家族を育てる家

暮らしのアイデア

レンジフードのお手入れ、どうしていますか?大掃除前に確認しよう

pixta_70513794_S.jpg

油を使うことが多いキッチンは、日ごろの汚れの蓄積で、掃除が最も大変な場所のひとつです。中でも、レンジフードはこってりとした油汚れが付着し、考えるだけでも掃除が憂鬱になる人も多いのではないでしょうか。しかし、本当にレンジフードのお手入れは「やっかい」なのでしょうか?もしかしたら、掃除をせずに長期間放置をしていることが汚れを悪化させ、お掃除を面倒にさせている...‥のかもしれません。今回は大掃除で「一番やっかいな場所」レンジフードのお手入れについて、確認していきましょう。

レンジフードのお掃除は一年に一回でOK?......答えはNOです!

そもそも、レンジフードのお手入れはどのくらいの頻度でおこなうものなのでしょうか。「え?年に一回、大掃除の時しかやっていないけれど、それじゃダメなの?」と思ったとしたら、正しい頻度でのお手入れができていないかもしれません。製品により様々なタイプがありますが、レンジフードにはお掃除が必要な箇所がいくつかあり、部品によってお掃除頻度が異なります。

例えば、レンジフードには、ファンが煙を吸い込む前に油分を捕らえ、内部に油が入るのを防ぐ「フィルター」や、油を集める「オイルトレー」といった部品があります。これらの部品は油で汚れやすく、「月に一回程度」がお掃除の目安とされていることが多いのです。お料理の頻度や使用状況によっても汚れ方は変わってきますが、一年に一度のお手入れでは少ないといえます。

また、汚れには段階があり、油汚れが固まって部品の素材に粘りついた状態になると、簡単には落とせなくなります。油が付着した状態で長期間使い続けると、酸化した油でフィルターや部品の塗装面が変質し、塗装はがれの原因にもなります。変質が進むと、力を入れて汚れを落とそうと擦っただけで、塗装がはがれることがあります。このような状態になるまで放置するのではなく、取扱説明書などで各部品ごとのお掃除頻度を確認し、適切な時期にお手入れをすることで、汚れの固着を防ぎましょう。

フィルターやオイルトレーは汚れが頑固になる前に!こまめなお手入れを。

フィルタ―やオイルトレーといった部品は、一か月に一回程度汚れ具合をチェックし、汚れていればやわらかい布やキッチンペーパーなどで油をふき取ります。その後、ぬるま湯で薄めた台所用中性洗剤をやわらかいスポンジや布に含ませ洗います。少々手間ではありますが、汚れの段階が進んで頑固な汚れになる前に、早めにお手入れをすることで、比較的簡単に汚れを落とすことができます。フィルタ―やオイルトレーはレンジフード内部の手前に取り付けられていることが多く、着脱も容易なものが多いため、面倒臭がらずにコンロやグリルなどをお手入れする際に一緒に手入れを済ませてしまいましょう。

整流板やフードなどの落ちにくい汚れには湿布法を。

レンジフードには、ファンの換気効率を良くするために入口に整流板という板が取り付けられていますが、この板や、フード部分も日ごろの調理の油煙を受けて汚れが付きやすいため、こまめにチェックをしましょう。お手入れの際には台所用中性洗剤を布に付け、汚れを拭き取ります。溝の部分なども汚れが溜まりやすいため、要チェックです。どうしても汚れが落ちにくい......という場合、外して丸ごと洗うことができないフード部分や、整流板などには「湿布法」がおすすめです。水で薄めた台所用中性洗剤を含ませたキッチンペーパーを、汚れた箇所に貼っておき、15~30分程、置いておきます。こうすることで油汚れを浮かすことができます。最後にペーパーで汚れを拭き取ります。

ベタベタ汚れがなかなか落ちない部品は、つけ置きで。

フィルターや部品の汚れが激しく、ベタベタがなかなか落ちない時には、「つけ置き」を試してみましょう。40℃くらいのお湯をシンクや桶、大きなビニール袋などに溜め、台所用中性洗剤を入れます。30分程そのままつけ置きし、汚れを緩めます。その後洗剤が残らないように水洗いし、水気をとってから取り付けます。
※熱湯につけ置きすると、部品が変形するおそれがありますので、ご注意ください。

フィルタ―や部品の中には、食器洗い乾燥機で洗うことができるものもありますが、多くの製品は塗装がはがれるおそれがあるため、「食洗機NG」となっています。「手洗いは面倒だから」と食洗機の使用を考えている場合、取扱説明書で「食洗機に入れて良いものかどうか」を事前に確認するようにしましょう。油汚れは酸性のため、汚れがひどい場合、アルカリ性洗剤が有効なこともあります。しかし、洗剤によっては素材との相性が悪く、塗装のはげや傷につながることもありますので、アルカリ性洗剤を使う場合は、洗剤に表示されている使用上の注意をよく読み、目立たないところで試してから使用することをおすすめします。

大掃除の時にはシロッコファンもしっかりお手入れを。

大掃除の時など、レンジフード内部をお手入れをする時には、シロッコファンなど大きな部品も外して洗いましょう。ファンの羽根にはクリップ状の金具が付いていることがありますが、これはファンの回転バランスをとるために、「おもり」の役割をする部品のため、絶対に外さないようにしてください。外してしまうと、回転が安定しなくなり、吸い込みが悪くなったり、異音の原因になります。シロッコファンも汚れがひどいときは台所用中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きしてから、やわらかいスポンジや布で洗っていきます。羽根と羽根の間など、細かい部分の汚れは歯ブラシなどで擦り取ります。

大きな部品を外す前には必ず用意を!掃除の時に意外と起きがちな事故

シロッコファンや整流板など、大きな部品を外してお手入れをする際には事前の用意も大切です。大きな部品を外す際にうっかり手を滑らせたり、きちんと定位置に戻らなかったりした場合、部品が落下し、思わぬ事故につながる危険があります。特に、レンジフードの下にガラストップの加熱機器などがあった場合、落下の衝撃で割れてしまうこともあります。ワークトップやキッチンパネルにぶつかれば傷になります。お掃除でキレイになるはずが、機器や天板が破損......という事態は絶対に避けたいですよね。タオルなどでレンジフード下の機器やワークトップを覆ってからお手入れをおこないましょう。

お掃除時期は真冬より、温かい季節がおすすめ。早めに着手を!

大掃除、というと年末を思い浮かべますが、レンジフードなど「油汚れ」が多い箇所の場合、寒さの厳しい季節よりも温かい季節の方がお手入れに適しています。寒い時期は油も固まり、汚れが落としにくくなります。油を落としやすい温かい時期にレンジフード内部の大掛かりな掃除を済ませておけば、忙しい年末にキッチンの大掃除の手間もなくなります。

お掃除がどうしても面倒な場合は......プロに依頼という選択も。

手間のかかるレンジフードのお手入れがどうしても憂鬱で、時間をかけて掃除をしている暇もない!という場合、選択肢のひとつとして考えたいのが「プロに頼む」ということです。レンジフード内部の細かな部品や、頑固な油汚れも、分解して専用洗剤ですみずみまできれいにお掃除をしてもらえます。サービス内容や、業者によっても異なりますが、大体90~120分程度の作業となることが多いようです。気になる場合は、メーカーや業者のクリーニングサービスをチェックしてみると良いでしょう。レンジフードクリーニングがサービスメニューとして用意されていることもあります。もちろん、費用はかかりますが、年末のお掃除ストレスから解放される......と考えると検討の余地はありそうです。レンジフードのクリーニングは年末に混みあいます。業者に依頼する場合は、年末を待たずに早めに依頼をするのがおすすめです。早割キャンペーンなどを実施していることもあるので、チェックしてみましょう。

毎年「できればやりたくない......」と思ってしまうレンジフードのお掃除。しかし、適した時期に、正しい方法で掃除をしておけば、年末に慌てる必要がありません。今から少しずつ、お掃除を始めたり、計画を立てたりして、落ち着いて年末を過ごせるようにしたいですね。