INFORMATION家づくり便利帖

  • 建物のはなし

2020.03.30

住みたい家ってどんな家ですか?

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設計者が考える一番の贅沢な家はなんだと思いますか?
大きな吹抜けや広いリビング、勾配天井やロフトがあるようないろんな工夫をいれた家にも住んでみたいと思いますが、昔ながらの軒の深いゆったりとした「平屋」に憧れをもっています。設計者にとって平屋に住むということは一番贅沢なものだと考えています。最近設計している家は何LDKといった部屋が一つ一つきちんと独立しているような住宅がほとんどです。マンションのプランを見てもリビング・ダイニング・キッチンがあって、寝室、和室(最近は和室のないプランも多く見かけます)、子供室等に使用できるような洋室があるものが殆どです。

現在の土地事情

今まで立派な住宅が建っている場所も、形の良い土地は分譲地となることが多いのですが、単なる空き地となってしまうところ、駐車場となってしまうところ、公園のように生まれ変わるところと様々です。
都会では家が解体されて新しい家が建つのかと見ていると、広い土地が小さく区画されて3階建ての建売住宅になる事が多くなっています。土地の広さが確保できなければ、確実に部屋数を確保するために、上に伸ばして面積を確保しなくてはいけないため上に伸びて行く事がしばしばですが、周りに住んでいる住人、特に平屋をうらやましいと考える者としては、小さく刻まれていく土地を見ると、とてももったいないと感じてしまいます。

平屋と2階建ての違い

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一番の違いは階段のあるなしだということはお分かりになると思います。その他としては階段と部屋をつなぐ廊下の長さではないかと思います。住宅の作り方によっては廊下を短く作ることがありますが、それでも2階があればその分の廊下は必要となります。考え方によっては廊下が長くなることで家事動線や作業動線が長くなることになります。

階段の作り方によっては家族の気配を感じることができない可能性もあります。気密や断熱がきちんと施工されている住宅であればリビング階段も考えることで家族の気配を感じやすくなりますが、寒さ対策のために廊下からの階段にした場合、人の気配を感じることが難しかくなることがあります。その点平屋の場合は、同じフロアで家族が生活にするので必ず顔を合わせることが容易にできるのです。

家を建てるタイミングは

家を建てようと考えるのは、子供が生まれる、子供たちとの同居を考え始めたなど、家族が増えるタイミングの人が多いと思います。子供がいる家庭では、子供が大きくなった時にきちんと部屋を作ってあげたいと思うのかもしれません。一人一部屋ある家が殆どとなっているような現代の住宅では、普通の考えです。
しかしSNSが普及している現代、部屋があればその場所にこもって出てこない環境になってしまいがちにもなります。これらの問題点を解決する上で、リビング階段や吹抜け、センターキッチンを作って家族の息遣いを感じるような家を提案してきました。子供がいつ出ていったか分からないということはできることなら避けたいと考えています。家族と顔を合わせることが少ない、食事も時間が合わずバラバラにだといったことが起きないように、できるだけリビングに家族が集まるような家づくりをしてもらいたいと思っています。

平屋を望むようになる

子供と一緒に住んでいるときはまだ若くて階段の上り下りもあまり不便には感じません。その頃は部屋数も必要です。しかし、子供が独立し、年を重ねるごとに階段の上り下りがだんだん大変になっていき、2階の部屋は物置になり、日々使用することはなくなってしまうことが多くなっています。2階に上がるのは年数回で、使うのは子供が帰ってきた時だけ。ということが結構あるのではないでしょうか。
2階にベランダがあり洗濯物をそこに干すしかないような場合は、重い洗濯物を持って頑張って2階までの往復をしているという方も多いのではないかと思います。そんな時にふと平屋やワンフロアのマンションへの住み替えを考える方もいるのではないでしょうか。階段の上り下りを考えると一つの階で全てのことができるのはやはり便利ということです。

段差は悪者?

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バリアフリーの観点から、家の中の段差を減らす設計が主流になっていますが、気を付けなければいけないのはほんのわずかな段差です。和室を小上がりにするといった大きな段差にはあまりつまずかず、逆にほんのわずかな段差ほど危険が潜んでいます。和室と洋室の境目には襖や障子といった建具があるはずです。その建具を入れるための敷が畳や床との段差を生じさせるため気を付けなければいけません。バリアフリーの規定では5mm以内に抑える必要があるので、小上がりといった大きな段差のほうが逆に危険は少ないように感じます。小上がりを作る際は腰かけて使えるくらいの段差にしたほうが使いやすくなります。

年齢と共に上り下りが大変になってくるのは仕方がないことです。会社勤めがなくなったとたん、家から出る機会がなくなりトイレに行く時しか動かない・・・なんてことがないように、家の中で少しでも運動できるようにと階段を使うことも良いのですが、足を滑らせたらなんて心配も出てきます。マンションも高層階に住むとなかなか外に出ることがなくなるといった話も聞きます。家の過ごしやすさを考えると、できれば地面に近いところに住むということが大事なのかもしれません。

土地の広さがあれば平屋を提案したいのですが、平屋の場合廊下が長くなりがちで、暗い廊下になるといったプランになることもあります。平屋を設計するときは部屋をつなげるといったことが多いため、暗くなりがちです。その場合できる限り凸凹を作って光を入れるようにします。また、坪庭を作る、廊下側に採光用の窓を設ける、トップライトを上手く使う、などをして暗くならないように工夫する事もできます。

平屋、2階建て、3階建てのメリットやデメリットがあると思いますが、部屋数やどんな住まい方をしたいかをきちんと考え、土地の広さや高低差など土地の状況、用途地域などの条件を踏まえて計画を進めていき、自分の住みたい家を作っていくようにしましょう。

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