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あなたは大丈夫?トイレのNGな使い方【後編】

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つい無意識にやってしまいがちな「トイレのNG」。今回は前回に続き、トイレのトラブルに繋がりがちな使い方をご紹介します。
前回記事はこちら

面倒だからトイレに流しちゃおう!は危険です。流れず故障の原因に。

例えばティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの紙製品、吸水パッドや脱脂綿で出来た生理用品、ポケットから出てきたゴミなど。あなたは「トイレに流してOKなもの以外」を日常的に流していませんか?これらはペーパーとは違い、水には溶けませんので、詰まりの原因になることがあります。最近のトイレは15~20年前と比べると、格段に節水能力が高くなっています。ひと昔前は大洗浄8Lで節水トイレと言われていましたが、現在はその半分程度にまで洗浄水量が減っているものもあります。下水の配管に繋がる便器の汚物排水口(穴)の直径は10㎝以下で、排水口の先の配管も太くはありません。小さなものでも水の中で膨張したり、流れずに引っかかることで、その上からペーパーなどがさらに溜まってあっという間に配管が塞がってしまい、詰まりが発生してしまうのです。

他にも、ボールペンや小物、おもちゃなど、うっかりトイレに落としてしまった場合、「トイレに落ちたものを触りたくないから」とそのまま流すボタンを押すのもNG。異物をトイレに落とした場合、水を流す前に拾い出してください。もちろん、残飯をトイレに流したり、ラーメンの残ったスープを流したり......といったことも、NGです。このようなことを繰り返すと、配管の内側に油が溜まる可能性があり、これも詰まりの原因になります。

意外なものとしては、海外製のトイレットペーパーやお掃除シートなども要注意。海外製のペーパーやお掃除シートの中には日本のトイレに流すことを想定して作られていないものもあり、水に溶けにくいなどの原因で詰まりを起こすこともあります。水に流した後、紙が戻ってくるなどの場合、一度に流す量を減らしたり、トイレに流すことを控えましょう。「トイレの詰まり」はメーカー保証期間であっても「保証」に該当しません。ラバーカップでは解決できない場合、便器を外しての修理や、配管の奥深くに詰まると(屋外の排水桝付近で詰まりが起きていたケースもあります)高圧洗浄等対応が必要となり、修理費用が高額になる可能性もあります。

定期的なお手入れを!存在を忘れがちな「脱臭フィルター」。

今や快適なトイレに欠かせない機能となった「脱臭機能」。トイレ内のファンが動作し、匂いを吸い取り、カートリッジが匂いを吸着することで、排泄時の匂いを軽減してくれています。その際に、内部にホコリや塵などが入り込まないように、トイレには「脱臭フィルター」が付いています。機種により設置場所は違いますが、この「脱臭フィルター」はトイレ本体のサイドや便座の裏などに設置されており、一般的には月に1回程度のお手入れ(表面のホコリなどを取る)をおすすめしています。

脱臭フィルターの掃除をしないと、フィルターが目詰まりして十分な脱臭効果が発揮できなくなることはもちろん、フィルターとしての機能が働かなくなり、本体内部にホコリなどが入り込みます。それによって内部の電子部品に影響が出るなど大きな故障にもつながりかねません。便器や便座などにくらべると目立たず、お掃除時にもついつい忘れがちな「脱臭フィルター」。「脱臭機能はあるけれど、そういえば......掃除なんてしたことがない」という方は、ご自宅のトイレの脱臭フィルターの汚れをチェックしてみてください。

便座・便蓋カバーを取り付けていませんか?それ、NGかもしれません。

可愛い色柄やモコモコの便座・便蓋カバー。ついつい付けてしまいたくなりますが、最近のトイレは、機種によっては「NG」とされていることもあるので注意が必要です。オート蓋開閉機能ありのトイレの場合、カーバーがセンサーを覆い隠すなどして、誤作動を起こすことがあります(人がずっといると認識するなどして閉まらなくなるなど)。

また、前回の記事で取り上げたスローダウン機構は油圧や機械制御で動きますので、便蓋、便座が重くなることで軸に負担がかかり、故障の原因になることも。お使いのトイレの取扱説明書に「便座・便蓋カバーを取り付けないでください」とある場合はカバーを付けずに使用しましょう。無理な使用は動作不良、破損、内部部品の故障などに繋がります。

こんなところが不具合の原因?!センサー部分をお掃除せずに放置したら...

最後にご紹介するのは、少し意外な箇所です。先の項目でも触れましたが、今のトイレは近寄ると自動で蓋が開く「自動開閉機能」搭載のものがあります。こういったトイレで稀に起こる不具合で「蓋が自動開閉しない」ということがありますが、自動開閉がONになっていて、リモコンの電池もきちんとセットされている場合、センサーの汚れをチェックしてみてください。

自動開閉機能のあるトイレは、本体やリモコンの人体検知センサーによって人が入室した際の熱の変化(人の動き)を検知し、蓋が自動で開くようになっており、このセンサー部分に汚れやホコリがついていると蓋がうまく開閉しない、といったことがあります。普段あまり気に掛けることのない箇所ですが、お掃除をする際は普段からトイレ本体のセンサー部分のホコリなどもやわらかい布で拭き取っておくと良いでしょう。(センサーの場所は機種によって異なります。お使いのトイレの説明書でご確認ください)

前回・今回と「トイレのNGな使い方」をご紹介しました。「これくらい」という誤った習慣が、トイレのトラブルに繋がってしまうかもしれません。ご家族で一度「トイレの使い方」について話し合ってチェックをしてみるのもおすすめです。「正しい使い方」で、お気に入りのトイレと、長くお付き合いしていきたいですね。