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水漏れ、破損......洗面のトラブル回避のために、実践できること【前編】

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洗面化粧台のトラブルは、ある日突然起こります。いつの間にか水漏れが起きていてキャビネット内部や底板が濡れていたり、気が付かないうちに引き出しのレールが壊れてしまったり......。そんなトラブルも、実は日々の使い方やちょっとした心がけ次第で、回避することができます。今回は「洗面化粧台のトラブル回避のためにできること」について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

収納に目いっぱい物を詰め込んでいませんか?詰め込みすぎはトラブルの元!

最近の洗面化粧台は収納スペースがたっぷり用意されており、洗剤やせっけんなどのストックもたくさん仕舞えるようになりました。いっぱい入るから!とついつい買い置きのボトルや箱などを下部収納に詰め込んでいませんか?無理やり物を詰め込むと、以下のようなトラブルの元になりかねません。

・引き出しが中身の重さに耐えられなくなり、レールや戸車が破損する
・収納物がキャビネットの奥にある排水パイプを押してしまい、ホースが外れるなどして水漏れが起きる

順に見ていきましょう。まず、下部収納(引き出し)に物を詰め込みすぎてしまうケース。「スペースがあるから」と、洗剤や石鹸など重いものを満杯に入れてしまうと、レール部分に負荷がかかって破損したり、戸車が割れるなどのトラブルになります。破損した場合、部品やレールの交換といった修理で済むこともありますが、引き出し自体の取り換えなど大掛かりな対応が必要になる場合もあるため、注意が必要です。「もしかして、入れすぎ?」と不安な場合、取扱説明書で引き出しの耐荷重を確認してみましょう。

次に、収納スペースの奥まで物を入れてしまい、排水パイプを押してしまうケース。ボトルや箱、掃除道具などを奥まで詰め込み、収納物が奥にある排水パイプを少しずつ押してしまうことで排水パイプの接続部分の劣化に繋がったり、管の傷み、ズレ、排水ホースが抜けるなどのトラブルが起こることがあります。この場合、水漏れが起こり、大きなトラブルになる可能性も。洗面奥は排水パイプ、ホース、水受けトレイなどが集中しています。奥まで物を詰め込むのは避けましょう。洗面台下の収納に物を詰め込みすぎると、万が一水漏れが起きた際にも、発見が遅れてしまいます。水浸しのまま放置すると、洗面台の床板や扉が反ってしまうこともあるため、要注意です。

収納物は、適量を、整頓して入れるように心がけましょう。市販の仕切りスタンドなどを活用し、上段・下段に分けて収納するなど、見た目にも在庫状況を把握できるよう工夫しておくと詰め込みすぎを防ぐことができ、万が一のトラブル時にも早く気が付くことができます。

鏡をそれで拭いちゃダメ!「くもり止めコートあり」の鏡は扱い注意!

洗面化粧台のトラブルで意外と多いのが、実は鏡。特に、「くもり止めコート」が施された鏡は、誤ったお手入れや使い方により、トラブルが起きてしまうことが多いようです。

そもそも「くもり止めコート」とは何でしょうか?「くもり止めコート」は、鏡の表面にやわらかい樹脂の膜をコーティングすることで、鏡をくもりにくくさせるものです。通常の鏡の場合、湯気が鏡の表面に付着すると光が水滴で散乱し、くもってしまいます。くもり止めコート付鏡の場合は吸水性のあるコートが水蒸気を吸収するため、光が散乱しません。鏡表面が水分で一杯になっても、水膜ができるため、くもりにくいのです。

以前はスイッチを入れてヒーターでくもらないようにする鏡が主流でしたが、最近はこのようにあらかじめ鏡表面にコーティングをした洗面化粧台が多くなっています。ヒーターと違ってわざわざONにする手間がありませんし、電気代もかかりません。しかし、くもり止めコート付鏡のお手入れには、研磨剤入りのクレンザーや古くなってゴワついた布、鏡クリーナーなどは使用できません。表面の樹脂膜にキズが付く原因になるからです。水回りのお掃除で大活躍のメラミンスポンジも、コート付鏡のお手入れにはNGです。くもり止めコートの施された鏡をメラミンスポンジのような研磨力の強いものでこすると、表面に白い傷がつきます。びっくりしてさらに強い力でこすったり、より研磨力の強いお掃除用具で汚れを落とそうとすると、白く曇ったようになってしまったり、コーティングが剥がれてしまったり......とますます悪化します。こうなると、鏡を丸ごと交換しない限りは元に戻せません。

では、コーティングのあり・無しはどのように見分けたらよいのでしょうか?「くもり止めコート」は全ての面に施されていることは少なく、例えば三面鏡の場合は真ん中一面だけに、二面鏡の場合は大きな面に施されていることが多いです。また、「コートあり」の場合は、鏡の表面に「この鏡にはコートがあるので注意してください」といった内容のシールが貼ってあることが多いです。普段はあまり気にしないかもしれませんが、鏡にこのシールがあったら注意するようにしましょう。鏡交換は決して安いものではありませんので、痛い出費になってしまいます。

その他にも、以下のような使い方もNGです。

・吸盤やジェル状の飾り、テープなどを鏡の表面に貼る
・毛染め液、化粧品、液体うがい薬などを付着させる
・細かいキズや色がついた箇所を強くこする

歯磨き粉などが飛んだ場合、水を含ませたきれいな布で軽く拭いてください。お手入れにはマイクロファイバーのようなやわらかい布がおすすめです。また、やわらかいきれいな布に約5倍に薄めた食器用中性洗剤(透明)を含ませて絞り、鏡表面の汚れを軽く拭くのも、食器用中性洗剤に含まれる界面活性剤がくもり止め効果をより長持ちさせるため効果的です。

毎日使う洗面台。植物やお気に入りの雑貨を置いて帰宅時にホッと癒されている方も多いかもしれません。トラブルを回避して、大切に使っていきたいですね。次回も引き続き「洗面化粧台のトラブル回避のためにできること」をご紹介していきます。