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2024年はどう変わる?住宅ローン減税等の最新情報

昨年12月、2024年度の税制改正大綱が発表されました。

この度の税制改正大綱には、住宅ローン減税の制度変更等、住宅取得に関する内容がいくつか盛り込まれています。

そこで今回は、住宅取得にまつわる資金の最新情報として、どのような変更が検討されているのか、税制改正大綱の内容についてポイントを絞ってお伝えいたします。

税制改正大綱とは

税制改正大綱とは、翌年度以降の税金をどのように改正するのか、その方針をまとめたものです。

政府はこの大綱をもとに税制改正法案をつくり、国会に提出して審議を進めます。

つまり今の段階では、全く同じ内容で施行されるかどうかはまだわかりません。

今後の国会で関連税制法が成立することが前提となりますので、今後の動向にも引き続き、チェックが必要です。

住宅ローン減税 現行制度との変更点

現行制度と変わった点で注目すべきポイントは、住宅ローン減税が適用される借入限度額の拡充です。

(現行制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。)

https://www.inos-ie.com/topics/2023/01/20230126001406.php

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(国土交通省 報道発表資料より引用)

いま住宅ローン減税は、住宅の性能や入居する時期によって借入限度額に差があります。現行制度では、2024年に入居すると2023年入居と比べて借入限度額が低くなる予定でした。

しかし、今回の変更では、一定以上の性能を持った新築住宅を購入する「子育て世帯・若者夫婦世帯」に対して、上乗せ措置を講じることになっています。

これにより、「子育て世帯・若者夫婦世帯」に限っては、2023年入居の限度額の水準(認定住宅:5,000 万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500 万円、省エネ基準適合住宅:4,000 万円)を維持するかたちになります。

子育て世帯・若者夫婦世帯の対象

「子育て世帯・若者夫婦世帯」の対象となるのは、以下の2パターンです。

1.年齢19歳未満の扶養親族を有する者

2.年齢40歳未満であって配偶者を有する者、又は年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者

※上記の年齢については、入居年の1231日時点における年齢とすることが想定されています。

このように、2024年以降の入居では、借入限度額は下がる予定でしたが、昨今の急激な住宅価格の上昇等の状況や子育て世帯への支援強化の必要性を踏まえた内容となっています。

その他住宅取得に関わる変更

住宅ローン減税以外で住宅取得に関わる内容では、「住宅取得等資金の贈与の特例」の延長があります。

住宅取得等資金の贈与の特例

住宅を購入する際、身近な方から資金の援助を受ける方もいらっしゃると思いますが、通常、人からお金をもらった場合には贈与税がかかります。

しかし、父母や祖父母などから、住宅の購入に充てるための金銭を取得した場合は、要件を満たせば、一定額まで贈与税が非課税となります。

また、こちらの制度も、住宅性能が高ければ非課税限度額がアップする仕組みになっています。

(現行制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。)

https://www.inos-ie.com/topics/2023/02/20230220001412.php

こちらは昨年2023年に終了予定でしたが、その期間が延長されることになります。

また、非課税限度額がアップする「良質な住宅」の要件について、求められる性能が引き上げられるかたちになっています。

住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の変更点

変更点は、以下の2点です。

○適用期限を3年間(令和6年~8年)延長する。

○非課税限度額が1,000 万円に上乗せされる「良質な住宅」の要件について、新築住宅の省エネ性能要件をZEH 水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)とする※。

※令和5年12 31 日までに建築確認を受けた住宅又は令和6年6月30 日までに建築された住宅については、現行要件(断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)のまま。

こちらも引き続き、住宅ローン減税と同様、住宅取得をしやすくするための措置ですが、非課税限度額が上乗せになる「良質な住宅」に条件が追加されており、昨今の高性能な住宅が優遇される流れを強化するかたちとなっています。

まとめ

物価の上昇や不動産の高騰が続くなか、減税措置が引き続き実施されるのは大変ありがたいことですが、少子高齢化の解消、循環型社会の推進といった社会問題があるうちは、子育て世帯と性能の高い住宅が、より優遇を受けられる方向性は、今後も続いていきそうです。

これから住宅取得を検討されている方は、今後も引き続き動向を是非チェックしてください。

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