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はじめての家づくり

ハザードマップと災害への備え

お住まいのエリアのハザードマップをご覧になったことがありますか?

そこには危険を予知するために重要な情報が満載です。今回は、ハザードマップの詳細や災害への備えがされた住宅などについて、お伝えしたいと思います。

1.ハザードマップとは?

自然災害から命を守るため、市区町村単位で地域の危険を教えてくれる地図と言われています。その主な目的は、自然災害が発生したときに想定される災害リスクのある場所を事前に把握できるように地図上に見える化し、防災意識を高めることにあります。

1)ハザードマップの種類は?

想定される災害リスクによって、主に以下のような種類があります。

➀洪水ハザードマップ

河川の氾濫により、想定される浸水区域や浸水した場合の水深を示します。

➁内水ハザードマップ

集中豪雨などにより下水道設備の処理能力を超えたときに、想定される浸水区域や浸水した場合の水深を示します。

③高潮ハザードマップ

台風や発達した低気圧などにより、高潮が発生したときに、想定される浸水区域や浸水した場合の水深を示します。

④土砂災害ハザードマップ

土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂災害警戒地域を示します。

⑤津波ハザードマップ

津波が発生したときに、想定される津波の到達予想範囲や津波の高さを示します。

⑥火山ハザードマップ

火山の噴火により、噴石の落下や火砕流・土石流、地すべり、噴煙や火山性ガス、火災の発生などが想定されるエリアを示します。

⑦地震危険度ハザードマップ

大規模な地震により、揺れや液状化等の影響を受けやすいと想定されるエリアを示します。

⑧宅地ハザードマップ

埋め立てや盛り土をして造成された宅地で、大雨などにより、地すべり・がけ崩れ・土砂流失などが想定されるエリアを示します。

2.利活用上の留意点について

1)ハザードマップに示される色の濃さ

主に、色が濃くなるほど、危険の程度(災害が発生する確率、浸水の深さ等)が上がるように表示されています。

2)道路防災情報

次のような情報が提供されており、避難ルートを確認する際などに災害の種類に応じて活用する必要があります。

➀事前通行規制区間:

大雨や台風などにより、土砂崩れや落石等の恐れがある箇所で過去の記録等に基づき、災害が発生する前に通行が規制され、道路が寸断されることが想定される区間

➁冠水想定箇所:

アンダーパス(道路・鉄道等の下を潜り抜けて通る箇所)や道路の高さが局所的に低い箇所など、集中豪雨などにより、冠水が想定される箇所

3)市町村の作成・周知義務

「水防法」「津波防災地域づくりに関する法律」「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」等により、市町村は、市町村地域防災計画に必要事項を定め、ハザードマップを作成し、住民に周知させることが義務付けられています。

4)宅地建物取引業者の説明義務

不動産取引時に宅地建物取引業者が行う重要事項説明において、水防法に基づくハザードマップ(上記の洪水・内水・高潮の3種類)の説明が義務付けられています。

5)防災マップ

同様な防災用の地図に、「防災マップ」などと呼ばれるものがあります。

防災マップは、災害発生時の避難経路や避難所、消防署などの避難関連情報を地図上に示し、安全に避難することを目的に作成されています。

避難情報等については、ハザードマップにも記載がありますが、情報過多となり、見やすさ・分かり易さを考慮して、主に、ハザードマップは災害発生前のリスクを把握するため、防災マップは災害発生時の避難行動を計画するため、と区分けされていることもあります。

3.災害への備えがされた住宅

災害への備えがされた住宅は、防災住宅ともいわれ、次のような備えがされています。

1)生活空間を保持するための備え

1)生活空間を保持するための備え.png

2)災害時でもエネルギーを確保する備え

2)災害時でもエネルギーを確保する備え.png

3)災害時のために水・食料を備蓄する備え

3)災害時のために水・食料を備蓄する備え.png

4.災害への備えと補助金 (※20259月現在)

1)防災用品購入補助金制度

各自治体により、事前に申請して、下記のような防災用品の購入に対して補助金が交付される制度があります。

・発電機、蓄電池、土嚢、止水板、感震ブレーカー、ガラス飛散防止フィルム、浄水器など

2)防災リフォーム補助制度 ※下記、国の補助制度の他に自治体によっては補助があります。

➀長期優良住宅化リフォーム推進事業【国土交通省】

防災性、レジリエンス性(災害から回復する能力)の向上改修工事について、要件を満たせば、補助金の交付を受けることができます。

➁住宅・建築物安全ストック形成事業(住宅・建築物耐震改修事業)【国土交通省】

耐震診断、補強設計、耐震改修など、住宅の耐震性能等向上に資する取組みに対して、要件を満たせば、補助金の交付を受けることができます。

3)新築時の補助

➀地震保険料の割引

要件を満たせば、以下の割引を受けることができます。※重複して受けることはできません。

ア〉耐震等級割引:耐震等級13⇒割引率1050

イ〉免震建築物割引:割引率50% ウ〉耐震診断割引:割引率10

➁借入金利の優遇

要件を満たす耐震性を有する住宅に対して、住宅金融支援機構【フラット35Sなどの金利が引き下げられます。(*金利Aプラン:耐震等級3または免震建築物⇒当初5年間年0.5%優遇)

③各種補助制度

省エネルギー・環境性能基準等を併せて満たす場合、次のような支援が受けられます。

ア〉GX志向型住宅支援 イ〉長期優良住宅支援 ウ〉ZEH住宅支援

5.まとめ

今回は、ハザードマップの詳細や災害への備えがされた住宅などについて、お伝えしました。

ハザードマップは常に最新の情報を確認しましょう。また、スマート化された防災、例えば、災害発生時に異常を即時にスマートフォン等へ通知、自動で電源・ガス等を切断など、IoT等の最新テクノロジーと連動した防災も活用されてはいかがでしょうか?

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