家を建てるときにかかる税金、どんな種類があるの?
家を建てる際には多くの税金がかかることをご存知でしょうか。
税金は法律で税率や金額の算出方法が決まっているため、節約や値引きができません。
そうでなくとも、住宅購入時は支出の増えるときです。
税金の種類や金額の目安を知っておき、必要な額をしっかり確保しておきましょう。
いつ、どんなタイミングで税金が発生するの?
家を建てる際は、大きく分けて3つのタイミングで税金が発生します。
- 土地契約・工事請負契約時
- 建物引き渡し・住宅ローン融資時
- 入居後
主にこの3つのタイミングで税金が発生しますが、支払い時期は不動産会社や建築会社によって多少の変動がありえます。
あくまで目安となりますので、実際に家を建てる際はご注意ください。
さらに、家を建てるときだけでなく、入居後に継続して発生する税金もあるので、そちらもあわせてご紹介していきます。
税金計算の基本は
原則として、税金は工事の請負金額や不動産評価額に所定の税率をかけて算出されます。
そのため、立地が良かったり、広い土地であったりするなどして評価額が高くなれば、税金も高くなることを知っておきましょう。
なお、評価額は正確には「固定資産税評価額」といい、不動産の住所がある市区町村が決定します。
タイミング1 土地契約・工事請負契約時にかかる税金
最初のタイミングである土地契約・工事請負契約時の税金を見てみましょう。
税金は、建物を建てる(注文住宅)場合と、完成済みの物件(建売りや分譲マンション)を購入する場合で多少変わってきます。
ここでは家を建てるケースを中心にご紹介します。
契約書にかかる印紙税
建物を建てる場合には「工事請負契約書」、購入する場合には「売買契約書」のを作成しますが、その際に印紙税が発生します。
- 工事請負契約書 請負金額に応じて印紙税が決定
- 売買契約書 売買代金に応じて印紙税が決定
双方の税額は若干異なりますが、記載金額が1,000万円超~5,000万円以下の場合は同じです。
税額は本来15,000円ですが、平成30年3月31日までは軽減税率が適用され10,000円となります。
土地や建物にかかる所有権の保存登記
土地や建物を取得すると、所有権を明らかにするために登記手続きが必要になります。
その際に発生するのが、登録免許税です。税率は以下のようになっています。
- 所有権の保存登記
土地 固定資産税評価額×0.4%
家屋 固定資産税評価額×0.15%(軽減税率適用)
- 所有権の移転登記(売買)
土地 固定資産税評価額×1.5%(軽減税率適用)
家屋 固定資産税評価額×0.3%(軽減税率適用)
軽減税率は、床面積が50平方メートル以上であることや、新築物件(または取得後1年以内)である等の条件を満たす必要があります。
また、上記の軽減税率は、土地の場合は平成31年3月31日まで、家屋の場合は平成32年3月31日までの期限措置です。
適用時期に注意しましょう。
住宅購入時、消費税はどこにかかる?
家を建てるときは、身近な税金である消費税も関わってきます。
- 仲介手数料
不動産会社を介して土地を購入する場合は、通常、仲介手数料が発生します。
仲介手数料は、物件価格が400万円超の場合は『税抜き不動産価格×3%+6万円』が上限です。
その価格に対して消費税がかかってくるため、仲介手数料の有無と税込み金額を早い段階で確認しておきましょう。
なお、個人間の売買では仲介手数料は発生しません。 - 工事請負代金や建物代金
土地には消費税がかかりませんが、工事費や建物の代金には消費税がかかります。
消費税は取引内容によって課税されたりされなかったりするので注意したいですね。
タイミング2 建物引き渡し・住宅ローン融資時にかかる税金
一般的に建物が完成し引き渡しの際は、同時に住宅ローンの融資を行います。
融資時は抵当権設定の登録免許税や、住宅ローン契約書の印紙税も発生します。
- 抵当権設定の登録免許税
借入額×0.1%(軽減税率適用)
通常は借入額×0.4%が税率となりますが、所有権保存・移転登記と同じように、新築要件や面積要件を満たせば軽減税率が適用されます。(軽減税率の期限は平成32年3月31日)
- ローン契約書の印紙税
契約書記載の金額によって税額が決まります。
仮に1,000万円超5,000万円以下であれば20,000円です。
ただし、最近ではインターネットを利用してペーパーレス契約ができる金融機関も存在します。
その場合、印紙税は発生しません。
住宅ローン契約時は、そのほかにも事務手数料や団体信用生命保険料などの諸経費が発生します。
金融機関ごとに料金が異なる支出と、借入金額に応じて額が決定している税金との区別をつけておきましょう。
タイミング3 住宅取得後にかかる税金
取得後、一定期間経過後に請求される税金として「不動産取得税」があります。
取得後1回支払えば済む税金ですが、取得してから一定期間後に請求がくるので、うっかり忘れないようにしましょう。
納税額は、固定資産税評価額を基準に税率をかけて算出されます。
課税するのは都道府県で、土地と建物は別々に計算します。
不動産取得税 住宅取得の場合
- 土地の不動産取得税
本則:固定資産税評価額×3%
特例:固定資産税評価額×1/2×3%-税額控除
特例には税額控除がありますが、控除できる額は下記のいずれか多い方の金額です。
ア)45,000円(税額が45,000円未満である場合はその額)
イ)(土地1㎡当たりの固定資産税評価額×1/2)×(課税の床面積×2)×3%(床面積の上限200㎡)
- 建物の不動産取得税
本則:固定評価額×3%
特例:(固定資産評価額-特別控除額)×3%
新築物件の場合1,200万円(認定長期優良住宅については、1,300万円)が特別控除できます。
土地・建物の不動産取得税における特例は、多くが平成30年3月31日までの時限措置です。
定期的に延長されていますが、いつまで継続するかはわかりません。
本則と特例では納税額が変わってくるので、取得前に税率や控除額を知っておきましょう。
特に不動産取得税は、取得後に市区町村から請求されるため注意が必要です。
万が一現金がないときは、クレジットカードを利用できることもありますが、詳細は都道府県ごとになるので支払い方法も合わせて確認しておくといいですね。
一生継続してかかる税金もある
家を建てたあと、毎年かかる税金もあります。
それが固定資産税および都市計画税です。
こちらも固定資産税評価額に税率をかけて金額が決定します。
固定資産税は土地・建物ともに「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」、
都市計画税は土地・建物ともに「固定資産税評価額×0.3%(制限税率)」です。
ただし、この税率は国が示している目安・もしくは上限で、実際の税率は市区町村が決定します。
土地については評価額が減額される特例もありますので、詳細は市町村のホームページなどで確認しましょう。
支払い時期を知って余裕を持って納税しよう
家を建てる際には多くの税金がかかりますね。
税金は法律で税率や金額の算出方法が決まっているため、節約や値引きができません。
しかし逆に言えば、金額が推定できるので、準備しやすいというとうメリットもあります。
納税時に慌てないよう、必要な額をしっかり準備しておきましょう。
参考:
◎No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
◎No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
◎固定資産税(土地・家屋)・都市計画税|東京都主税局
◎不動産取得税の概要|東京都主税局
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