを掲げ、日々地域に貢献できるよう努力しております。

住宅のコンセプト

以前まで、自然素材をふんだんに使う事をアピールしていましたが、今はSDGs、環境に配慮した家づくりを心掛けています。地球環境を重視し、再生できない資材を極力避けながら、最後は土に還る素材を極力使用しています。木材をふんだんに使い、廃材も利活用。地球環境にやさしい家づくりを重視、広めて行きたいと考えています。

滝本工務店の強み

大きな会社ではありませんが、反面、狭い商圏に拘りを持って仕事をしています。営業エリアは、燕市、弥彦村、三条市、新潟市、長岡市、加茂市、他。特に半径1.5キロ圏内、5,000世帯に力を入れています。ご依頼を受ける仕事は細かい工事が多いです。お客さんからも小さくて頼みづらい工事と言われますが、そんなことはありません。遠慮がちなお客様にはいち早く訪問し、さっと問題解決します。困っている地元の人たちの力になり、頼られ、仕事を通じて地域に貢献出来るところが強みになるよう、日々努力しています。

滝本社長が家業を継いだきっかけは?

昔から家には住み込みの大工が常時2、3人いて、小さい頃から、木っ端を削って遊んでいました。子供ながらに、将来は大工になるんだなぁと思っていました。中学からバトミントンを始め、大学はバトミントンで進学。建築とは関係ない法学部を卒業。就職は迷いました。その当時流行っていたドラマ、高嶋政伸の「HOTEL」に憧れていた頃です。ホテルマンになる?か、それとも、親の姿を見て育った、将来大工になる思いを実現するか?色々悩んだ結果、東京都新宿区の木造注文住宅の工務店に就職しました。大工と思って入社しましたが、配属になったのは現場監督。ちょうどバブルの頃、世田谷近辺の高級住宅街の仕事が多く、とにかく忙しく朝から晩まで働いていました。狭い道路、狭小地、工事も大変でしたが、かなり鍛えられました。会社からは、すぐに認められて多くの現場を任されましたが、プレッシャーとなった時期もありました。7年間修業し、29歳で実家の滝本工務店に入社。滝本工務店に入って、父親の会社と修行した会社との動きに大きな戸惑いを覚えました。今まで朝から晩までバタバタ働いていたのが、父親の会社はユッタリとした雰囲気。こんなのでうちの会社は大丈夫なのかと、父親とは毎日ケンカです。しかし、要望を言うだけで何もしてない自分も確かにいました。そして、このままではいけない、何とかしなくてはと思い、中小企業家同友会に入り経営の勉強をしました。衝撃的でした。そこで、考え方が変わってきたのです。「よい会社、よい経営、良い経営環境」、経営の勉強、セミナー、例会、グループ討論と、たくさん勉強しました。全て新鮮。人前で話せなかったけれども、話せるようになり、問題は全て経営者の責任と理解しました。今でも中小企業家同友会には参加し、気づきをもらっています。異業種の方からの学びも多くあります。平成20年に社長となり、経営を引き継ぐ。基本を大切にし、挨拶、安全を重要視しています。

イノスグループに入ったきっかけ

私が滝本工務店に帰ってきたときは、すでにイノスに入会していました。イノスグループ発足当初からの会員です。私が思うには、住宅は絶えず進化しています。構造の進化、法令の改定、様々な情報、とても工務店一社では対応できません。そこを埋めてくれるのがイノスグループです。半面、地域の工務店が住友林業とタイアップする事によって、まだまだ伸びる可能性は十分あると思います。イノスの現場チェックは、細かい所まで突っ込んで来ます。ここまでやるか?と思う事もありますが、新しい発見もあります。雨仕舞の納まりに関してはリフォームにも参考になっています。

イノスの家の施工実績

当社は、大型リフォームから細かい修繕までを含めてリフォームが売り上げの約70%です。地域密着でリフォームが多い会社です。引渡済みオーナーは1,000件ほどいらっしゃいますが、新築住宅は年間2~3棟ほどです。イノスに入会以来、建てて来たイノスの家は、累計70棟くらいです。

新しい事もやっていきたい

2021年12月に不動産事業部を起ち上げました。実際の業務は、土地探しからのお客様への不動産仲介業が多いです。普通、土地をお持ちでないお客様は、住む土地を探すために、まず不動産屋へ行かれます。不動産屋は、区画整理されたきれいな土地、売りやすい土地を紹介してくれます。しかし、それがお客様にとってベストとは限りません。お客様には様々な事情がおありでしょうし、ご予算もあるでしょう。私達にお考えの情報を頂ければ、色々なご提案ができます。例えば、お客様がお持ちの土地が、三角形や変形土地のようなプランニングの難しい場合でも、そこに合わせた建物のご提案が出来ます。また、土地建物の総予算をご提示できますし、仲介なので予算が合わなければ他の工務店も紹介できます。

一方、売主様にとっては、売れない土地を売る事が出来ます。他社ではやりにくい土地の案件でも、解決策を持って買主様と売主様の双方に喜んでいただけます。どのような土地に対しても、建物を組み合わせたご提案を可能とするビジネスモデルを進めて行きます。

そうそう。不動産事業をする為に、事務所をリニューアルしました(2021.12.19オープン)。これを機に、防災とキャンプのイベントを始めます。災害時の料理など、楽しみながらためになるイベントも色々出来ます。やりたい事は他にもいっぱい、山ほどある。異業種にも参入したい。コロナ化で多くなってきたキッチンカーでの米粉のカレーパン販売なども面白そうです。キッチンカーはお洒落ですよ。キッチンカーの屋台部分を滝本工務店で作ります。

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家づくりをしてよかった事

何よりも嬉しいのは、お客様からのありがとうのお言葉です。滝本工務店の一社員が褒められる事は最高。長年おつきあいしているお客様が、次のリフォームや新築をまた滝本工務店に依頼してくれるのがとても嬉しいです。街を歩けば、お客様とすぐに出会えるのが、地域密着工務店です。「先日はありがとうね」のお言葉をかけて頂けると最高に嬉しいです。社員が一丸となって、困っている人の手助けが出来ていることを肌で感じています。

これから家を建てる方たちへ

環境は切っても切れない大切な事柄です。住宅は、様々な素材で出来ています。私たちは住宅に木をふんだんに使う。使った後は極力土に返すことが出来る素材を使う事が基本です。こういった事を心掛けるだけでも、環境負荷が少なく、住まう方にとっても良い暮らしが出来ると思います。住宅に、なるべく自然にやさしい、環境にやさしい素材を使う事が、住む人が快適な環境で暮らせる事をお伝えしたいです。

イノスから見た、滝本工務店。

様々な事を吸収しようとする勤勉さ、実直さが、滝本社長にお会いする度に伝わります。滝本社長はバイタリティに溢れており、地元愛にも溢れている。それは、28年前のイノスグループ発足時から受け継がれて来ている、地域工務店と一緒に歩んでいく住友林業の考え方と結びつきます。これからも大手ハウスメーカーのノウハウ+地域工務店の良さを滝本工務店様と共に伝えていきたいと思います。

取材協力:㈲滝本工務店

http://www.takimoto-ie.jp/